ジャンクレコード落ち穂拾い9 | geezenstacの森

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キングレコード1969年10月新譜

洋楽新譜ダイジェスト

 

A面

1.ズン・ズン・ズンジルオラ・チンクエッティ

2..消える思い/ジルオラ・チンクエッティ

3.カザチョック/レイモン・ルフェーブル楽団

4.雨/レイモン・ルフェーブル楽団

5.カザチョック/ペレスブラード楽団

6.東京ローズ/ペレスブラード楽団

B面

1.スウオンプ・マン/マルタ・ペレス

2.テル・ママ/マルタ・ペレス

3.月に立つ影(アポロ11号賛歌)/ジョナサン・キング

4.ラヴ・ミー・トゥナイト/トム・ジョーンズ

5.ふたりのそよ風/ボビーとヴェラ

 

 

 B面はソース不足なんでしょうか、すでにヒット中の曲を「只今ヒット中!!」ということでラブ・ミー・トウナイトとふたりのそよ風を収録しています。

 

 トム・ジョーンズは当時は人気絶頂でしたから知っていますが、ボビーとヴェラは全く知りませんでした。1969年、イギリスのヒット曲のようです。女性2人によるさわやかなデュエットですが、ボビーとは本名バーバラ・アレン兵長、ヴェラとは本名ヴェラ・ビードン兵士であり、どちらも英国陸軍婦人部隊の軍人。国防大臣の企画で作られた曲のようです。こんなジャケットで発売されています。

 

 

 YouTubeで検索しましたが全く引っかかりません。もう忘れ去られた曲なんでしょうなぁ。

 

 さて、A面のジルオラ・チンクエッティは当時人気のあったイタリアの歌手です。この頃は世界中の曲が日本に入ってきていたんですなぁ。イタリア・ヴェローナ出身で、1964年、16歳の時にサンレモ音楽祭で「夢みる想い」 (non ho l'età) を歌い優勝、ユーロビジョン・ソング・コンテスト1964 に同じ曲で臨み、イタリアからの出場者としては初の優勝を果たしたことにより一躍有名となります。またユーロビジョン・ソング・コンテスト勝者としては初めてUKトップ75にチャート・インもしています。日本でも人気で、1965年に続いて万博の年の1970年にも来日しています。

 

 ズンズンズンはその来日を前にした1969年に発売されたシングルです。

 

 

 この年にはヒット曲「雨」の日本語版も発売されています。

 

 このレコードには2つの「カザチョック」が収録されています。一般にこの時聴かれたのはレイモン・ルフェーブルの演奏でした。日本では1969年に「恋のカザチェック」としてヒットしています。もともとはロシア民謡の「カチューシャ」のことです。2つの演奏を聴き比べると個人的にはペレス・プラードのほうが面白いです。さすが、マンボの楽団です。

 

 

 

 B面で気になるのは3曲めの「月に立つ影(アポロ11号賛歌)/ジョナサン・キング」です。当時は全く聴いた記憶が無いのですが、この年、アポロ11号が月面着陸しています。ケネディ大統領の公約通り、1960年代ギリギリの1969年7月20日に人類は月に立ちました。小生はリアルタイムでテレビの画面に見入っていました。まさに、歴史的出来事でした。

 

 

 それをオマージュした曲ということですが、今聴くとのんびりとしたバラードになっています。

 

 

 最後はマルタ・ペレスです。米国女性が渡英して録音したブルースです。いわゆるシャウト系のローリング・ストーンズの採った方向性でしょうかねぇ。ただ、小生にはよくわかりません。

 

 

 最後は大御所トム・ジョーンズです。この頃はヒット曲連発していましたから安定していました。さらにラスベガスのショーでは満員が続いていました。いい時代でしたねぇ。

 

 

 レコード全盛期の曲は、こうしてみると玉石混交で誰もどの曲がヒットするかはわかっていなかったんでしょうなぁ。今に残っている曲は時代のフィルターを通過したそれなりの存在価値のある曲ということができるのでしょう。