愛知県立芸術大学音楽部 第52回定期演奏会 | geezenstacの森

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愛知県立芸術大学音楽部

第52回定期演奏会 第2夜

 

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 第2夜はピアノとマリンバの演奏での幕開けでした。こんな曲目が演奏されています。

 

向井 由衣子(作曲4年)

向井 由衣子:アルトサクソフォーン、マリンバ、ピアノのための《エスケープ》

近藤 那未(アルトサクソフォーン4年)、渡邉 倖大(打楽器4年)、金原 あかり(ピアノ4年)

木村 玲(ユーフォニアム3年)/山田 茉友(ピアノ博士前期課程1年)

R. ブトリ:チューバッカナール チューバまたはサクソルン・バスとピアノのための

林 佳菜子(ピアノ4年)

F. ショパン:序奏とロンド 変ホ長調 作品16

阿部 夏己(ピアノ4年)

S. プロコフィエフ:4つの小品 作品4

田中 潤(バリトン4年)/伊原 彩夏(ピアノ3年)

F. シューベルト:仕事を終えた夜の集いで

F. J. ハイドン:オラトリオ《天地創造》より〈いまや天は光に溢れて輝き〉

杉内 亜有美(ソプラノ4年)/関口 詩織(ピアノ3年)

W. A. モーツァルト:ミサ曲 ハ短調 より 〈聖霊によりて〉
ジャン・ジャック・バレ教授との室内楽

安成 紅音(ピアノ4年)/ジャン・ジャック・バレ教授(本学短期外国人客員教授)

C. ドビュッシー:《交響曲 ロ短調》(4手ピアノ版)より 第1楽章
ハンブルク音楽大学からの留学生による独奏

ソフィー・シュタイナー(ハープ博士前期課程1年)

黛敏郎:ハープのための六段
エルマール・ランプソン:ヴァイオリン協奏曲

指揮:矢澤 定明

ソリスト:長谷部 りさ(ヴァイオリン博士前期課程1年)

管弦楽:愛知県立芸術大学学生オーケストラ

 

 今回のコンサートで、特徴的なのは多分本邦初演の曲目が2曲含まれていることでしょう。1曲目の向井 由衣子:アルトサクソフォーン、マリンバ、ピアノのための《エスケープ》は映画の「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」の詐欺師とFBI捜査官のチェイス劇をイメージして書かれたという作品です。面白い曲ですが、それぞれの楽器が混ざり合うことがなく最後までいってしまうところが物足りないといえば物足りなかったです。

 

 愛知県芸術大学は世界の音楽大学とコネクションを持っていますが、その中のジュネーヴ音楽院のジャン・ジャック・バレ氏もその一人で、客員教授として来日しています。ここではドビュッシーの交響曲ロ短調という作品が演奏されました。ドビュッシーに交響曲作品があることを初めて知りました。ただ、元々が1楽章しか存在しなくて、なおかつ4手のピアノ版しか存在しないという作品です。貴重なものを聴くことができました。

 

 

 

 ハンブルク音楽大学からの留学生はハーピストで、彼女が取り上げたのは黛敏郎の「ハープのための六段」でした。こんな曲があるのも知りませんでしたが、八橋検校の六段をハープのための作品にアレンジしていたんですなぁ。西洋と東洋の融合の世界を聴くことができました。

 

 

 そして、最後はエルマール・ランプソン:ヴァイオリン協奏曲でした。氏はハンブルク音楽大学の学長で、この曲はカッセル州立管弦楽団の委嘱で作曲されたものだそうです。演奏会の白眉を飾る演奏で、70名を超える愛知芸大のオーケストラが舞台に登場し、ソリストの長谷部りささんの熱演で、難曲にもかかわらず非常に熱い演奏になっていました。YouTubeを探してもこの曲は引っかかりませんでしたから、多分に度と聞くことはできないと思いますが、記憶に残る演奏会となりました。