2月の散在


今月も早々の散在です。最近はレコード時代の処分が多いのか、それも豪華な全集をステータスのように買い求めた世代の交代なのか、やたらとこういう出物が多いようです。CDは知勇小ショップで売られているものはそこそこハズレがないのですが、レコードに関してはショップ時代に再生環境が無いせいか、ろくにチェックもしないまま販売しているものが多いようです。これも、そんなセットでした。
丁度上下巻がセットで置かれていたので手に取った次第です。どちらも15枚組のセットです。上巻の方は帯が無かったのですが、下巻は帯まで付いているということは殆ど聞いていない状態だと推察出来ました。そんなことで、迷わずカートに放り込んでしまいました。
中に封入されている冊子の奥付には1977年7月となっていますからレコード最盛期の頃のものです。グラモフォンは廉価盤にはあまり力を入れてませんでしたが、この全集は名盤を惜しげも無く投入しています。購入して開封してみても、状態の良さは歴然です。内容に付いては全くの未知の状態でしたが、ピアノ曲編の30枚セットですからそこそこのレパートリーは揃っています。中古のアナログレコードは、新しい物でも30年ぐらい前の物が普通なので、保管状態が良くても多少の日焼けはあるし、人が触ったところはシミになってたりカビが生えてたりするのが当たり前です。盤の状態も未聴のものが殆どでこ、の二セットで1000円強ですから十分CPの高い買い物で満足でした。


さて、内容は掲載の写真のようなもので、当時はレギュラープライスで発売されていたものがカップリング替えで収録されています。アルゲリッチのショパン等は当時高くて変えませんでしたから、こういうカタチで出会えるとは嬉しい限りです。中古で購入したケンブのシューベルトのソナタ全集といい、このセットといい最近は中々いい買い物に出会っています。単品ものはやはり聴き込んであるものが多いのですが、セットものは開封するまで中身が確認出来るものが無いのが欠点とはいえ、新品状態で遭遇出来る里が嬉しいですね。
アルゲリッチの演奏の比重が多いのが時代を反映しているといえばいえますが、今では再録も期待出来ないエッシェンバッハのモーツァルト、ケンプのベートーヴェン、ゼルキン、ヴァーシャリ、アンダ、ベルマン、リヒテルなんかの演奏を適材適所に配してなかなか見事な構成になっています。