レコード芸術 1970年2月号
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今回はレコード芸術 1972年1月号を取り上げます。表紙は「ドイツ・バッハ・ゾリステンと名手たち」というタイトルで発売されたものです。もちろんレコ芸では推薦盤になっていますが、このジャケットは日本独自のものでしょう。ジャケットに描かれているのはトランペットがモーリス・アンドレ、オーボエはヴィンシャーマン、フルートはオーレル・ニコレ、ホルンはエーリッヒ・ペンツェル、クラリネットはフランツ・クレインという面々です。原盤は多分お色ディスクで一本街の一枚ではないでしょうか。
この号の目次ですが、特集は「ドイツ・オーストリア指揮界の相剋」と題されていてこの頃の動向を考察しています。この点は次回に譲りますが巻頭のグラビアでは関連で何人かが取り上げられています。
冒頭にはカラーでカラヤンとゲザ・アンダの2ショットが掲載されています。これはブラームスのピアノ協奏曲第2番のジャケットに使われた写真です。こんなレコーテセィングがあったんですなぁ。
こちらはセルとゲーリー・グラフマンとの2ショットです。グラフマンはセルとプロコフィエフやチャイコフスキーの協奏曲を残しています。海外ではエピックレーベルで発売されていましたが、日本ではCBSソニーのレーベルで発売されています。
特集本編でも登場するロリン・マゼールのグラビアです。わかいですなぁ。期待が高まるのも無理はありません。
この頃台頭していたのは指揮者としてのバレンボイムです。イギリスでの活動からドイツへの活動のキヨ展を映しつつありました。
今回チエックしていて、レコ芸はこの段階でカメロス・パイタを取り上げていました。やはり、注目株の一人だったのでしょう。
ミュンシュ亡き後はカラヤンが一応顧問となっていましたが、パリ管を実質的に引っ張っていたのはこのプレートルやボドでした。
この時代レコード各社はオペラの全曲録音を積極的に録音しています。EMIにはヘーガーがミュンヘン国立歌劇場と「魔弾の射手」を録音しています。歌手はビルギット・ニルソンやエリカ・ケート、ニコライ・げっだ、ワルター・ベリーという豪華布陣です。
N響は千葉薫氏を起用してモーツァルトのホルン協奏曲全曲を録音しています。以外にも千葉氏はオーケストラの中に入って独創ホルンを録音していたのがこの写真でわかります。コンマスは海野氏、指揮は岩城宏之氏です。昔はほっそりとしていたんですなぁ。
海野義雄氏はN響合奏団を率いてソニーにヴィヴァルディの四季を録音しています。この頃から自社音源の確保に日本の各メーカーは積極的に開始していました。
つづきます。