デュトワのメンデルスゾーン | geezenstacの森

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デュトワのメンデルスゾーン

 

曲目/メンデルスゾーン

劇付随音楽「真夏の夜の夢」より 

1.序曲 作品21    12:26

2スケルツォ 作品61の1    4:37

3.間奏曲 作品61の2    3:33

4.夜想曲 作品61の7    6:41

5.結婚行進曲 作品61の9    5:04

6.序曲「フィンガルの洞窟」作品26    10:10

7.序曲「美しいメルジーネの物語」作品32    11:12

8.序曲「ルイ・ブラス」作品95    7:24

 

指揮/シャルル・デュトワ

演奏/モントリオール交響楽団

 

P:ポール・マイヤーズ

E:ジョン・ダンカーリー

録音/1985/05 サントゥスタシュ教会、モントリオール

同朋舎出版 GCP−1020(原盤デッカ)

 

 

 デアゴスティーニ社は分冊本ブームの草分けですが、その契機となったのは1992年から1994年にかけて京都の同朋舎出版と共同で出した、クラシック音楽の名曲を名演奏CDで聴ける解説本つき分冊マガジン「グレート・コンポーザー」シリーズでした。つまり、綿々と続くいまの分冊本ブームの大元は、クラシック音楽によるこのCDの分冊本だったんですなぁ。で、このシリーズは使用レーベルは、ドイツ・グラモフォン、デッカ、フィリップスのユニバーサル(当時はポリグラム)傘下の3大レーベルで、指揮者・独奏者も豪華で、有名なクラシック音楽界の名盤がずらり並んでいます。

 

 それにしてもこのシリーズは豪華でした。何しろ、この後出したディアゴスティーニ単独の「ザ・クラシック・コレクション」はいわゆる幽霊指揮者や素性の分からない二流演奏者でこり固めたバッタもんCDみたいな内容になっていました。まあ、中にはきらりと光るものもありましたけれどもね。

 

 さて、この一枚は寄せ集めではなくデッカから正式に発売されていたものと全く同じ内容になっています。デッカオリジナルはこちらのジャケットでした。

 

 

 デュトワの絶頂期の録音ということで内容は申し分ありません。まあ、最近はN響からは名誉指揮者の照合も剥奪され出入り禁止みたいなことで、最近は地方オーケストラばかり振っているようですが、今年は5月に大阪フィル、9月には新日本フィルに登場のようです。まぁ、泥沼の金正響はもう忘れ去られてもしょうがないのかもしれませんが、デュトワは実力はありますから復活してほしい指揮者ではあります。

 

 この真夏の夜の夢は序曲から快調な演奏です。やや速めのテンポで幻想的な世界を描いていきます。


 

 そして、単独でも演奏される「結婚行進曲」も変に重々しくないむしろ爽やかなおとぎ話の中の結婚式のような軽やかさです。

 

 

 まあ、デュトワの手に掛かればドイツ人としてのメンデルスゾーンというよりもどこかフランス人に近しい存在として聴くことができ、それはバレエ音楽のような躍動感のある響きとして耳に届きます。

 

 

 真夏の夜の夢の音楽以外には序曲が3曲収録されています。まあ、最も有名な序曲は「フィンガルの洞窟」でしょう。個人的にはこの曲はやはり荒波に洗われる厳しい北海の海を連想しますから、このデュトワ/モントリオールの地よっと軽い演奏は役不足かなぁと感じてしまいます。

 

 

 「ルイ・ブラス」は、フランスのロマン主義の文豪ヴィクトル・ユゴー(1802~1885)によって1838年に書かれた5幕からなる戯曲『リュイ・ブラース』の慈善公演のために、フェリックス・メンデルスゾーンによって作曲された同名の「序曲」です。ちょいと過ぎてしまいましたが、3月11日は、メンデルスゾーンの序曲「ルイ・ブラス」が初演された日でもありました。そんなことでとり飽けてみました。この曲、わずか3日館で仕上げたようですが、さすが天才のメンデルスゾーン、きっちりと纏めています。冒頭の重厚なブラスの響きがいいですなぁ。