新名古屋交響楽団サマーコンサート
曲目/
ハチャトゥリアン ヴァイオリン協奏曲
アンコール タイスの瞑想曲
チャイコフスキー 交響曲第4番
アンコール スターウォーズ
指揮/和田一樹
ヴァイオリン/会田莉凡
愛知県芸術劇場コンサートホール
このコンサートは、たまたまアートギャラリーで開催されていた展覧会を観に行って、プレイガイドのチラシを見て知ったものでした。それも翌日ではないですか。開始時間が午後5時からとあり、なんとか仕事終わりに駆けつけることができそうなので早速ウェブで入場予約を取りました。
実はこのコンサート、本来なら2020年3月に行われる予定のものでした。それが5月に延期になり、それも中止となってこの度ようやく実現したということです。元々は、入場料が1,000円だったのですが、今年の開催は無料になっていました。多分昨年の中止で補助金が出てこのコンサートが賄えたんでしょうなぁ。
開演には十分間に合いました。昨年のプログラムでは同じくハチャトゥリアンのバレエ「ガイーヌ」の音楽も予定されていたのですが、今年のプログラムではカットされていて、いきなりハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲から開始されました。今回ヴァイオリン独奏の会田莉凡さんは、1990年7月5日生まれということで、ちょうど30歳になったばかりです。桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコース修了。徳永二男氏に師事していました。2013年よりサイトウ・キネン・オーケストラに参加、また小澤国際室内楽アカデミー奥志賀に2011年より10年連続で参加しています。2020年4月より京都市交響楽団特別客演コンサートマスターに就任しています。
さて、ハチャトゥリアンのコンチェルトは、全編にわたって民族的な世界が広がりますが、それを担っているのはソロだけでないところがなかなか難しく、メロディ的な要素は木管楽器、リズムを醸し出すのは弦楽器、しかし軸になっているのはハープとコントラバス、そうこの曲にはハープが登場しているのです。
指揮の和田一樹氏は今年の名古屋ショスタコーヴィチ交響楽団の公演に続いての視聴です。あの時もエネルギッシュな指揮が印象的でしたが、ここでもそのパワーは全開です。曲のテンポはソリストに合わせての演奏のようですが、ちょっと力が入りすぎて、オーケストラの響きがソロ・ヴァイオリンを消してしまうような場面があったのが残念でした。
普段あまり聴くことのないハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲で、録音の残る演奏もいたるところにカットが施されていてフルで演奏されることが珍しいようですが、今回はそのノーカット版で演奏されました。民族的旋律にあふれた佳曲で30分以上かかる大曲ですが、あっという間に時間が流れて行きました。下はリハーサルの様子です。
イメージとしては、こんな感じの演奏でした。
熱演で、盛大な拍手とともにアンコールが演奏されました。曲はタイスの瞑想曲でした。ただ、予定調和的に準備されていたようで、ヴァイオリンの独奏ではなくオーケストラとハープを伴った本格的な演奏でした。こんな曲も生で聴けるとは!!
ハープ/神谷朝子、Vn/会田莉凡、指揮/和田一樹
後半はチャイコフスキーの交響曲第4番です。今回のブログラムも寒い地方の音楽ということで、夏はこういう曲の方が好まれるのでしょうかねぇ。ただ、個人的には今回の曲目は両曲とも生で聴くのは初めてという体験でした。
チャイコフスキーはアマチュア桶にとって登場楽器が多いというものが好まれるようですな。こちらもある意味馬力のある演奏でした。下がリハーサルの様子です。
このチャイコフスキーの交響曲第4番の第1楽章は、曲頭のホルンとファゴットのファンファーレのモチーフは全曲の主想旋律となるものですが、アマチュアの限界かここが崩れてしまいました。このシユ代は運命のファンファーレとも呼ばれ、本楽章の展開部以降にしばしば登場する。楽章終盤では立て続けに登場し、楽章終結に向けて大いに曲の緊迫感を高めていくので、建て直しに躍起であったように感じました。
2楽章以降は指揮者の奮闘でなんとか盛り返し、最終楽章に向かって大きな音楽を作り上げていきました。曲の雰囲気をそのままに第4楽章は3楽章終了後間髪を入れずに開始され、曲の高揚感の盛り上げに寄与していました。そして、コーダは減額は全員の上げ弓で終了というパフォーマンスが待っていました。ライブはこうでなくてはいけませんなぁ。
アンコールは、当然ガイーヌの音楽かなと思って期待したのですが、こちらは大きく裏切られました。なんとジョン・ウィリアムズの「スターウォーズ」のテーマが響いたのです。これにはびっくりでしたが、こういうアンコールも有りなんだなぁと、得心しました。音楽は楽しくなくっちゃねぇ。下は新名響の以前の演奏会で演奏された「スターウォーズ」を貼り付けておきました。
来年は6月25日にコンサートが予定されているようです。