ジョルジュ・バルボトゥーのモーツァルトホルン協奏曲全集 | geezenstacの森

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ジョルジュ・バルボトゥーの

モーツァルトホルン協奏曲全集

 

曲目/モーツァルト

ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第1番ニ長調K.412&514 8:33
2.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K.495 16:29
3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K.447 14:42
4.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K.417 13:53
  
ホルン/ジョルジュ・バルボトゥー
指揮/ローラン・ドゥアット
演奏/ パリ・コレギウム・ムジクム合奏団

 

録音/1960年代中頃

P:Philippe Thomas

 

 

 

 

 

日本コロムビア RE−1513-MU(原盤MUSIDISC)

 

 1971年に日本コロンビアから発売された廉価盤で、「パルナス1000シリーズ」の第1回発売の中の一枚です。このムジディスク、フランスでは中堅の出版社系総合レーベルで、ポール・モーリアの初期のアルバムもここから発売されています。この第1回の発売にはランパルやモーリス・アンドレなどの演奏したものも含まれていて、ちょっとエラートに似たようなところがあります。そのエラーとは1970年代の後半にコロムビアからBMGグループのRCAに移籍していますから、このレーベルのポジションとしてはそれに変わる部分を担っていたのかもしれません。ジャケットはエラート1000シリーズと似通ったデザインで、レコード番号もエラートレーベルがRE1000番代で発売されたのに対して、このシリーズはRE1500番台で発売されています。

 

 ただ、突然新しいシリーズで発売されたこともあり、あまり認知度は高くなかったように思います。小生が注目したのはこの第1回発売の中に好きなモーツァルトのホルン協奏曲全集が含まれていたので注目して購入したものです。ただ、世間的には全く注目されなかったのかネットで検索してもこのレコードは中古盤の流通は全くありません。ジャケットの解説は渡辺学而氏が書いていますが、実はこの解説ダイヤモンド1000シリーズで発売されていたエルネスト・ミュールバッハーのモーツァルト/ホルン協奏曲全集と同じ解説を流用しています。そんなことで演奏者の情報には一言も触れていません。これが一言、ホルンを演奏するジョルジュ・バルボトゥーが当時はパリ管の首席奏者だと一言書いてあれば注目されたのにと思えてなりません。そんなことで、これは幻のディスクにほぼ近いのではないでしょうか。

 

 このバルボトゥーの音色はドイツやアメリカのホルンよりも暖色系の音で素朴なミュールバッハーの音とは明らかに違い華やかさがあります。今にして思うとミュールバッハーは当時のウィーン響の首席で多分ウィンナホルンで吹いていたような感じがします。それに対してバルボトゥーは近代ホルンでの演奏ということで音色が華やかなんだろうと感じます。ローラン・ドゥアットはこのムジディスクにかなりの録音を残していますが、この録音は多分CD化されていないのではないでしょうか。ムジディスクは現在はユニヴァーサルに吸収されていますが、多分こんな録音は復活しないでしょうねぇ。そんなことで、貼り付けているのはヘルマン・ユーリッセンの演奏するホルン協奏曲です。

 

ヘルマン・ユーリッセン(ホルン)
ロイ・グッドマン/オランダ室内管弦楽団
録音 1996年11月20~23日 

 

 これはブリリアントのモーツァルト全集の中に含まれている演奏で、ただのモーツァルトのホルン協奏曲全集とは違います。何と言っても第1番の第2楽章が別途で収録されています。それもただの演奏ではなく、モーツァルトはこのホルン協奏曲の作曲にあたって、モーツァルトのホルン協奏曲と言えば、色違いのインク、楽譜にかかれたロイトゲープに対するいたずら書きが有名ですが、なんとここではモーツァルトが話しかけるように叱咤激励なのか、はたまた悪戯なのか話ながら演奏してる面白い録音です。モーツァルトのいたずら書きの部分はジョルジオ・メレウが吹き替えを担当しています。そういう意味でも、ブリリアントのモーツァルト全集は侮れないものになっています。