集英社版 世界の映画音楽 3
曲目/
先日捕獲したレコードです。1972年の発売になる全9巻の集英社版 「世界の映画音楽」の第3巻です。この年は、戦後第2の洋画ブームのなか、テレビで育った若く新しいファンを対象に“感じる洋画雑誌”として「ロードショー」が創刊されています。そして、この『集英社版 世界の映画音楽』9巻も発売されました。
出版社が販売した全集として流通は書店でした。RCA原盤を使って日本ビクターがレコード制作しています。
こちらが収録されている2枚のレコードのジャケットです。左は「シシリアの恋人」、右は「小さな恋のメロディ」の写真を使っています。これは多分1972年2月に発売された「スクリーン」誌の増刊号で使われていたものを流用したものだと思われます。他にも以下のような写真が掲載されていました。
この映画、日本では大ヒットしましたが欧米ではこけました。本国イギリスでもダメだったんですなぁ。それを一本街で日本ヘラルドが買い付け日本で公開したところ大ヒットしたというわけです。
ところでこの2枚組のアルバム、演奏者はつまるところ二流の楽団でジョルジュ・シャルマン楽団とかデヴィッド・デリー楽団、ラルフ・モーガン楽団などが名前を連ねています。かろうじて知っているのはジョニー・ダグラス楽団や、ピアノのフロイド・クレーマー具ないです。RCAは17cmのシングルを推奨したメーカーですからジューク・ボックス用にこれらの桶を使って単発録音したのでしょう。だから、CD時代になっても単独名義で発売されたものは皆無のようです。
2曲目の「小さな目撃者」が収録されているのは拾い物でした。これも、マーク・レスター主演の映画でした。小生は当時好きだった女優のスーザン・ジョージも出ていたので劇場で見ましたが、ほとんど話題にならなかった作品です。こちらは大映第一フィルムが配給しましたが、タイアップ広告で問題を起こし、マーク・レスター側から訴訟を起こされたりしました。こんな曲が使われたいました。
かろうじて、4曲目の「レット・イット・ビー」だけがありました。ただし、LPからの盤起こしの音源で、レベルが低いですす。
2枚目の1曲目の「警視の告白」も今では忘れ去られている曲です。リズ・オルトラーニの作品ですが、サスペンスフルな佳曲でした。映画が重たかったのであまり顧みられなかったんでしょうなぁ。
B面のイタリア映画「刑事」の主題曲、「死ぬほど愛して」も懐かしい曲です。この曲はアリダ・ケッリ」が歌っていましたので、そのままサントラが使われています。
つづく、「ジェルソミナ」の「道」も当時ヒットした音源でスリー・サンズの演奏が使われています。ちょっと変わった演奏です。
スリー・サンズの演奏は、親しみやすいアレンジが施されていて、ラウンジ・ミュージックやエキゾチカの愛好家たちの間で人気があったようです。ハモンドオルガン、アコーディオン、ギターという編成からは、他のバンドにはない独特な音楽的効果を生み出しています。
これらのレコード、珍しい演奏のオンパレードでリアルタイムで聴いていないぶん新鮮です。