懐かしの
「ロンドンCD名盤2800」
納戸の中に埋もれていたCDを救出しました。多分20年ほどは眠っていたのではないでしょうか。ロンドンレーベルということは1990年代はまだ、キングレコードがデッカの旧譜の発売権を持っていたので、キングとポリドールの2社からロンドン盤が発売されていました。デッカの商標はアメリカデッカが持っていたため日本では使えなかったんですな。ただ、そのアメリカデッカが1998年にポリグラムとの合併によって世界最大のレコード会社となり、英デッカと再び同系列となったことで、デッカのレーベルが日本で使用できることになります。一方ではキングレーベルでのロンドン・レーベルも2000年で終止符が打たれます。
これらのCDはポリドールから発売された最初のミッドプライス盤です。口火を切ったのは1000円盤レコードと同じく日本コロムビアでした。それに追随する形で、ロンドンが発売した形です。その後各レーベルが相次いで旧譜をミッドプライスで発売します。グラモフォンは「ガレリア・シリーズ」、フィリップス「シルバーライン」、ソニーと東芝、それとキングのロンドンはそれぞれベストシリーズで参戦しています。
このロンドン名盤2800は好調だったようで1期25枚に加えて2期25枚が追加で発売されています。当時、旧譜はキングが発売権を持っていましたからロンドンはラインナップのやりくりに苦心していました。なにしろ、メインアーティストがショルティとピアニスト兼任のアシュケナージしかいませんでした。そんなことで、ラインナップは勢いその二人に集中します。ショルティは1期分では11枚で、交響曲作品は全て担当しています。この第1期の中にはブラームスは全曲含まれていますが、ベートーヴェンは5番と9番だけです。明らかに変則ですわなぁ。でも、他の各社は従来通りのラインナップだったので、当時の小生にとっては却ってこのラインナップは新鮮に映りました。そんなことで、このシリーズはかなり購入しています。
25枚ですが、そのうち3枚は声楽作品です。この3枚が左上の3点です。ドラティの指揮するオルフの「カルミナ・ブラーナ」とパヴァロッティのアリア集、そして、ヴェルディのオペラ合唱曲集です。この第1回発売分で一番聴いたのは、実はこのカルロ・フランチ指揮ローマ聖チェチーリア音楽院合唱団のCDです。これはまた別途取り上げたいと思います。
下の段は左端のショルティの巨人を除いて、第2回発売分です。この2期でも基本は交響曲作品はショルティですが、ショルティでは力不足ということで、ドヴォルザークの新世界はコンドラシン、ブルックナーの3番はカール・ベーム、第5番はマゼールの演奏が採用されています。ショルティはデッカに唯一ブルックナーの交響曲全集を録音した指揮者ですが、ここではシカゴとの録音ではなくウィーンフィルのものがリストされています。金管バリバリではどう考えてもブルックナーではないですからねぇ。
この時点のミッドプライス盤は最新録音はあまり投入されていなくて、旧のアナログ録音が採用されています。ロンドンにはアナログでカラヤンの録音もあるのですが、それらはキングが発売の優先権を持っていましたからこのシリーズに投入したくてもできなかったんでしょうなぁ。