諸 事 雑 感
世の中一人の独裁者のせいで大変なことになっています。最近の論調ではプーチンはアルツハイマー症候群ではないかと言われていますが、さもありなんという感じではないでしょうか。SNSも使いこなせないような側近ばかりで、地下深くにこもっているのはやはり暗殺を恐れてなんでしょう。今のロシアの状況を鑑みるに中国もかなり近似値に近いものを感じてしまいます。
それはそうと音楽界でもウクライナ情勢の動向で大変なことになっています。まあ、その筆頭はワレリー・ゲルギエフでしょうなぁ。音楽界では一番プーチンに近い人物として知られていて、此度の状況下では一言も意見を発していないということではウィーンフィルのアメリカ公演で指揮者を解任になっても仕方のないことでしょう。それだけでなく、3月1日にはミュンヘンフィルも解雇されています。また、オランダのロッテルダムフィルも毎年9月に行っている「ゲルギエフ・フェスティバル」をキャンセルする方向で検討しているようですし、ドイツではベルリン・フィルハーモニー管弦楽団に続き、バーデン=バーデン音楽祭、ハンブルクのエルプ・フィルハーモニーなども声明を出し、今後のスケジュールの白紙撤回を示唆しています。
ロシアのマリンスキー劇場のポジションはもちろんそのままですが、それ以外のヨーロッパとアメリカでの出演はほぼなくなっっています。残っているのは札幌のPMFくらいだけど、これはどうするのでしょう。このブログにゲルギエフの「フィンランディア」が音源としてあったら貼り付けようと探したのですが、見つかりませんでした。そもそも、ゲルギエフはほとんどシベリウスは取り上げていないようです。
とばっちりは他にも広がり、トゥガン・ソフィエフはフランスのトゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団の音楽監督、そしてボリショイ歌劇場の音楽監督兼首席指揮者を辞退する声明を発表しています。
また、ロシアを代表するソプラノ、アンナ・ネトレプコ氏は、米ニューヨークのメトロポリタン・オペラ(MET)で今シーズンと来シーズンの公演を降板する見通しとなっています。そんな中、ピアニストのエフゲニー・キーシン氏や指揮者のキリル・ペトレンコ氏ら、反戦の立場を表明するロシア出身の音楽家もいます。ロシアの文化・芸術専門ウェブサイトが軍事作戦の中止を求めるプーチン大統領宛て公開書簡を作成し、芸術家の署名が集まっているとの報道もあるります。
本来はチャイコフスキーなどはウクライナと深い関わりがあるはずなんですが、大序曲「1812年」なんかはあからさまにロシア賛歌になっていますから、最近ではコンサートの曲目から外される例が後を断ちません。東海地方では中部フィルハーモニーの3月26日のコンサートで演奏する予定を「1812年」からシベリウスの「フィンランディア」に変更しています。また、「明石フィルハーモニー管弦楽団」は、21日の定期演奏会で披露する予定だったが演奏中止を決めています。大阪フィルの5月1日の「近江の春 びわ湖クラシック音楽祭」での「1812年」はどうなるんでしょうかねぇ。*
さて、最近当方のブログで大町陽一郎氏を取り上げた記事へのアクセスが急増しています。何となれば大きな記事に隠れてしまっていますが、大町陽一郎氏は国際的に活躍した指揮者で、去る2月18日、老衰のため東京都内の高齢者施設で亡くなっています。氏はオペラの指揮も多く手掛け、1968年にはドイツのドルトムント市立歌劇団の専属指揮者になっています。また、1980年には日本人として初めてウィーン国立歌劇場に登場しオペラ「蝶々夫人」を指揮しています。その縁で、82年から2年間、同劇場の専属指揮者としてオペラ、バレエの公演を指揮しています。また、1961年から1970年まで、東京フィルハーモニー交響楽団常任指揮者として活躍していました。
音楽とは関係ありませんが、推理小説作家の西村京太郎氏が3日に亡くなっています。氏の小説はこのブログでも頻繁に登場しています。十津川警部シリーズがメインでしょうが、初期の作品も忘がたいものが沢山あります。晩年は流石に老人病か、同じフレーズの繰り返しが多く読むのを辞めてしまいましたが、常に世間の話題を小説に取り入れる姿勢は感服しました。ご冥福をお祈りします。
* その後、レスピーギの「ローマの松」に曲目変更になりました。