レコード芸術 1971年3月号 2 | geezenstacの森

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レコード芸術 1971年3月号 2

 

 この1970年代はレコード産業が一番活発な時代だったのではないでしょうか。60年代末の業界の再編が刺激を生み、大手レコード会社から、中小のレーベルまで次々と神父が発売されていました。廉価盤が活況を呈して、コロムビアを先頭に各社がカタログ落ちしたソースを続々と廉価版に投入し始めていました。

 

 

 そのコロムビアはフルトヴェングラーのソースを求めて英ユニコーンと提携し、続々と栄光のフルトヴェングラーシリーズを発売していました。また、エラート1000シリーズも継続して発売し、クルト・レーデルなんかはモノラル録音までこのシリーズに投入されています。

 

 

 別のページでは1ページ全部を使って新たに発売する「ヒストリカル1000シリーズ」の広告を打っています。東芝のモノラル復刻のGRシリーズは見向きもしませんでしたが、このシリーズは最初から飛びつきました。ヒストリカルと歌いながらHRの番号はモノラルでしたが、HRSの記号はステレオ盤で発売していました。ベートーヴェンのトリプル協奏曲なんかはカラヤン盤ではなく、このシリーズのオイストラフ、オボーリン、リヒテル盤を購入して、とことん聴き込みました。カラヤンのレコードは話題盤だけあってFMで盛んに放送されましたので、そっちはもっぱらエアチェックでテープで聞いていました。

 

 

 このフィリップスのグロリアシリーズはタスキを廃して。ジャケット上部をタイトル表示にすることで対応していました。1枚900円で発売されていましたからコストカットの面では有効な手段だったんでしょう。てで、そのためにオリジナルデザインは使用されていませんでした。一方のユニヴェルソシリーズは、従来路線の廉価盤で、1枚1,200円。以前のフォンタナレーベルを残したといった感じでしょうか。ただ、こちらはフィリップスの準レギュラー盤だけでなく、新録音も投入されていて目が離せませんでした。

 

 

 ジュリーニがシカゴ響と組んでレコードを出し記事めました。ただ、小生は国内盤が出る前にアメリカエンジェル盤でいち早くこのレコードを手に入れていました。いわゆるジャケ買いで、ジュリーニのレコードを買ったのはこれが初めてでした。米エンジェル盤は豪華見開きジャケットでパワフルなシカゴ響のサウンドに圧倒された一枚でした。

 

 

 ソニーはあの手この手でセールス活動していましたが、広告が地味でさっぱりクラシックは売れてなかったように思います。注目はカサドシュ、セルのモーツァルトで、データの下に「ソニー・マスタワークス・コンサート」の放送予定を加えています。たしかに、この年の4月からFM放送が本格的に始まりましたが、ソニーがこんな番組を提供していた記憶は全くありません。

 

 

 このタイミングで「東急ゴールデン・コンサート」の12周年の記事が掲載されましたが、こちらも地方に住んでいては全く未知のコンサートでした。もっとも、AM放送は全く効かなかったので知る由もありません。当時は音楽はFM放送でしか聴きませんでした。

 

 
 カラヤンはザルツブルグ復活祭音楽祭での「ニーベルンクの指輪」4部策を終了していたので、1970年はベートーヴェンの生誕200年の記念イャーだったこともあり、このフィデリオを取り上げるべく昨年9月にDGG、EMI両者との録音契約を結んでいます。そして、ちゃっかり音楽祭でこのレコードを販売するべく、この録音は、EMI復帰第1弾として録音されました。
 

 
 例によってポピュラーではカウント・ベイシー家具弾を取り上げ、一方で打楽器奏者の山下勉も取り上げ、懐の深いところを見せています。