


断捨離生活は遅々として進みません。それどころか逆についつい余分なものを見つけては買い込んでしまいます。
今月架蔵したレコードは、上記の様なものになりました。最初のレコードは2枚組の1973年に発行された講談社の「グラモフォンの名曲-世界音楽全集 Vol.2」です。開封してびっくりしたのですが、まったく聴いた跡が無い新品でした。これが何と108円です!!
出版社からの発売は配本と巻数は一致しません。このシリーズの第1回配本はベートーヴェン1で、カラヤン/ベルリンフィルの交響曲第5番「運命」と第9番「合唱」その他が収録されたもので、カラヤンのポートレイトが印刷された大きなパネルに収まっていました。以前はこの巻だけを所有していましたし、いまでもこのパネルは部屋に飾ってあります。(^▽^;)
さて、このバッハにはカール・リヒター/ヘルムート・ヴァルヒャの演奏が収められています。レコード時代にも所有していたかった演奏で昔は「アルヒーフ」レーベルで発売されていたものです。


2枚目の写真は、えさ箱の中から偶然に見つけたレコードで、リアルタイムでも見かけた事の無いものでした。大体「キャップ」なんてレーベルが東芝から発売されていたなんて知りませんでした。調べると1968年頃まで東芝が発売の窓口だったようです。内袋には当時の主要4大レーベルと供に、大々的にエバークリーンレコードの宣伝が印刷されています。

エバークリーンの赤盤が発売されたのは1958年で、ジャケット裏面には「東京芝浦電機株式会社」の刻印があります。wikiに拠るとステレオLPが発売されたのが翌1959年3月からで、最初に発売したのはビーチャム指揮ロイヤル・フィルによるR・コルサコフ作曲「シェヘラザード」(ASC-1001)だそうです。さらに、1960年10月1日 に東芝の音楽ソフト部門が分離独立して「東芝音楽工業株式会社」を設立していますから、このメニューインのバッハのレコードはASC-1024ですから、それまでに発売されたものという事になります。多分、キャップのレコードも同時期のものでしょう。
ところで、メニューインのレコード、解説が杜撰で、二つのヴァイオリンのための協奏曲の奏者をフェラと表記していますが、実際のレーベルでの英語表記はクリスチャン・フェラスとなっていてまったく別人の様な印象を受けます。ただ、オーケストラはロバート・マスターズ室内管弦楽団となっていて、こちらは正しい表記で、CD化された際にはバース音楽祭管弦楽団の表記に変えられています。これには理由があって、バース音楽祭管弦楽団はもともと1958年にEMIがメニューインにバッハのヴァイオリン協奏曲の録音を依頼した際に、コンサートマスターとなったヴァイオリニストのロバート・マスターズ Robert Masters と、EMIのプロデューサーでチェンバロをよくし、一連の演奏及び録音で通奏低音を担当したロナルド・キンロック・アンダーソン Ronald Kinloch Anderson がメンバーを集めて結成したものとのこと。結成当時はコンサートマスターの名をとってロバート・マスターズ室内管弦楽団 The Robert Masters Chamber Orchestra と名乗っていましたが、メニューインが1959年にバース音楽祭の Director に就任し、このアンサンブルも音楽祭に参加することになったためにバース音楽祭管弦楽団と改名したものです。
キャップの方のレコードはKSC5004の番号です。しかし、こちらも表記は杜撰で、トランペットのロジェ・ヴォワザンとジョン・リー、指揮者のケネス・シャーマーホーンの記載はありますが、オーケストラ名はありません。ただ、ジャケットを読むと二人ともボストン交響楽団に所属し、ヴォワザンは主席を務めていたといいますから、オーケストラはボストン交響楽団のメンバーの可能性が大です。契約の関係で多分こうなっているのでしょう。
さてさて、3枚目の写真は見つけた時、懐かしく思えたキングレコードの販促盤です。昔は、こういうものを手に入れるために名古屋の古本屋を足げく回ったものです。

普通はその月の新譜をダイジェストで紹介するために色々なアーティストの演奏をコンピしてレコード店に提供していましたが、中には一枚ごとサンプラーとして提供したものもありました。強力プッシュ盤ですな。その一枚がこれです。「フェランテとタイシャー」の「イージー・ライダー/ムード・ピアノ・ゴールデン・アルバム」と題されていますが、日本のみのコンピュレーション物です。タイトルのイージー・ライダーのバラード」をはじめ、「スカボロー・フェア」、「Zのテーマ」、「冬のライオン」なんかが収録されています。

そして、こちらはまさにそのコンピ盤で、ウェス・モンゴメリーの「エリノア・リグビー」、ハーブ・アルパートの「マルタ島の砂」、ボサリオのEXPO'70のライブ演奏、ダニエル・ビダルの「チャオ・ベラ・チャオ」なんてものまで収録されいます。何れも当時ヒットしましたねぇ。ただ、このレコード販促盤だけあってかなり使われたようで、盤は傷だらけ、所々音飛びはするなんていうレベルでした。懐かしさにかまけて手を出すと痛い目に合う代名詞の様なレコードでした。
そうそう、最近ソニーがレコードプレスを再開するなんてニュースが流れていましたね。どうやらレコードブームは本物みたいです。