MEION BRITISH BRASS
第1回定期演奏会
24日の天皇誕生日の振替休日には「MEION BRITISH BRASS 第1回定期演奏会」へ出かけました。この演奏会前日まで全く予定にありませんでした。「打・カーポ」のプログラムに挟み込まれていたチラシで知ったコンサートだったのです。情報にはアンテナは張ってあるのですが、このコンサートは全くノーマークでした。
会場は中村文化小劇場、そう中村公園の中にあります。会場には開場の5時半過ぎに到着しましたが、ご覧のような状況でした。やはり、あまり告知がなされていなかったんでしょうなぁ。旗揚げ公演というのにもったいないことです。
ところで「BRITISH BRASS」というのをご存知でしょうか。これは一般の吹奏楽とは違い、木管楽器が含まれない編成のバンドのことです。標準の編成は25名ほどですが、今回はバーカッションを含めると40名ほどの編成になっていました。その内訳は、
コルネット 10名
ソプラノコルネット 2名
レピアのコルネット 1名
フリューゲルホーン 1名
テナーホルン 3名
バリトンホーン 3名
トロンボーン 4名
バストロンボーン 2名
ユーフォニウム 3名
テューバ 4名
パーカッション 5名
この編成にゲストプレーヤーの上田仁さん、指揮も兼ねる露木薫氏が加わります。なを、パーカッションのメンバーは前日「打・カーポ」で活躍したメンバーが名を連ねています。編成を見てお分かりかと思いますが、普段聞き慣れたトランペットは一本も含まれていません。
第1部は「 BRITISH BRASS 」のためのオリジナル作品が並びます。こういう編成の作品です。まさに幕開けにふさわしい作品になっています。
マルコム・アーノルドの名前を聞いて「戦場にかける橋」という映画を思い浮かべる人はよっぽどの通でしょう。ただ、この映画の付随音楽中もっとも有名な「ボギー大佐」のテーマは、ケネス・アルフォードという人物の作によるものですが、それ以外の曲はアーノルドによって手がけられたものであります。
彼はもともとロンドン・フィルにトランペット奏者として入団して活躍したこともあり、管楽器を駆使した華麗でダイナミックなオーケストレーションによる作品を得意とする作曲家でした。高曲曲なんかも残していますが、ブラスバンドのための作品もたくさん書いています。この曲は救命ボートのサイレンを模したサウンドが何ともユニークです。
吹奏楽のための〈第1組曲〉などを作曲したホルストが、この英国式ブラス・バンドのために作曲した唯一の作品が〈ムーアサイド組曲〉だそうです。ホルストにこんな作品があるなんて今まで知りませんでした。こういう曲が聴けるというのもこういうコンサートの楽しみです。
この曲、1927年のBBC(英国放送協会)とナショナル・ブラスバンド・フェスティヴァル委員会の依頼を受けて作曲された曲出そうで、スケルツォ、ノクターン、マーチの3曲で構成されています。
さて、このコンサートではフィリップ・スパークの曲が3曲収録されています。スパークは1951年12月29日生まれ、英・ロンドン出身の作曲家。本名はフィリップ・アレン・ スパーク。英国王立音楽大学在学中にバンド音楽に興味を持ち、吹奏楽団で演奏する傍ら、金管バンドを結成。双方の作曲を手掛けていて、日本にも何度も来日していて関わりの深い作曲家です。
そんなスパークの作品の中で親しみやすいのはこの「パントマイム」でしょうか。ユーフォニウムのソロが何とも暖かみのあるソロを奏でます。
さて、この「MEION BRITISH BRASS」、定期演奏会としては第1回ですが、CDデビューの方は既にしています。そこでは「名古屋音楽大学金管バンド」という名で登場しています。後半の上岡洋一、足立正、宇田川不二夫氏の作品は小学生でも演奏可能な金管バンドのための作品になっています。「ティダヌファ」は沖縄民謡をベースにした作品で、太陽の子という意味だそうです。抜粋ですが、こんな曲です。
そして、上岡氏のマーチ「晴、風」は2020年度開催予定の第8回全日本小学生金管バンド選手権課題曲になっています。この選手権全国大会は2020年12月20日、大津市民会館にて開催予定です。
盛大に盛り上がったコンサートでした。アンコールは1曲目は、やはりスパークの「カンティレーナ」という曲で、ブラス・バンドのための作品となっています。なかなかいい選曲ですねぇ。この曲の吹奏楽版は東日本大震災のために編曲されたもので、「陽はまた昇る」というタイトルが付けられています。
アンコールの2曲めは曲名の紹介がなく分かりませんでした。