レコード芸術
1970年11月号-1
過去のレコード芸術誌を取り上げるシリーズです。
今回は万博で沸いた1970年の11月号ですが、この年の最後に来日したバーンスタテン/ニューヨークフィルとしょ来日したスビャトスラフ・リヒテルにスポットを当てた特集になっています。
表紙はCBSソニーから発売されたバーンスタイン/ロンドン交響楽団という珍しい組み合わせのウェルディのレクイエムが飾っています。ヨーロッパに活動の拠点を移していたバーンスタインはDGGへはウィーンフィルを使って録音をし、EMIにはフランス国立管を振ったものを、そしてCBSにはニューヨークフィルとともにこう言ったロンドン響を振ったレコーディングを行っていました。この号では来日したニューヨークフィルとのポートレートを特集しています。
水泳をするバーンスタインの珍しい写真が特集のトップを飾っています。この時の来日スケジュールは下記の通りです。
70.08.29 Osaka,Japan
70.09.07 Tokyo,Japan MAHLER Symphony No.9
70.08.30 Osaka,Japan
70.09.09 Tokyo,Japan HAYDN Symphony No.101 ("Clock")
COPLAND Clarinet Concerto
BERLIOZ Symphonie fantastique
70.09.01 Osaka,Japan
70.09.05 Nagoya,Japan BEETHOVEN Egmont: Overture
BEETHOVEN Symphony No.4
BEETHOVEN Symphony No.5
70.09.03 Fukuoka,Japan
70.09.04 Kyoto,Japan BEETHOVEN Symphony No.4
BERLIOZ Symphonie fantastique
このスケジュールの合間を縫って9月7日には日フィルと親善野球をしています。場所は神宮球場、この試合ジャイアンツの王貞治さんや荒川博さんが審判を引き受けたそうです。
バーンスタインはアメリカチームの総監督です。
山本直純氏も応援にかけつけています。
試合は4対4の引き分けに終わったそうです。
バーンスタインは離日の9月10日でしたが、その直前まで歌舞伎を鑑賞し尾上松緑らと談笑していました。
東京ではマーラーの交響曲第9番が演奏されました。
この特集では、ニューヨークフィルのメンバーによる「ニューヨークフィルの体質」という座談会の模様が収録されていて、当時のコンマスのデヴィッド・ナヴィエン、ホルンの主席、ジョゼフ・シンガー、ヴィオラ主席のウィリアム・リンさー、そして、チェロのマーティン・オーマンディなどが参加していました。この中で、マーティン・オーマンディはなんとユージン・オーマンディの弟さんです。上の写真の左下がそうです。どことなく雰囲気が似ていますなぁ。
ロンドンでのマーラーの交響曲第8番の録音セッション
1966年のヴェルディ、ファルスタッフでのプレイバック風景、プロデューサーはジョン・マックルーアです。