ジャンクレコード落ち穂拾い 10 | geezenstacの森

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ぺギー葉山リサイタル/マイウェイ

 

曲目/

1.アイ・ワナ・ビー・ハッピー

2.サンタマリア

3.誰もいない海

4.ハッピー・ハート

5.貝殻節

6.五木の子守唄

7.シェルブールの雨傘

8.淀川長治氏との話

9.雨にぬれても

10.ある愛の詩

11.空よ雲よ風よ

12.秋よおまえなら

13.マイ・ウェイ

 

歌/ペギー葉山

演奏/原信夫とシャープス・アンド・フラッツ

キーボード/秋満義孝

ゲスト/淀長長治

 

キングレコード SKD-107

 

 

 

 

 

 

 これは昭和46年10月15日に東京厚生年金会館大ホールで開催されたリサイタルを収録したライブ盤です。今でこそ、ライブのコンサートはCDやビデオで頻繁に発売されていますが、この当時は結構珍しいものでした。製品としてのレコードは1972年に発売されています。これも先に取り上げたダニエル・ビダルのものと同じ白ラベルの見本盤です。

 

オリジナル盤のジャケットと豪華見開き

 

 ペギー葉山さんが亡くなったのは2017年4月12日のことです。世間はペギーさんではなく美空ひばりのようですが、小生なんぞ、記憶の中では同じキングの江利チエミ、ビクターの雪村いづみとともに「女三羽烏」の一人と認識していました。

 

 記憶の中では映画「サウンド・オブ・ミュージック」の中のドレミの歌の作詞家としてのイメージがあり、事実、この歌詞は原曲よりも親しまれているのではないでしょうか。ですが、この曲もともとは、「大人とこども」というシングルのB面としてリリースされました。しかし、A面をはるかに凌ぐ大ヒットでしたのは当然でしょう。この語「ドレミの歌」は再録音され、その時はA面で収録されています。ただ、当時作詞の印税契約をしていなかったためにペギー本人には作詞印税は全く入らなかったようです。

 

 さて、このアルバム調べた限り、初のライブアルバムのようです。そんなことで、ヒット曲はわざわざ除外して幅広い欄局がなされています。そんな中の一曲が「誰もいない海」です。

 

 

 B面のトップには「シェルブールの雨傘」が収録されています。そして、それは歌が終わると映画評論家の淀川長治さんが登場し映画の話が登場します。まさに対話というよりも独演会です。マシンガンのようなトークでミュージカルとしてのシェルブールの雨傘の独創性をたたえています。個人的には楽しいトークですが、ライブ盤には必要なトラックなのかは疑問が残りますな。(^_^;)

 

 

 この1971年には前半に久しぶりにヒット曲を出しました。それが、「空よ雲よ風よ」でした。

 

 

 さて、このレコードのタイトルにもなっている「マイ・ウェイ」です。最初このレコードを手に入れた時わくわくして耳を傾けていたことを思い出しました。そして、それは見事とに裏切られました。先にも取り上げた布施明の歌う「マイ・ウェイ」とは似ても似つかない歌詞だったからです。ええーっ?!これがマイウェイなの?と思ったものでした。今では、マイウェイの日本語歌詞は布施明版が当然と思われていますが、この1970年代はじめはいろいろな訳詞があったのです。このそのなかでもこの訳詞はぶっ飛んでいます。残念ながら、この訳詞で歌っている歌手はペギー葉山さん以外にはいないようです。

 

海野洋司 訳詞

 

ただひとつのわたしの道だから 

ただひとりで歩いた道だから 

今怖れず歩こうこの道を 

今ほほえみ行こうマイ・ウェイ 

 

恋し笑って時には泣いたけど 

ほんの少しはくやんでいるけれど 

みんな 今ではたのしい思い出

精一杯歩くマイ・ウェイ

 

新しいノートのページを今開き

あたらしい言葉で私は埋めるの

明日も明日も明日もと

 

ただひとつのわたしの道だから

ただ一人で歩いた道だから

今恐れず歩こうこの道を

いまほほえみ行こうマイ・ウェイ

 

もう帰らぬひとつの道だから

もう泣かないひとつの道だから

今見つめる喜びの風の中

今見つめる広いマイ・ウェイ

 

新しい明日の夜明けは誰のもの

星空仰いで約束する夜

明日も明日も明日もと

星空仰いで約束する夜

明日も見つめる広いマイ・ウェイ

 

*この訳詞はレコードから採譜しています。ネットに公表されている歌詞とは一部違います

 

岩谷時子 訳詞

 

やがて私もこの世を去るのだろう 

長い年月を私は幸せに

この旅路を今日まで越えてきた 

いつも私のやり方で 

 

こころ残りも少しはあるけれど 

人がしなければならないことならば 

できる限りの力を出してきた 

いつも私のやり方で 

 

あなたも見てきた私がしたことを

嵐も恐れずひたすら歩いた 

いつもで私のやり方で

 

人を愛して悩んだこともある 

若い頃には激しい恋もした 

だけど私は一度もしていない 

ただ卑怯な真似だけは 

 

人は皆いつかはこの世を去るだろう 

誰でも自由な心で暮らそう 

私は私の道を行く

 


 尾崎紀世彦の「マイ・ウェイ」は英語版もあるのですが、この岩谷版の日本語も気に入ってます。