お邪魔しMAXデラックス 底抜けオオサカ観光局 | geezenstacの森

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お邪魔しMAXデラックス

底抜けオオサカ観光局

 

著者:神田 剛

出版:朝日新聞出版

 

 

 おカタイ朝日新聞でひとり柔らか路線を貫き、関西の濃厚なスポット&人物を追いかけ続けた神田剛さんによる渾身の大阪(+兵庫、奈良etc.)ガイド&エッセイ『お邪魔しMAXデラックス 底抜けオオサカ観光局』を、令和元年6月20日に発売します! ! 出てくるのは珍名所・珍人物のみ、お役立ち情報ゼロ&観光要素ゼロのダジャレ特盛でお届けします! ノリノリ珍スポット紀行。ノルほど・ザ・ワールド! 巻末には、浜村淳さんとのスペシャルトークも収録。---テデータベース---

 

 スペイシーな喫茶店に、地獄をバーチャル体験できるお寺、USJばりのサイケな清掃工場などなど。関西に住んでいたって、知っていても行ったことはないというディープなスポットを、大阪生まれの筆者が徹底取材でリポートしています。こんな面白い新聞記者がいるなんて、それも朝日新聞にいるなんて想像もつきませんでした。こういうのが適材適所というんでしょうなぁ。全国紙ではお目にかかれない記事が、こうして単行本で登場したという次第です。著者は現在、朝日新聞大阪本社編集局付アサヒ・ファミリー社地域面編集部デスクという長い肩書きをお持ちの人です。正式の「大阪観光局」ではこういう本は出せません。


 元々が新聞掲載記事ということで、いわゆるルポルタージュなんですが、そこは本来の大阪弁を駆使して、ユーモアたっぷりに自ら現地に赴いて取材した内容を伝えています。ユニークスポットのあるところには、サービス精神満点のユニークな人ありという視点で語られ、好きなジャンルを突き詰めた人たちのマイワールドな物語には、それを支える家族のご苦労などなど、笑えてちょっぴりホロリな人情ドラマがあるんです。これはもうガイド本を超えた、泣けるノンフィクション作品とでも言えましょう。この本を読むまではこんな多さがあることは全く知りませんでした。

 

 さて、その取り上げた掲載スポットです。

 

「大した太郎の太陽の塔」 太陽の塔(大阪)
「回る回るよ、時代もお湯も」 人間洗濯機ウルトラソニックバス(大阪)
「1970年のコンニチワ」 タイム・カプセルEXPO`70(大阪)
「大阪冬の珍」 小阪城(大阪)
「鉄分多めの『私』鉄王国」 桜谷軽便鉄道(大阪)
「昭和の不夜城ここにアリ」 味園ユニバースビル(大阪)
「USJじゃございません‼」 舞洲工場(大阪)
「98歳マスターの宇宙的喫茶」 Tea Saloonマヅラ(大阪)
「コンペイトウ王謁見記」 コンペイトウミュージアム(大阪)
「地獄の“目視"録」 全興寺の地獄堂(大阪)
「でっかい顔してババババン」 難波八阪神社の獅子殿(大阪)
「ゴー・イースト! 明るい暗峠踏破計画」 暗峠(大阪と奈良の県境)
「ゴー・ウィズ・ザ・ウィンド 90歳のチンチン電車に風と共に乗りぬ」 阪堺電気軌道「モ161形」(大阪)
「お前百まで、わしゃ八十九まで」 生駒ケーブルと飛行塔(奈良)
「海燕斬りジョーの軌跡」 通訳サムライ(京都)
「“どうや"のガンマン」 なにわのガンマン(大阪)
「懐かし家電に男泣き! 」 ユニーク昭和家電収集(大阪)
「生野へ会いに行くの! 」 超スーパー地下アイドル・銀山ボーイズ(兵庫)
「白いマットのジャングルへ」 プロレス美術館(京都)
「珍妙なネーミングにアラっ⁉」 ブンセンのアラ! (兵庫)
「お前アカか?わしゃピンクや」 東洋民俗博物館(奈良)
「そして朽ちゆく天空の城」 旧摩耶観光ホテル(兵庫)
「山上へカーレーターで参上」 須磨浦山上遊園(兵庫)
「ジュラ『チック』パーク」 恐竜ランド&極楽洞(和歌山県)
「トラ! 虎! 寅! 」 信貴山朝護孫子寺(奈良)
「モーレツ沢田マンション伝説」 沢田マンション(高知) ほか

 

 最初は2025年の大左岸泊に敬意を評して、1970年の大阪万博の会場を訪れます。最近何かと話題になる「太陽の塔」ですわな。このイベント、朝日新聞も関わっているとみえで、さりげなくPRしているところもあります。その朝日新聞のHPにはこんなページも荒れます。興味のある人はクリックしてみてください。小生もエキスポ70には中学生でしたので何度も出かけています。

 

 

 

 現在の太陽の塔です。今はコロナかで見学できないようですが、予約すれば中の見学ができるようです。

 現在の中はこんなようになっているようです。今はエスカレーターがないので足腰の弱い人にはちよっときついかもしれませんが、行ってみたいものです。このブログでも、万博公園にある鉄鋼館のことをレコ芸の記事で取り上げていますが、その鉄鋼館は今は万博記念館としてしっかり残っています。これも楽しみですなぁ。万博ではTime Capsuleが埋められましたが、この開封が5000年後の6970年ということで壮大なプロジェクトです。チビけた100年後ではありませんぞ!!

 

 さて、通天閣やユニバーサル・スタジオ・ジャパンと並び大阪府のシンボルの一つが、大阪城であろうことは間違いありませんが、その大阪府には、小阪城があるのを皆さん知っていました?

知らないだろうなぁ。小生は全くこの本を読むまで知りませんでした。ただ、やはりというか小阪城は、本物の城ではないのです。いってみれば城郭風の建物に過ぎません。

 

 

 「イソノ理容」という理髪店を営む男性が、自分の経営する店舗の屋上に建てたものなんですな。廃材を使った為、総工費は、わずか5万円であったということです。ただし、大阪のおっちゃんが1人で組み立てたので、完成までなんと40年もかかったというのですからスケールがでかいです。

 

 

 そのおっちゃんは、小柄ではげていて、見た目風采はあがりません。しかし、明るく社交性がある感じである。どこか、豊臣秀吉をイメージさせますなぁ。この小阪城の内部には、金色の折り紙を貼って作った金の茶室もありそこに鎮座するのがその本人です。金箔じゃなくて、「金の折り紙」を使っているところが、いかにも、5万円の城らしいですなぁ。

 

 まあ、こういうディープなスポットが次から次へと飛び出します。ちよ社のいうところのいちびり精神の塊のようなスポットたちです。いちびりは関西人ならわかると思いますがもわからない人はウィキペディアで調べてみてください。

 

 この本について語りだしたらきりがありません。是非とも実物を手にとってご覧いただくか、図書館で探してみてください。