教養としての「国名の正体」
著者:藤井青銅
出版:柏書房
日本は“ニホン”?“ニッポン”?アメリカ合衆国はなぜ「合州国」でないのか?「サモア独立国」「ボリビア多民族国」…秘められた深い事情。オーストリアとオーストラリアは何で似てるの?日本をはじめ世界196か国&5地域の「名前」。---データベース---
今世界にある国の数は196カ国と外務省のホームページに書かれています。これは日本を含んだ数字です。この他に7つの「その他の地域・・・・北朝鮮、台湾、バレスチナ、香港、マカオ、そして北極、南極」のが掲載されています。北朝鮮は国交がありませんし、台湾、香港、マカオは中国に配慮しての措置でしょう。そはい、パレスチナに関しては日本はアメリカよりの施策をしていますからそうなるのでしょう。さらに南極は中立の大陸ですから分かりますが、北極って陸地があったっけ?と疑問に思いました。
それは別としてこの本はその世界の国々の国名の由来を地理的立地による分類で、山河大地、海洋諸島港湾、方角中心周辺、動植物名、人名に由来するものとして紹介しています。その他には王国と公国、共和国、連と合、更には似ている国名などの切り口で取り上げています。これらの切り口は初めて国名に接する子どもたちにとってはわかりやすいものなのでしょうが、読み勧めていくと同じ国があちこちの章に登場するし、同じ解説がどちらにも掲載されるなどの重複も散見されやや読みにくいものとなっているのも事実です。これを記号などで、その国の特徴をひとまとめにすればもう少しスマートな読み物になっていたかなあという印象があります。
よく知っている「アメリカ」についてもその国名の由来が何なのかを知っている人はどれだけいるでしょう。現在のアメリカの正式名称は「United States of America」で日本語ではアメリカ合衆国です。現在では50の州および連邦区などからなる連邦共和制国家です。しかし、元になる「アメリカ」は意外な人物です。1507年、ドイツ人地図製作者のマルティン・ヴァルトゼーミュラーは、イタリア人探検家及び地図製作者のアメリゴ・ヴェスプッチの名をとって西半球の陸地をアメリカ州と名付けた世界地図を作成したしています。「United States of America」という言葉の最初の文書証拠は、大陸軍ジョージ・ワシントンの副官および検閲官の大将であるスティーブン・モイランにより書かれた1776年1月2日付の手紙なんですが、ベスプッチの発見したアメリカは本来は南アメリカだったんです。
さて、何かと話題になる「イギリス」がグレートブリテン及び北アイルランド連合王国」がというのはく、よくクイズ番組で問題になりますから普通の人は承知しているでしょう。でも、最後に王国とついていることはあまり意識されません。まあ、エリザベス女王が君主ですから王国であっても不思議ではありません。翻って我が国は、漢字では「日本」ですが、これが読み方となると「ニッポン」、「にほん」と複数あります。英語表記になると
「JAPAN」ですが、これ以上でもこれ以下でもありません。制度上はら本は立憲君主国ですが、誰もそんな意識はありません。天皇がいても王国ではないんですなぁ。不思議な国です。
小生たちが学生時代に習った地図ではインドの両側に西パキスタンと東パキスタンがありました。今はパキスタンは一つです。インドの東にあった東パキスタンは後に独立して「バングラディシュ」となっています。両国とももともとインドに属していましたがご存知のようにインドはヒンズー教の国です。そして、パキスタンは現在の正式国名が「パキスタン・イスラム共和国」で、イスラムの国ということができます。で、バングラディシュ」ですが、もイスラム国家ということができます。
チェコスロヴァキアは1992年まで存在した国です。認識としては一つの国と思っていたのですが、実際はチェック人とスロヴァキア人の複合国家だったんですなぁ。首都であったプラハはチェック人の地域にあり、スロヴァキアはブラスチラバが首都で農業主体の地域でした。そんな経済格差と民族性の違いで分離独立しています。世界は宗教と言語・民族により対立し独立する国が多いんですなぁ。
それと、国の歴史を紐解いていくと、南アメリカ、アフリカ大陸、そして盗難アシアの諸国が欧米列国の植民地から独立した歴史というのを思い知らされます。それはほんのつい最近まで続いていたという歴史の事実にも驚かされます。
そういうことはサラッと書かれていますが、この本をきっかけにその国の背景を詳しく知るきっかけになるといいですなぁ。