水野晴郎のシネマ館 | geezenstacの森

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水野晴郎のシネマ館

 

 

 こちらは、前年のCDを進化させてカバヤ食品株式会社2004年7月13日に発売したDVDのおまけが付いた玩具菓子です。税込315円で、全10種類ありました。こちらも多分同じ人が企画した製品なんでしょうなぁ。それにしても、「水野晴郎のシネマ館」というタイトルで発売されていますから、しっかり水野氏が監修しています。本編の最初と最後には水野晴郎による『金曜ロードショー』的な解説も収録されているのが特長です。

 

 こちらも、一枚のミントガムが商品でそのおまけとしてDVDが付いているというものです。こちせも全種類集めました。CDは楽曲が2曲でしたが、こちらはまるまる映画が一本という意味では画期的な商品でした。ただし、発売チャネルがスーパーや一部コンビニということで、認知度はイマイチだったのが残念です。

 

 この商品の特徴は、映画のラインナップが1930年代後半から1960年代前半のパブリックドメインとなった作品が中心となっており、「黄金の腕」を除くいずれもが2004年当時の段階で一度もDVD化されていなかったものであったということです。小生もこのシリーズで初めて作品に触れたということで、ビデオ化すらされていなかった作品もありました。

 

そのラインナップも、ソフィア・ローレンアカデミー賞を受賞(史上初の英語以外による演技で)した「ふたりの女」、マーロン・ブランドの最初で最後の監督作品「片目のジャック」、ビング・クロスビーボブ・ホープの名物コンビによる珍道中シリーズの6作目「バリ島珍道中」、若き日のジャック・ニコルソンが主演したロジャー・コーマン監督のホラー映画「古城の亡霊」、フランク・シナトラが麻薬ジャンキーに扮しアカデミー賞候補となった「黄金の腕」などが揃っています。リストは以下の通りです。

 

1.キリマンジャロの雪 The Snows of Kilimanjaro

1952年 - アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国、監督:ヘンリー・キング、出演:グレゴリー・ペック、エヴァ・ガードナー

2.ふたりの女 La Ciociara

1960年 -イタリアの旗 イタリア、監督:ヴィットリオ・デ・シーカ、出演:ソフィア・ローレン

3.マクリントック McLintock!

1963年 - アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国、監督:アンドリュー・V・マクラグレン、出演:ジョン・ウェイン、モーリン・オハラ

4.愛のアルバム Penny Serenade

1941年 - イギリスの旗 イギリス、監督:ジョージ・スティーヴンス、出演:ケーリー・グラント、アイリーン・ダン

5.片目のジャック One-Eyed Jacks

1961年 - アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国、監督・出演:マーロン・ブランド、カール・マルデン

6.アンナ・カレニナ Anna Karenina

1948年 - フランスの旗 フランス、監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ、出演:ヴィヴィアン・リー

7.バリ島珍道中 Road to Bali

1952年 - アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国、監督:ハル・ウォーカー、出演:ビング・クロスビー、ボブ・ホープ

8.キング・ソロモン King Solomon's Mines

1937年 - アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国、監督:ロバート・スティーヴンソン、出演:ポール・ロブソン

9.古城の亡霊 The Terror

1963年 - アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国、監督:ロジャー・コーマン、出演:ジャック・ニコルソン、ボリス・カーロフ

10.黄金の腕 The Man with the Golden Arm

1955年 - アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国、監督:オットー・プレミンジャー、出演:フランク・シナトラ、エリノア・パーカー、キム・ノヴァク

 

 その「黄金の腕」なんか、小学生時代流行っていてビッグバンドジャズの演奏でよく聴いたものです。

 

 

 当時はビデオもDVDもない時代で、ましてやネットがないのでどんな映画かは知りませんでしたが、音楽だけはよく知っていました。音楽は「エルマー・バーンスタイン」、当時はウェスト・コーストジャズの華やかし頃でこのサントラの演奏にもショーティ・ロジャース、シェリー・マンといった一流のジャズ・ミュージシャンも参加しています。

 

 

 古き良き時代の西部劇です。1964年の「マトリントック」はジョン・ウェイン主演の映画ですが、この時代にサントラが発売された記憶がありません。

 

 このシリーズ、若き日のマーロン・ブランドが自ら監督・主演した「片目のジャック」や、同じくジャック・ニコルソン主演のの「古城の亡霊」などマニアの注目を集める作品がラインナップされています。

 

 

 ソフィア・ローレン主演の「二人の女」は1960年の作品ですが、彼女は同じテーマで1988年にもう一度「二人の女」を映画化しています。戦争をテーマにした映画で、戦時体験を風化させてはいけないという強い意志が感じられます。1960年の作品では二人の女に愛される男をジャン・ポール・ベルモントが演じているのもいいですなぁ。

 

 

 この10作品の中でで意外にも楽しめたのはビング・クロスビーとボブ・ホープの主演する珍道中シリーズの第6作、「バリ島珍道中」でした。このDVDで初めて視聴したのですが、コメディ・ミュージカル仕立ての作品は映画の面白さを満喫できるものでした。それが証拠に日本では人気グループサウンズだったスパイダースの映画に同じテーマが採用され、「ザ・スパイダースのバリ島珍道中」という作品が作られています。

 

 おうち時間がたっぷりあるので、懐かしい水野氏の解説を聞きながらこれらの作品を再度楽しみます。