シューリヒトの「真夏の夜の夢」の音楽
曲目/メンデルスゾーン
1.結婚行進曲
2.道化師の踊り
3.夜想曲
4.妖精の踊り
指揮/カール・シューリヒト
演奏/バヴァリア放送交響楽団
録音/1960年9月
コンサートホール SM968
コンサートホールの17cm盤です。LPとは全くデザインが違います。ちなみにLPはこちらのデザインでした。
17cm盤ですから4曲しか収録されていません。有名な序曲はありません。ただし、2曲目の「道化師の踊り」は主題が序曲のそれが登場しますからまあ、良しとしましょう。今のCDではオーケストラはバイエルン放送交響楽団と表記されますが、当時はバヴァリア放送交響楽団でしたねぇ。時代を感じます。
ところで、このアルバムの解説は藁科雅美さんが書いていますが、多分LP用を転用したもので、収録されてもいない序曲についてかなりスペースをとって書いています。まあ、それぐらいコンサートホール盤はいい加減だったという証でしょう。
当時コンサートホール盤はモノラルとステレオ盤とでは価格に差がありました。時代はステレオ時代だったのにわざわざモノラルとステレオの2種類のレコードを製作していたことになります。小生の手元にあるのはステレオ表記のあるステレオ盤です。
演奏は冒頭から結婚行進曲で始まります。この真夏の夜の夢はピエール・デルヴォーの演奏で親しんでいましたからこのシューリヒトの演奏はその洗練された響きとは違う、どちらかというと泥臭い、田舎の結婚式を思わせる響きになっています。ステレオ初期の録音ということで、トランペットは右側からくっきりと聴こえます。まさに典型的なステレオ録音です。そして、弦はかなりスタッカート気味に一音一音が粒立って演奏されています。
思えばシューリヒトの名前はコンサートホール盤で知ったようなものです。EMIにも録音していましたが、大半はコンサートホールから発売されていました。ハーグフィルトのブルックナーの交響曲第7番とかシュトットガルトとのシューマンやシューベルトはよく聴いたものです。といっても、アメリカのノンサッチから発売されていたレコードですけどね。
この日本盤は後年になってから入手したものですが、3曲に絞ってもいいから「序曲」だけは収録して欲しかった内容です。