愛知オーケストラフェイティバル2021
中部フィルハーモニー交響楽団演奏会
[開催] | 2021年10月15日(金) | |||
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[指揮] | 飯森範親 | |||
[曲目] | チャイコフスキー:オペラ「エフゲニー・オネーギン」より“ポロネーズ” チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調 作品48 チャイコフスキー:交響曲第4番 へ短調 作品36 |
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アンコール 白鳥の湖よりチャールダッシュ
今年も愛知オーケストラフェスティバルが始まりました。今年は中部フィルがトップを切っての演奏です。昨年はこの中部フィルの演奏は仕事の都合で聴くことができなかったので、これは嬉しい事でした。
また、この演奏会は名古屋ではあまり聴くことができなかった、飯森範親氏の指揮による演奏会ということでも、注目でした。氏は昨年からこの中部フィルの首席客演指揮者に就任しています。また、中部フィルは以前、小牧市交響楽団だ名乗っていた頃に聴いたことがあるだけで、その時の記憶しかありません。
今回はオールチャイコフスキープログラムでした。ただ、編成を見ても4-4-3-3-2プルトで言ってみれば中型の編成です。こんなんでチャイコフスキーの迫力のあるサウンドが鳴るのかなぁと不安に思ったものです。
演奏は丁寧な音作りでスケールが大きく、バランスの取れた重厚な響きに圧倒されました。作品としては交響曲第4番の後に作曲されたもので、場合によっては交響曲の形で完成されたかもしれないという話しで、そう思って聴くと確かにここに金管が加われば壮大な交響曲がもう一曲存在した可能性も考えられますなぁ。そうそう、この曲では、コントラバスは中央後方に配置されて演奏されたので、非常にまとまった室内楽的響きになっていました。
最後は交響曲第4番です。この曲を生で聴くのは今年2回目です。しかし、こちらはプロのオーケストラ。安心して冒頭のホルンの方向から楽しむことができました。やはり、プロは音量が違いますなぁ。音に重量感があります。
この編成での迫力にはたまげたものです。見てもわかるように弦楽セクションはほぼ女性です。第1ヴァイオリンは全員女性で、第2ヴァイオリン、ヴィオラに男性は各1名、チェロは半分女性、コントラバスのみ男性3人に対して女性一名という具合でした。それでも、パワフルな響きになっているのは流石プロです。飯森氏の指揮は全て暗譜で、大きな身振りでオーケストラを煽っていました。そして、音楽の流れを途切らせないように第一楽章だけは単独で演奏されましたが、2楽章以下は続けて演奏されました。音楽が流れていました。
個人的には飯森氏の指揮は初めて聞きましたが、今後が期待できるというものです。欲を言えば本人も愛知県芸術劇場コンサートホールは久々の登場と言っていましたが、今まではこのオケは名古屋での演奏会は全て白川ホールを使っていたので、大きなホールでのびのびと演奏できたのではないでしょうか。
さて、アンコールはおなどチャイコフスキーの白鳥の湖からチャルダーシュでした。この曲は冒頭こそ弦楽で始まりますが、徐々に盛り上がっていって、この日登場した全ての楽器が演奏に参加できる盛り上がりがありました。おとなし目の曲の赤コールも悪くはありませんが、せっかくステージに多くの楽器が登っているんですから、こういう選曲はいいですねぇ。考えられたプログラミングで大満足の演奏会となりました。