第76回「春の院展」
葡萄 清水由郎
昨年はコロナの影響で名古屋での公開は中止になってしまいましたが、今年はなんとか開催されました。それでも、ギャラリートークやサイン会が中止になるなど、少なからずの影響は出でいます。
会場入り口を入るとチラシや画集の表紙タイトルになっている「葡萄」が陳列されていますが、とても小さな作品でです。
今年の院展は写真撮影はO.Kのようであちこちでスマホカメラのシヤッター音が聞こえました。春の院展はサイズが6号と小さいので観賞はし易いです。琴線に引っかかった作品です。
たんぽぽ 松村公嗣 同人
春になると道端で一斉に咲きだし、ストロー状に茎に一つずつきいろの頭が付きます。単純な色と形とは裏腹に絵画にするには難しい花の一つです。
うすくれなゐ 手塚雄二 同人
序奏 春季展賞(郁夫賞) 吉村佳洋
"静かに佇む女性と、幸運を呼び込む使者としての蜘蛛を描きました。世界が浄化され、新たな日常の始まりを予感させる序奏の旋律が聴こえてくる。そういう情景を想い、制作いたしました。"
永吉秀司 「彼岸の雫」 第12回 春の足立美術館賞 受賞作
那智の滝 藁谷 実
剣(つるぎ) 奨励賞 松浦主税
外務大臣賞、奨励賞には1979年秋田県生まれ、2004年愛知県立芸術大学美術学部美術学科日本画専攻卒業、2006年同大学大学院美術研究科日本画専攻修了、2007年同大学大学院美術研究科日本画専攻研修課程修了、日本美術院院友の平林貴宏さんの「ユナシリタの予型」が選ばれています。
今回は応募点数が701点(2020年725点)、入選点数が309点(同308点)、同人の出品点数が33点(同35点)、「第76回春の院展」への出品点数が342点(同343点)で、入選点数の内訳は招待が5点(同4点)、無鑑査10点(同13点)、一般294点(同291点)、うち初入選が33点(同34点)となっています。
読者の森 山口貴士
この作品の前では、多くの若者が足を止めて見入っていました。よく見ると本の山の中に鳥の巣箱があり、鳥も配置されています。
久屋大通公園 元地雄輔
昨年オープンしたばかりの久屋大通公園レイヤードを描いています。
生命の木 初入選 戴 琳
台湾出身で愛知県芸術大学卒業の戴琳さんの作品です。ここからDNAが採取できれば助ラシック・パークの世界です。
最後の出口前には日本美術院との地域連携プログラムの作品が展示されていました。ほとんど日本画の世界には触れたことがないであろう子供達の作品が並べられていました。自分が子供の時にこういうプログラムがあったら、多分日本画にのめり込んでいたでしょうなぁ。
この春の院展、名古屋は18日までで、その後京都、新潟、仙台などの順展予定があります。