ベスト・オブ・セレジオ・メンデス | geezenstacの森

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ベスト・オブ・セレジオ・メンデス

曲目/
[Disc1]
 1.マシュ・ケ・ナダ[2:39]
 2.恋のおもかげ[2:44]
 3.フール・オン・ザ・ヒル[3:14]
 4.コンスタント・レイン[3:16]
 5.アフター・サンライズ[3:29]
 6.イパネマの娘[3:15]
 7.ウィチタ・ラインマン[2:48]
 8.愛をもう一度[4:17]
 9.ヴィラムンド[3:05]
 10.ウォッチ・ホワット・ハプンズ[2:45]
 11.カエル[2:43]
 12.スカボロー・フェア[3:20]
 13.愛を求めて[2:16]
 14.ソ・ダンソ・サンバ[3:09]
 15.ソー・ナイス[2:13]
 16.もう一度 (MONO)[2:26]
 17.デサフィナード[3:18]
 18.ドック・オブ・ベイ[3:12]
 19.トリーリョス・ウルバーノス[3:45]
 20.タイムレス feat.インディア.アリー[3:53]

[Disc2]
 1.ノルウェーの森[3:51]
 2.ナイト・アンド・デイ[3:06]
 3.ルック・アラウンド[3:01]
 4.パイス・トロピカル[2:46]
 5.パズル・オブ・ハーツ[5:22]
 6.ビリンバウ[3:21]
 7.ふたりの悲しみ (MONO)[2:13]
 8.プリティ・ワールド[3:21]
 9.マスカレード[3:30]
 10.波[2:16]
 11.ライク・ア・ラヴァー[3:50]
 12.ワン・ノート・サンバ/スパニッシュ・フリー[1:48]
 13.漁師の祈り[3:31]
 14.君に夢中[3:05]
 15.私はあなたのもの[3:10]
 16.星屑のボサ・ノヴァ[4:24]
 17.彼女はカリオカ[2:23]
 18.ルック・オブ・ラヴ feat.ファーギー[4:01]
 19.マシュ・ケ・ナダ feat.ブラック・アイド・ピーズ[4:23]

ボーカル/ジャニス・ハンセンとラニ・ホール
ピアノ/セルジオ・メンデス
パーカッション/ホセ・ソアレス
ベース/ボブ・マシューズ
ドラムス/ジョアン・パルマ

ニバーサルミュージック UCCU-1389/90

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 夏ですねぇ。夏になると聴きたくなるのがボサ・ノヴァです。このブログでも、たびたび取り上げています。小生の場合、1960年代はビートルズには染まらずその周辺を色々と聴いていて、3曲目の「フール・オン・ザ・ヒル」なんてこのセルジオ・メンデスとブラジル66の演奏で知ったものです。


洒落たアレンジですなぁ。

 さて、このアルバム初来日から50周年(2014年時)を記念した日本独自企画によるブラジル音楽の巨匠ピアニスト、セルジオ・メンデスのオールタイム・ベスト・アルバムです。『マシュ・ケ・ナダ』を大ヒットさせたセルジオ・メンデス&ブラジル’66時代の名曲から、Concordレーベル移籍後の『タイムレス』『モーニング・イン・リオ』まで名曲を幅広く収録したCD2枚組です。

 セルジオ・メンデス&ブラジル’66として、このアルバムでも冒頭と2枚目のラストに収録されている「マシュ・ケ・ナダ」の大ヒットにより、世界的に持て囃されたグループになりました。多彩なパーカッションを擁し、この軽やかな音楽はとても新鮮でした。ハーブ・アルパートのプロデュースを受けてデビューしたこともヒットの要因でしょう。そう、初期はA&Mレーベルのトップアーティストとして次々とヒットを飛ばしていたのです。A&Mはこのハーブ・アルパートとジェリー・モスが共同で設立したレコード会社ですが、ここから自身のティファナブラス、セルメン、カーペンターズなどが活躍しています。もともと、ジャズピアニストとしてスタートしていますから、コンコードに移籍しても何の違和感もありません。このコンコードは先に取り上げた「テラーク」も翼下に収めているユニヴァーサル系のインディペンデント・レーベルです。

 昨年も来日して元気な姿を披露しています。近年も日本でのアルバム制作されていることからも分かるように、今なお根強いセルメン・ファンが存在しています。その方たちには、これだけ収録してあれば一定の満足を得られることでしょう。その代表曲の「マシュ・ケ・ナダ 」です。



 通して聴くと、より一層感じ取れますが、洗練された中にもブラジルの風を感じられる個性的な曲作りとアレンジによって彼らの特徴がしっかりと伝わります。リズムもアレンジも独特です。特に60年代の作品はセルジオ・メンデスの音楽性が、ヒットチャートの曲を独自の感性でアレンジし、それが世界の音楽シーンの中でメインストリームとなった意味合いが伝わることでしょう。そんな一曲が、サイモンとがファンクルの「スカボロー・フェア」です。



 この曲、ストリングス・オーケストラが入りなかなか洒落たボサ・ノヴァになっています。中間部がジャジーなのはアレンジと指揮をデイヴ・グルーシンが担当しているからです。この流れが姉妹レーベルとして誕生したCTIレーベルに受け継がれていき、アントニオ・カルロス・ジョビンもこのCTIにアルバムを残しています。

 アルバム14曲目の「S? Dan?o Samba」はセルメンのジャズ・ピアニスト時代の作品です。アントニオ・カルロス・ジョビンの作曲になるサンバで、ジョビンはギターで参加していますし、サックスはフィル・ウッズ、フルートはヒューバート・ローズ、さして、トランペットはアート・ファーマーが参加しています。



 さて、このアルバム最後にも「マシュ・ケ・ナダ 」が収録されていますが、こちらはなんとヒップ・ポップバージョンです。ブラック・アイド・ビーズとコラボしています。


 進化はしていますが、輝いていたのはやはり60年代ですかねぇ。