THE BEST OF CLASSIC ROCK | geezenstacの森

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THE BEST OF CLASSIC ROCK

 

曲目/

A1.Classic Rock Classics (Medley)    3:08

A2.Eye Of The Tiger    4:10

A3.Whole Lotta Love    4:18

A4.Baker Street    5:12

A5.Paint It Black    5:25

A6.Get Back    5:45

B1.Fanfare Intro - Rhapsody In Black    4:39

B2.Reach Out I'll Be There    3:25

B3.Standing In The Shadows Of Love    3:12

B4.Ruby Tuesday    4:33

B5.Bohemian Rhapsody    5:22

B6.The First Time Ever I Saw Your Face    4:47

B7.Sailing    4:49

 

演奏/ロンドン交響楽団

指揮/ルイス・クラーク A-1,2

  ペーター・ナイト A-4,6 B-3,4

  アンドリュー・プレイス・ジャクマン A-3,5 B-1,2,5-7

録音/1976/10/15,16 アビーロード・スタジオ

Producer – Jeff Jarratt And Don Reedman

K-Tel – ONE 1080

 

 

 

 このアルバムはベストもので、都合五枚のアルバムが発売されています。その最初のレコードは1978年6月に発売されていますが、この内容で、いきなりアルバムチャートの8位にランクインしています。最高位は3位で、チャートには39週間ランクインするというヒットを飛ばしました。これだけイギリスでは話題になったアルバムなのに日本では発売されていないのか、ネットで検索しても引っかかりません。

 

 

 まあ、普通に考えれば「クラシック・ロック」ならロックの昔の名曲といった捉え方で、ポップスの範疇のロックという認識でしょうな。でも、イギリス人の考え方は「クラシック・ロック」の「ロック・クラシック」という捉え方なんでしょう。マントヴァーニ」や「フランク・チャックス・フィールド」が育つ土壌だったのですから。そんなことで、シンフォニー・オーケストラがロックを演奏してもいいじゃないか、という考え方が出てくる訳です。もともと、イギリスのロック・ミュージシャンはクラシック音楽の素養を一通りベースで持っていましたからねぇ。イエス、ムーディ・ブルース、ピンク・フロイド、ELPなんてみんなそうです。

 

 たた、日本ではよりPOPなロイヤル・フィルの「フックト・オン」シリーズの方がヒットしただけでしょう。このアルバムでも1曲目のメドレーはそんな曲で、ここでもルイス・クラークがLSOをRPOのごとく演奏しています。

 

 

 3分10秒の演奏の中にロックの名曲が8曲も含まれています。

Get Back

Baker Street

Ruby Tuesday

Don't You Want Me

Paint It Black

Layla

Reach Out I'll Be There

Standing In The Shadows Of Love

がその曲ですが、聴いてわかります?このメドレーの中にはアルバムに別途単独で収録されている「Get Back」、「Baker Street」、「Ruby Tuesday」、「Reach Out I'll Be There」、「Standing In The Shadows Of Love」の5曲が入っているんですなぁ。

 

 

 この2曲目もルイス・クラークのアレンジによる演奏です。ルイスにしては珍しくメドレーではなく「アイ・オブ・タイガー」一曲を料理しています。ただ、どことなくやはり「フックト・オン」の雰囲気が感じられます。多分ドラムスの打ち込みがそう感じさせるのでしょう。

 

 

 これが本来ヒットしたアルバムで編曲、指揮を担当していたアンドリュー・プレイス・ジャクマンの演奏です。当然このベスト盤でも彼のアレンジものが一番多く収録されています。ローリングストーンズの初期の名曲ですわな。小生でも知っている曲で、ストレートにオーケストレーションしています。ここで、本来のコーラスが初めて登場します。コーラスといってもスキャットです。

 

 

 あたしゃ知りませんでしたがこんな曲もヒットしていたんですなぁ。邦題は「霧のベーカー街」なんだそうです。原曲もアルトサックスが活躍していましたがここでもその雰囲気をうまく取り込んだアレンジになっています。

 

 

 このベスト盤にはビートルズの曲はこの一曲しか収録されていません。冒頭がちょっと異色のアレンジになっていて一瞬曲を間違えたのかなという感じがします。2分過ぎから本来のゲット・バックが始まります。

 

 

 これもローリング・ストーンズの曲です。原曲はバラードになっていますが、ここでは高らかにファンファーレが鳴り、ちょっと物々しい開始です。

 

 

 最近また盛り上がったクィーンの「ボヘミアン・ラプソディ」です。マントヴァーニやスタンリー・ブラックとはやや趣か異なりますし、フランスのイージー・リスニング・オーケストラもなかなか取り上げなかった曲目ですから、LSOがこういう形で取り上げたのは正解だったのでしょう。コーラスも生きているアレンジです。こちらはきちんと歌詞を歌っています。

 

 

 最後はロッド・スチュアートでヒットした「セイリング」です。アルバムの最後にふさわしいシンフォニックなアレンジで締めくくられています。

 

 小生の好みにぴったりと合致するこのアルバム、今更ながらイギリス盤過で入手できたことが嬉しく思います。