杉山新一原画展ー懐かしき未来ー | geezenstacの森

geezenstacの森

音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

杉山新一原画展

ー懐かしき未来ー

 

 

 愛知県春日井市の「文化フオーラム」で開催されている「杉山新一原画展ー懐かしき未来ー」展に行ってきました。この原画展は昨年夏に、千葉県松戸市のギャラリー「せんぱくbookbase」にて開催されたものの反響を受けて、今回はほぼ全容の150点あまりの作品を展示しています。しかもこの展示は無料で鑑賞することができます。ぜひ、お出かけください。

 

 

 小生の子供の頃は月刊誌が全盛の頃で、毎月「少年」、「少年画報」、「ぼくら」などが発売されるのを楽しみにしていました。そういう雑誌には近未来の乗り物とかUMAと呼ばれる未確認生物やUFOなどを描いたイラストが毎回掲載されていて、子供心の好奇心を刺激したものです。これらの作品は、そのノスタルジックな思い出を蘇らせてくれます。こういった作品の先駆者は小松崎茂氏で、氏の作品はプラモデルのパッケージで知られ、また多くの戦艦や戦闘機などの作品でも知られています。しかし、杉山新一氏の名前はこの展覧会まで全く知りませんでした。

 

 

 

 

 会場を回りながら確認すると、記憶のどこかに残っているようなイラストが次から次へと現れます。今回の展示では、原画とともに当時掲載された雑誌も合わせて展示されていますから余計鮮明にその記憶が蘇ります。

 

 

 

 こうして振りえると、当時小生が読んでいた科学雑誌や少年誌からSF、ミステリー、オカルト雑誌にいたるまで、名前は知らなくてもいつも杉山新一氏の挿絵があったように思えてきます。そこに描かれた光景は、透明チューブの未来都市、成層圏まで届きそうな超高層ビル群、宙に浮くカプセル型の乗り物、氷塊を砕きながら推進する超電導船、大陸横断原子力高速鉄道、レーザー光線が飛び交う火星基地での宇宙戦争、謎の円盤UFOとの接近遭遇、地底から出現する失われた超古代文明などです。

 

 

 これらのいつか見た《懐かしき未来》は、2020年の現在が既に追い越してしまった未来がある一方で、実現しなかった未来もあります。それを振り返る時、そこに郷愁に似たものを感じる人もいるのではないでしょうか。

 

 

 この原画展、作品は新聞小説の挿画も含まれています。平岩弓枝氏の「五人女捕物比べ」や峰隆一の「信長の女たち」といった作品も別のペンネームを使って描いています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《場所》愛知県春日井市 「文化フォーラム春日井」 

《日時》2020年11月28日〜12月20日 入場無料

 

娘さんのツイート 

https://twitter.com/nonosuzume