第77回 リクエスト・コンサート第2弾!
7月15日(木)18:45 名古屋市民会館
出演
川瀬賢太郎(指揮/名フィル正指揮者)
菊池洋子(ピアノ)
プログラム
▊ 交響詩「フィンランディア」
▊ ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番
▊ <アンコール>サン・サーンス/白鳥
▊ リムスキー・コルサコフ「シェエラザード」
15日は久しぶりに名古屋フィルハーモニー交響楽団の演奏会に出かけました。この処天気が不安定で、この日も午前中は強烈な土砂降りに見舞われましたが、この日は何とか天気は持ってくれました。
今回はリクエストコンサートとということで、事前にアンケートがありました。で、決まったのが上記の曲目という訳です。ちなみに、候補曲は事前に指定されている中からの選択です。小生のリクエスト曲は、序曲部門は「ニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲」、ピアノ協奏曲部門はラフマニノフの3番をチョイス、交響曲、管弦楽曲部門は「シエエラザード」をリクエストしていました。1勝2敗ですな。(-_-;)奇しくも、選ばれたのはどれも寒い国の曲というのが面白いですなあ。
最初はシベリウスの「フィンランディア」です。まあ、オーケストラにとっては小手調べ的な曲です。今回の弦の編成は14-12-10-8-7とコトラバスが厚めで低音が充実していました。指揮の川瀬賢太郎氏は名フィルの正指揮者ですから、エネルギッシュに曲をまとめていきます。まぁね欲を言うなら合唱付の版で盛大にやってくれたら、ちょっとは話題になったかもしれませんなぁ。
ピアニストの菊池洋子さんはモーツァルトの演奏では定評がありますが、ラフマニノフの2番を今年の4月にも群馬交響楽団と共演していますから手馴れたものでしょう。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は聴き慣れた曲ですが、そうそう生で聴いた記憶はありません。やはり、ライブでの丁々発止の掛け合いはいいですなぁ。第1楽章のピアノとオーケストラの掛け合いもいいですが、第2楽章のキラキラと輝くロマンティッキなピアノの豊饒な響きが曲を引き立てていました。また、第3楽章では式の河瀬氏がちょいと副旋律の楽器の音を強調するようなバランスでオケを鳴らし、いつもとは違った感覚でこの曲の新しい側面を聴かせてくれました。
さして、演奏終了後には熱烈な拍手が起こり、最後はアンコールの披露となりました。流れてきたのはピアノ版のサン・サーンスの「白鳥」でした。よもやのアンコール曲でびっくりしましたがピアノ版の「白鳥」も乙なものです。多分通常のコンサートでは弾かれない曲だと思います。いいものを聴かせてもらいました。
後半の「シェエラザード」は生で聴くのは初めてでした。交響組曲として知られる作品ですが、実演で聴くこの曲はソロパートが頻繁に登場することが特徴でしょう。全合奏のシャーリー王の旋律と、ヴァイオリンソロのシェエラザードの対比が実に未後手ど聴き飽きません。今回のヴァイオリンソロはコンマスの日比浩一氏が少々エロティシズムを取り入れた流麗な響きで音楽を引き締めていました。
構成的には前半2楽章をアタッカで繋げて演奏し、物語性を打ち出す演出を取っていました。なるほど、こうすると曲の持つイメージがさらにくっきりと伝わってきます。こういうのはレコードやCDで聞いても味わえないところでしょう。それにしても名フィルは上手くなったものです。特にクラリネットのロバート・ボルショスとファゴットのゲオルグ・シャシコフのソロは音に抑揚があり、まさに音楽を語り聴かせるというアプローチを取っていました。ホルンも安心して聴いて入られました。
そして、曲が曲だけに第4楽章はヴァイオリンソロで消え入るような旋律で締めくくられますが、最後の最後の音までじっくりと聴くことができました。そして、完全に演奏が終わり十分な間合いがあってからの拍手とうことで、じっくりと余韻を楽しむことができました。
長い曲が続いたので今回は最後のアンコールはありませんでした。それでも、万雷の拍手で指揮者とオーケストラを湛えていました。
さて、最後に指揮者が一人で登場し、なにおするものかと思ったら、退場の案内を川瀬賢太郎氏が始めました。どうも主催者側のスタッフがやると評判が良くないということで、先の仙台でのコンサートでこの方法で退場案内をしたらそういうクレームがなかったらしく、早速名フィルでも実践したとうことです。多分若い川瀬氏だからこういうことができたんだろうと思いますが、いい取り組みですねぇ。聴衆も素直に指示に従っていました。
名曲あなどるなかれです!!
演奏会での2ショット