くカラヤンのシューベルト 2
交響曲第3番、4番
曲目/シューベルト
交響曲 No.3 ニ長調 D.200 (1815)
1. Adagio maestoso - Allegro con brio 10:31
2. Allegretto 5:11
3. Menuetto. Vivace 4:18
4. Presto vivace 5:24
シューベルト 交響曲 No.4 ハ短調 D.417 「悲劇的」(1816)
1. Adagio - Allegro vivace 7:40
2. Andante 8:43
3. Allegro 4:29
4. Allegro vivace 7:23
シューベルト 「ロザムンデ」 Op.26 D.797 (1823)
バレエ音楽 No.1 7:55
バレエ音楽 No.2 7:47
指揮/ヘルベルト・フォン・カラヤン
演奏/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音/1977/09、1978/01 フィルハーモニー、ベルリン
P:ミシェル・グロッツ
E:ウォルフガング・ゲーリッヒ
EMI 5 12038 2
シューベルト交響曲全集の2枚目です。録音データを調べていて初めて気がついたのですが、このシューベルトの全集は彼の没後150年を記念して録音されたもののようです。そして、なぜか今まで録音データの詳細はレゴトー芸術のデータベースにも記載されていませんでした。もちろんネットのカラヤンのディスコグラフィにも記載されていません。レコード時代には全集として発売された年に1978年1月に録音されたという大雑把な表記しかありません。また、単売されたのはなぜか交響曲第5番と第9番だけという不思議な発売でした。ですから、レコード時代は全集にしか収録されておらず、この第3番や4番は全く一般には聴く機会がなかったということです。
第3番も骨太の演奏です。有名な「未完成」や「座・グレート」は複数回録音していますが、他の曲は全てこの全集が初めての録音になります。しかし、完成度は非常に高いものになっています。1977年10月から1978年1月までに集中的に録音していますから曲によるばらつきがほとんどないと言ってもいいでしょう。こういう演奏を聴いていると小生なんかは、この響きをシューベルトは求めていたのではないかなあ、と考えてしまいます。
第4番も基本的アプローチは同じです。ただ、他の指揮者の演奏とちょっと違うのは「アレグロ」の指定があるにもかかわらず、第3楽章の冒頭が引きずるような遅い足取りで開始されているところです。ほとんどモデラートのテンポで演奏されていて、この第3楽章は少々納得のいかにいところです。その他の楽章が素晴らしい出来なので余計異質に感じてしまいます。ただ、曲のニックネームが「悲劇的」ということを勘案すればこういう演奏になるのかなぁと深読みしてしまいます。
また、意外に思うかもしれませんが、曲の最後は全てフェルマータをかけてテンポを落として膨らませています。こうして聴いてみるとカラヤンも現在から比較するとちよっと古いタイプの指揮者だったのかなと思えてしまいます。
カラヤンはロザムンデの音楽を全曲録音することはありませんでしたが、バレエ曲の2曲だけは全集の保管の形で録音を残していました。まあ、ロザムンデの音楽はこのバレエ曲2曲と序曲があればいいでしょう。