愛知県立芸術大学+名フィル スペシャル・ジョイント・コンサート/川瀬賢太郎の三大バレエ | geezenstacの森

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愛知県立芸術大学+名フィル スペシャル・ジョイント・コンサート

川瀬賢太郎の三大バレエ

 

 

曲目/

 

▊ コープランド:バレエ『アパラチアの春』組曲【名フィル単独演奏】
▊ チャイコフスキー:バレエ『白鳥の湖』 作品20(抜粋)【県芸大単独演奏】
▊ ストラヴィンスキー:バレエ『春の祭典』【合同演奏】

 
指揮/川瀬賢太郎
演奏/名古屋フィルハーモニー交響楽団
   愛知県芸術大学管弦楽団
 
会場/日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(名古屋市民会館 大ホール)
 
 3月31日は何の日かご存知でしょうか。「オーケストラの日」だったんですねぇ。でも、地元名古屋では大消す寅の日にコンサートを開いたのは名フィルしかありませんでした。以前はもっとあってオーケストラの日を盛り上げていたんですが、ここ2年ばかりのコロナのせいですっかり様相は変わってしまいました。
 
 全国的にも今年はしょぼい企画ばかりで、東京は文化会館の小ホールからのライブ配信のみ、静岡や山形はそれなりのコンサートが催されたようですが、目立った動きはあまりなかったようです。そんな中で名古屋は名フィルと地元の愛知県立芸術大学の合同のスペシャルコンサートが開催されました。粋ですねぇ!!
 
 この名フィルと協定を結んでいる愛知県立芸術大学の学生たちとのジョイント・コンサートは、2020年2月に予定しながらも、コロナ禍によりやむを得ず中止となってしまいました。今回は正指揮者の川瀬賢太郎の指揮で、オーケストラの日企画として川瀬流の「三大バレエ」を取り上げました。
 

 下が今回のオケの配置です。オペラ公演時のオーケストラピットまでも使った大編成の様子が伺い知れます。

 

 

 前半の単独演奏、まずは名フィルのコープランド「バレエ『アパラチアの春』組曲」でした。この曲はレコード時代にバレエ指揮者のロバート・アーヴィング/コンサート・アーツ管弦楽団の演奏で親しんでいました。この曲はオリジナルの室内管弦楽団ようの小編成のものとオーケストラ用の版があります。今回はオーケストラ用の編成で演奏されました。

 

 オーケストラ版は8つのパートからなり、アパラチアの春の訪れの中で若い開拓者の結婚の祝いの風景が描かれています。牧歌調の木管による心に染み入る響きと、弦のスタッカート気味の躍動感あるリズムが特徴で、久しぶりにコープランドサウンドの魅力に酔いしれました。下は2021年からフィルハーモニア管の首席指揮者になったサントゥ=マティアス・ロウヴァリ指揮による演奏です。パートごとにインデックスが売ってあり曲を理解するには最適です。

 

 

 続いて、愛知県立芸術大学管弦楽団の「バレエ『白鳥の湖』 作品20(抜粋)」が演奏されました。こちらは組曲の抜粋で、以下の5曲が演奏されました。

 

1.第2幕「情景」

2.第1幕「ワルツ」

3.第2幕「四羽の白鳥の踊り」

4.第3幕「ハンガリーの踊り」

5.第4幕「情景・終曲」

 

川瀬の指揮に瞬時に藩のする機動性の良さはさすがて、多彩な講師陣に鍛えられているオーケストラを実感させます。まあ、編成の割にプロのオーケストラに比べて金管の迫力が今一歩だったのはちょっと残念でした。

 

 

 それぞれのオーケストラのサウンドを楽しんだ後は神戸えーうのオーケストラによるストラヴィンスキー 「バレエ『春の祭典』」でした。それが下の編成です。

 

 

 コントラバスだけで10挺というのは今まで聴いたことがありません。弦の編成は18-16-14-12-10となっていました。名フィルは今までにウィーンフィルや神奈川フィル、そしてこの県芸大オケなど合同演奏には慣れていて1+1が3になる相乗効果を引き出しています。今回もストラヴィンスキーの変拍子によるスリル感と、大編成の大迫力サウンドで魅了してくれました。川瀬賢太郎氏は、この3月で神奈川フィルを退任し、新天地の札幌フィルの音楽監督に就任します。名フィルの正指揮者の地位はそのままですから、北海道でもどんどんジョイントコンサートを実施して活躍してほしいものです。