ザ・ベスト・オブ
オリジナル・サウンドトラック
曲目
レコード 1
1.サウンド・オブ・サイレンス/卒業*
2.追憶*
3.アイ・フィール・ラブ/ベンジー*
4.ナバロンの要塞*
5.ナターシャのワルツ/戦争と平和
6.栄光のル・マン
7.ローハイド*
8.皆殺しの歌ー遥かなるアラモ/アラモ
9.エデンの東
10.理由なき反抗
11.Zの愛のテーマ/Z
12.華麗なる週末
13.サマー・タイム/ポギーとベス*
14.コールド・コールド・ハート/ラスト・ショウ*
15.トゥナイト/ウェストサイド物語*
レコード 2
1.ミスター・ぐっとバーを探して*
2.スター誕生の愛のテーマ*
3.OK牧場の決闘*
4.高校教師のテーマ
5.暗黒街の二人
6.パリ・ワルツ/パリは燃えているか
7.スタンド・バイ・ユア・マン/ファイブ・イージー・ピーセス*
8.踊り明かそう/マイ・フェア・レディ*
9.クワイ河マーチ/戦場にかける橋
10.北京の55日-序曲
11.エルダー兄弟
12.もしもあの世に行けたなら/マッシュ
13.エーメン/野のユリ*
14.さらばベルリンの灯
15.マーチ-第九/時計じかけのオレンジ
サントラのオムニバスといえばキングレコードが定番でした。ソニーもこの手の映画音楽のオムニバス版は出していましたが、サントラはほんの少々で、後は国産のアンサンブル・プチとスクリーンランドオーケストラという演奏ものでごまかしているのが常でした。そんなことで全く触手が動かなかったのですが、この2枚組セットは正真正銘のサウンドトラック盤で構成されています。まあ、1曲だけ映画ではなくTVドラマの「ローハイド」が含まれていますけどね。
買うまでテープで封印されていましたから中の曲目は確認できません。国内版ですが、曲目は英語表示で非常に見にくいものでした。まあ、50円なら捨ててもいいつもりで買いましたが、これは当たりでした。曲目の最後に「*マーク」がついているものは歌詞のある曲です。その割合はかなりのものですが、きちんと歌詞カードが封入されていました。60-70年代の映画音楽はヒット曲もたくさんありましたから、ほぼ知っている曲です。
このレコードの解説は河野元比古氏ですが、心憎い解説がつけられています。冒頭、こんな記述があります。
{{{ 前略-映画館で聞いた原音そのままを、いつでも聴けるレコードで所有する、ということは、最高のぜいたくであろう。オリジナル・サントラをかけて、目をつぶる。----どんな昔の、どの国の映画だろうと、たちどころに脳裏の中でリバイバル上映が始まる。
この世の中にサントラ中毒の人が多いのも決してフシギではない。-中略-選りすぐったサントラが30本、映画一本に代表的な一曲を抽出して、愛すべき中毒患者たちにおくる。充分心ゆくまで悪癖にひたっていただきたいものだ。}}}
まさに小生はこういう中毒にかかっています。それこそレコード時代はレコードでしか映画の音楽を自宅で楽しむことしかできませんでした。ビデオもDVDもなく、ましてカセットもCDもありませんでしたからなぁ。そして、映画に浸るのはサントラにトドメを刺します。
まあ、この30作品かなりかき集めた感はあります。ナターシャのワルツ、エデンの東、理由なき反抗はモノラル作品です。また、曲が曲だけに「ナバロンの要塞」はてっきりミッチーミラー合唱団かと思っていたのですが、さすがサントラの音源を使用していました。このアルバムではクワイ河マーチもサントラが収録されていますが、他のアルバムではこちらもミッチー・ミラー合唱団のものが使われています。ソニーはよほどサントラよりミッチー・ミラーの方が売れると思っていたんでしょうなぁ。逆に小生はそういう演奏ばかりだったのでレコード時代のソニーの映画音楽のオムニバスは買ったことがありませんでした。
映画音楽には様々な音楽が使われています。ヒットを狙った主題歌もそうでしょうが、ジャズもそのひとつです。「栄光のル・マン」はミシェル・ルグランのジャズのセンスが光る作品でした。
また、「高校教師」はアラン・ドロン主演の1971年の作品で原タイトルは「la prima notte dl quiete」、後年真田広之主演でドラマ化された元になった作品です。ここでも、ジャズのメイナード・ファーガソンのトランペットが冴える「Titoli Di Testa」が使われています。
映画「Z」は何度も劇場に足を運んだ作品で、もちろんサントラ盤も所有しています。ミキス・テオドラキスの作品ですがギリシャ音楽の香りが漂っています。ただこの曲は日本だけでヒットしました。本当ならタイトル曲をチョイスして欲しかったところです。
タイトル曲はこちらでした。
さて、その次は「華麗なる週末」です。この作品もスティーヴ・マックィーンの主演作なんですが「華麗なる賭け」の誤植ではありません。こういう作品があったのです。で、こちらはジョン・ウィリアムズの作曲になるものですが、全く忘れ去られています。1969年の作品です。ここでもジョン・ウィリアムスがオーケストラを指揮して演奏していますが、きっちりと舞台となる南部ののどかさを感じさせる曲調になっています。
レコードを聴き始めた時「北京の55日」が流行っていました。このテーマ曲ももともとは歌詞がついた歌でヒットしました。この曲は未だに歌えます。こんな曲です。
もちろんここではサントラのインストルメンタルが収録されています。ディミトリ・ティオム金の作曲ですが、これは歌入りの方がわかりやすいですなぁ。ブラザーズ・フォーの歌でもヒットしました。
このアルバム懐かしい作品が並びます。ジャック・ニコルソン主演の「ファイブ・イージー・ピーセス」、反戦映画でもあった「マッシュ」なんかいい作品でした。
このアルバムでもオオトリを占めているのは「時計じかけのオレンジ」です。未来の管理社会を描いたスタンリー・キューブリックの1969年の作品です。ベートーヴェンの第九がワルター・カーロスのシンセサイザーで演奏されていて、度肝を抜かれました。