アセンブル管弦楽団
第10回定期演奏会
愛知県もこの8日からコロナの蔓延防止法が実施となりましたが、このコンサートが開催された栄地区ではちょうどコスプレサミットも開催されていて、県知事もその催しに顔を出すなどちっとも緊張感がありません。そういう状況ですから、このコンサートも無事開催されました。
アマチュアのオーケストラにとっては年に一回のお祭りですからねぇ、そうそう簡単には中止できないでしょう。今回のコンサートは曲目の前半がビゼーの「アルルの女」第2組曲ということで、親しみやすい曲目からか子供連れのお客さんが多く、会場内ではキーキーキャーキャーという声があちこちから上がり、とてもいつものクラシックのコンサートとは程遠い状況ではありました。まあ、夏休みですからねぇ、無理もないですわ。
コンサートは午後1時半から始まり、午後3時には終了するというコンパクトなものでした。「ファランドール」があるということで第2組曲がチョイスされたのでしょうが、第1ヴァィオリンが7プルトと大きめで、コントラバスは5挺とややアンバランスだったのですが、編成が大きいということでアンサンブルを合わせるのが難しいのかテンポはゆっくり目で、安全策を取っていました。そのため、全体がちよっと鈍重でフランス音楽らしい軽快さが影を潜めていました。
このオーケストラの母体は藤田保健衛生大学のOBOGが中心になっているもので、結構幅広い年代層の団員が見えます。やはり、練習時間が思ったように取れていないのか、アンサンブルの乱れや音の抜けなどが散見され、有名曲なだけにそういう部分が目立ってしまったのは残念なところでした。
後半はマーラーの交響曲第1番「巨人」です。この曲の演奏では第1楽章で、金管に弱音器をつけて演奏させるという手法ではなく、バンダ扱いにしたステージ中央の扉を開け放ってその奥から演奏させるというスタイルをとっていました。ただ、せっかくの子の手法も肝心の音が抜け落ちるというもので、ちよっと失敗だつたのかなぁというのが率直な印象です。また、アマチュアにはちょいと難曲だったのかなあという音楽の流れで、これが十全のリハーサルがなされていればもう少し緻密な演奏が期待できたのになぁという感想です。ここでも、指揮者は安全運転で愚図れそうなアンサンブルの乱れを必死にシュゥ生するだけで手がいっぱいだったのか、やや音楽が流れない状況に陥っていました。それでも、楽章が進むに従ってだんだんマーラーのサウンドになってきたのは救いでした。
ステージ中央の扉は解放されたままでした
オーケストラはアンコールにまで手が回らなかったのか、アンコールは無しで期待していた子供たちはちよっとがっかりしたのではないでしょうか。