レコード芸術 1971年4月号-2 | geezenstacの森

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レコード芸術 1971年4月号-2

 

 この号の裏表紙です。

 

 レーベルはバークレイです。小生の記憶の中ではこのレーベルは「レイモン・ルフェール・オーケストラ」で認識していますが、調べてみたら「シャルル・アズナブール」や「ダリダ」、「ジュリエット・グレコ」などのシャンソンの大御所を抱えていたんですなぁ。でも、そのバークレイから「マクサンス・ラリュー」のクラシックアルバムが出ていたとは知りませんでした。ただ、このブログでは以前フォンタナローザのアルバムを取り上げています。

 

 

 さて、レコード芸術ですから音楽関係を種に取り上げていますが、本体の広告の1/3はオーディオ関係で占められていました。大手オーディオメーカーは姉妹誌の「ステレオ」よりもたくさん広告を打っています。

 

 

 ポップス系のレコードでは今も愛用している「SFURE」のカートリッジの広告です。

 

 

 この号で初めて日立の「ローディ」の広告を目にしました。オーディオのブランド名ですが、「ロー・ディストーション」からとったスピーカーは当時人気がありました。

 

 

 こちらは三菱電機の広告です。この号では他にサンヨーの「オットー」なども広告を出していています。小生の最初のオーディオシステムはこのオットーのモジュラータイプのもので、良いおもちゃでした。そして、スピーカーは上の写真にあるダイヤトーンの名機「DS−251」を使用していました。

 

 さて、音楽に戻ります。

 

 

 デッカーロンドンの広告を多数取り上げていますが、それだけ魅力的な新譜が多かったということです。この頃のデッカはRCAと提携していて、モントゥーの録音がデッカ-ロンドンから発売されていました。ただ、注目したいのは下の広告で、ウィーンフィルによる「交響曲第全集」が発売されています。これは今回初めて気がついたセットです。10枚組のセットですが、70年のベートーヴェンのセットにおまけ付きで発売したのに味をしめて、このセットでもバーンスタインの「大地の歌」をおまけにつけています。なかなかの大盤振る舞いです。詳しくは写真をクリックして内容を確認してみてください。

 

 

 ボールトとスークが組んだこんな録音があったんですなぁ。スークはコンヴィチュニーとも録音していますが、スークはこの録音でも珍しいプシュホダ作のカデンツァを使用しています。そんなこともあるのでしょうか、この号ではこの録音風景をグラビアでも取り上げています。

 

 

 スークはボールトの左後ろのひな壇の上で弾いています。こういう収録でレコードではソロヴァイオリンが中央に定位するのですから不思議です。

 

 

 

 

 広告はブラームスのダブル協奏曲がメインになっていますが、これは「新世界」レーベルの広告です。新世界はメロディアが主体のレーベルで、今では存在しません。今では考えられませんが、カラヤン、リヒテル、オイストラフ、ロストロポーヴィチのベートーヴェンのトリプル協奏曲やこのブラームスのダブル協奏曲は、日本では契約の関係でEMIではなく最初は「新世界」レーベルで発売されていました。

 

 そして、なんとグラビアページにはブラスロックの先駆者、BS&Tの写真まで掲載されています。なんと見開き2ページです。

 

 

 この年の2月13日、日本武道館で1回限りのコンサートを開催しているのです。こんな記事までレコ芸で扱っているんですなぁ。当時小生は「シカゴ」やこの「ブラッド、スウェット&ティアーズ」や「チェイス」まで聴いていましたから、こういう記事があっても当然のように思っていました。良い音楽に垣根は無かったのです。でも、ポップス系の雑誌ではクラシックを扱うという発想はなかったですなぁ。

 

 

 いつものように記事としてポピュラーコーナーもちゃんと掲載されています。