ベン・ハー | geezenstacの森

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ベン・ハー

 

 

曲目/

1.ベン・ハー序曲

2.ベン・ハー愛のテーマ

3.勝利の行進

4.奇蹟とフィナーレ

 

指揮/カルロ・サヴィーナ

演奏/ローマ交響楽団

 

日本グラモフォン(MGM) KM−1040

 

 今回この記事を書いていて初めて気がついたのですが、MGMレーベルは日本グラモフォンから発売されていたのですなぁ。今の今まで知りませんでした。記憶では、このレーベルは1960年代は日本コロムビアが発売窓口であったような気がします。でも、考えてみれば「2001年宇宙の旅」は確かポリドールからの発売だったわけで、調べると1961年にポリドールに配給権が移ったようです。で、日本では日本グラモフォンの名前で販売されたのは1956年からで、1971年までその社名であったようです。その後はポリドールに変わっています。

 

 さて、当時はこれが映画のサウンドトラックと銘打たれて発売されていました。このジャケットにも右上にその表記があります。でも、違ったんですねぇ。本当のサントラ盤の演奏は、

指揮/ミクロス・ローザ

演奏/MGM交響楽団

が正解だったのです。やはり、作曲者自身が指揮していたんですなぁ。この演奏による本当のサントラはCDでしか発売されていません。同じようなことは「2001年宇宙の旅」でもあり、冒頭の「ツァラトゥストラはかく語りき」は映画ではカラヤン指揮ウィーンフィルのものが使用されているのですが、サントラとして発売された演奏はカール・ベーム指揮ベルリンフィルの演奏というものでこれもインチキだったわけです。下はそのオリジナル音源のベンハーの冒頭の演奏です。

 

 

 レコード゛発売されていた演奏では鐘が高らかに鳴らされていますが、本来のオリジナルの演奏では至極控えめになっています。

 

 

 で、こちらがサヴィーナ指揮ローマ交響楽団のこのレコードに収められている音源です。明らかに違います。さらに、レコードでは序曲の演奏が5:20の表記になっていますが、実際には2:24ほどしか収録されていません。いい加減なサントラを買わされていたわけです。

 

 もう一つ言えば、これはオープニングの音楽で本来の序曲ではありません。序曲は、実際はこちらです。

 

 

 いかにベンハーのサントラがいい加減なものだったかが分かろうかというものです。

 

 しかし、マニアにとってはこれはもうサントラ盤としては発売されることがないでしょうからコレクターズチョイスといつてもいいでしょう。