愛知県立芸術大学音楽学部 第52回定期演奏会〈第1夜〉
10月2日、3日の両日に渡って「愛知芸術大学音楽学部 第52回定期演奏会」が開催されていましたので出かけました。毎年この時期に開催されているようですが、平日の二日に渡って利コンサートは中々きついものがあります。幸い2日は休みの日に当たっていたのでなんとか参加することができました。
今年はずいぶん力を入れたコンサートだったようで、初日には合唱部のコーラス、2日目にはオーケストラが登場しての演奏も披露されました。
第1夜のプログラムです。
〈第1夜〉
優秀学生による独奏・独唱
河内 みく(ピアノ4年)
F. リスト:ハンガリー狂詩曲 S.244より 第10番 ホ長調 〈前奏曲〉
長嶋 玲穂(ヴァイオリン4年)/安成 紅音(ピアノ4年)
J. シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47 より 第1楽章
清水 万理子(ソプラノ4年)/中司 翔也(ピアノ博士前期課程1年)
G. ドニゼッティ:オペラ《アンナ・ボレーナ》 より 〈私の生まれたあのお城〉
田中 明里子(ソプラノ4年)/高崎 真衣(ピアノ4年)
G. パイジェッロ:オペラ《セヴィリアの理髪師》 より 〈春はすでに微笑んで〉
髙橋 美香(ヴァイオリン4年)/木村 静花(ピアノ2年)
E. グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ト長調 作品13 より 第1、3楽章
岩石 茉奈(トロンボーン4年)/天野 穂乃香(ピアノ4年)
H. トマジ:トロンボーン協奏曲より
2台ピアノ作曲作品の発表
梅本 悠雅(作曲3年)
梅本 悠雅:〈プレリュード〉
大竹 かな子(ピアノ博士前期課程1年)/志村 宰(ピアノ3年)
選抜学生による2台ピアノの演奏
里見 早紀(ピアノ2年)/春日 英里子(ピアノ2年)
M. ラヴェル:スペイン狂詩曲 より 第4曲 〈祭り〉
渡辺 千尋(ピアノ2年)/山口 紗弥(ピアノ2年)
P. デュカ:交響詩〈魔法使いの弟子〉
稲垣 みなみ(ピアノ2年)/水野 あかり(ピアノ2年)
G. タイユフェール:野外遊戯〈ティルリタンテーヌ〉〈カシュ=カシュ・ミトゥラ〉
女声合唱(声楽専攻1,2,3年)
L. バールドシュ:
Cantemus!(歌え)
Ave maris stella(めでたし海の星)
Szellö zúg(風がうたう)
Ave Maria(アヴェ・マリア)
Liszt Ferenc(リスト・フィレンツ頌)
Bérc a rónán(平原の岩山)
指揮:長谷 順二
意欲的なプログラムですが、こういう演奏会は舞台転換に時間がかかり、この日も終了は夜9時20分を過ぎていました。第1夜の演奏の中では、
田中明里子さんのG. パイジェッロ:オペラ「セヴィリアの理髪師」 より 〈春はすでに微笑んで〉が秀逸でした。「セヴィリアの理髪師」というと、どうしてもロッシーニを思い浮かべてしまいますが、中々どうして、バイジェッロ版の「セヴィリアの理髪師」も捨てたものではありません。透明度の高いソプラノでピアノとのバランスも良く気持ち良く聞くことができました。
高橋美香さんのE. グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ト長調 作品13 より 第1、3楽章も、通常なら第3番で勝負するところをあえて第2番で挑んだのは正解だったのでしょう。聴き入ってしまいました。2台のピアノによるドビュッシーとデュカスは興味の持たれるところでしたが、色彩感やユーモア感が今ひとつというところで、こういうところが通俗名曲をチョイスする難しさなんでしょうかねぇ。
コーラスをかじった身としては、合唱のハーモニーは見事でした。さすが音大生ならではです。ただ、合唱はやはり混声合唱を聞きたかったものです。