フィアールカ管弦楽団 第2回演奏会 | geezenstacの森

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フィアールカ管弦楽団

第2回演奏会

 

【日時】2021年9月19日(日) 開場 17:30 / 開演 18:30

【料金】入場無料

【会場】愛知県芸術劇場 コンサートホール

【曲目】

P.I.チャイコフスキー/バレエ音楽「くるみ割り人形」より第2幕

A.グラズノフ/バレエ音楽「四季」 op.67

【指揮】服部 洋樹

【演奏】フィアールカ管弦楽団

 

 

 

 19日のメインの目的はこのコンサートでした。オール・バレエプログラムという珍しい企画のコンサートで、それもバレエ公演でもないのに、第2幕だけとはいえフルの演奏で組曲ではありません。プロのオーケストラでもなかなかこういうプログラムは組まないのではないでしょうか。

 

 
 ステージ上はフル編成の配置です。下手にはハープは2台、チェレスタ、ピアノが並びます。7-6-5-4-3という編成です。

 

 
 また今回のコンサートはネット配信があるのか2階席後方と左右にカメラが配置されていました。
 
 個人的には「くるみ割り人形」はレーザーディスクでバシリニコフ盤を所有していて楽しんでいますが、生のオーケストラで2幕全曲を聴くのは初めてです。

 

 

 

 今回は最初に少女曲がプラスされて演奏されました。確かにこれがあるとないとでは曲の印象が全く違ってしまいます。第2部の音楽はお菓子の国の音楽ですから聴きどころは満載です。「花のワルツ」もありますしね。

 

 冒頭の序曲はやはり本番だと上がっちやうんでしょうか、ちょっとホルンの出が揃いませんでしたが、まずまずの仕上がりです。お菓子の国の魔法の城は幻想的な音楽で幻想的な音楽で、ここからはようやく落ち着いて音楽が流れ出しました。いっぱい練習したんでしょうなぁ。コンマスは二人いて、こちらの曲はコンサートミストレスの吉田さんが担当していました。なんでもこの演奏の当日が誕生日ということでゲネプロではサプライズがあったようです。

 

 2幕ではお菓子の国の登場人物が多数登場して、「アラビアの踊り」とか「中国の踊り」とか「葦笛の踊り」とかが連続して演奏されます。クリスマスに演奏されたら子供たちが喜ぶわけです。それが終わるといよいよ「花のワルツ」です。ちょっとシンフォニックな演奏を期待してしまいましたが、あくまでバレエ音楽ということで淡々と曲が流れて行きました。こういうところはバレエの伴奏ではないので、もう少し演出があってもよかったかなぁと思えてしまいました。それにしても、終局まで楽しく聴かせてもらいました。

 

 下は今回の編成表です。

 

 

 参考までに音源を貼り付けておきます。いずれ、アップされたらコンサートの音源に差し替えたいと思います。

 

 

 

 さて、後半はグラズノフの「四季」です。このオケは、通称四季オケといい、このグラズノフのバレエ音楽「四季」の魅力を伝えるために2018年10月に東海地区の学生によって結成されたオーケストラです。ということで、第1回の演奏会でもこの曲は演奏されています。ですから、こちらの方は手慣れたものなんでしょう。個人的にはアンセルメ/スイス・ロマンドのレコードで曲自体は聴いたことがありますが聴き込んだという記憶はありません。記憶に残っているのはやはり単独で演奏されることもある「秋」でしょうかねぇ。

 

 グラズノフの「四季」もバレエ音楽ということで、なかなか演奏機会の少ない曲です。グラズノフは交響曲も書いていて、シンフォニックな作品はCDも所有しているのですが、この「四季」に関しては持っていません。特徴はロシアの四季ですから、「冬」から始まるという点でしょうか。四季の中では一番多い6曲で構成されています。標題音楽のタイトルはいずれも寒そうな名前が並んでいます。実体験の音楽なんでしょう。上のプログラムでは「春」はタイトルだけしか書かれていませんが、実際は

  1. 情景
  2. バラの踊り
  3. 小鳥の踊り

の3曲からなっています。明らかに局長が変わりますから、聴いていても季節の変わり目がわかります。バレエ音楽ということで、曲はアップテンポの曲が多く、なかなか聴いていて楽しい作品です。俗にいう食わず嫌いの人が多いのではないでしょうか。

 

 慣れ親しんでいるのはやはり、「秋の「バッカナール」でどうしてもイメージとして映画「ライト・スタツフ」のテーマ音楽を連想してしまいます。よく似ている旋律が出てくるのです。

 

 さて、このグラズノフの「四季」、昨年の演奏会の音源がアップされていますので、最後に貼り付けておきます。聴いた限りでは、今年の演奏の方がはるかにレベルアップしていたことだけは確かです。