ラハバリのアルルの女 | geezenstacの森

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ラハバリのアルルの女

曲目/
ビゼー:劇音楽『アルルの女』 op.23
1.Overture - Act 1 13:55
2.Act 2 10:21
3.Act 3 4:03
4.Act 4 13:41
5. Act 5 12:58
小組曲「子供の遊び」
6.Trompette et tambour(行進曲-ラッパと太鼓) 2:14
7.La Poupee(子守唄-お人形) 3:00
8.La Toupie(即興曲-こま) 1:07
9.Duo - Petit mari, petite femme(二重奏-小さな旦那様、小さな奥様) 3:20
10.Galop - Le Bal(ギャロップ-舞踏会) 1:44

指揮/アレクサンダー・ラハバリ
演奏/ブリュッセル・BRTNフィルハーモニー管弦楽団
合唱/BRTN合唱団
合唱指揮/ヴィク・ニース
朗読/marcel dossogne

録音/1990/12/01-02, ベルギー放送協会コンサートホール

P:Eric Macleod
E:Daniel Michel

DISCOVER DICD920115

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 このCDは国内では発売されませんでした。レーベルとしては「DISCOVER」ですが、一応「KOCH」のグループでしたので、キングレコードが発売の窓口にはなっていました。このラハバリの指揮するものでは、ベートーヴェンの第九やヴェルディのレクイエムなんかが発売されています。しかし、純粋のクラシックという位置付けではなく、「エヴァンゲリオン・クラシック」というシリーズで発売された物です。

 先日取り上げたプラッソン盤ではナレーションが省略されていましたが、このラハバリ盤ではナレーションが収録されています。元々が戯曲ですからこういう形が当然なのでしょう。

 最近気になってこのアルルの女の全曲版にはどういうものがあったのか色々調べてみました。なんとなんとプラッソン盤以前にも結構色々な録音が出ていた事が明らかになりました。日本のレコード会社が名曲中心に発売していたのでこういう録音は紹介されなかったのでしょう。「アルルの女」は組曲版さえあれば、それが売れますからねぇ。

・ヘルマン・シェルヘン/ライプツィヒ放送交響楽団 1961
 ナレーションあり、ドイツ語
・アルバート・ウォルフ/オーケストラ 1950年代後半
 モン・ムーランのテキストによる朗読付き
・ジャン=クロード・マルゴワール/トゥールーズ国立室内管弦楽団 1998
 2枚組という事で舞台の上演をそのまま丸っと収録しているとの事。もちろんナレーション付きです。ただし、やり過ぎで組曲版の「美しきパースの娘」のメヌエットも3幕冒頭に挿入しています。
・ロバート・ハイドン・クラーク/ロンドン・コンソート  1991
 オリジナルバージョンでの編成による演奏。ナレーション無し

 先にも書きましたが、個人的にはこの戯曲版のCDを最初に入手したのはアレクサンター・ラハバリ盤でした。このラハバリという指揮者、1977年にブザンソン指揮者コンクールで優勝しています。で、1988年から1996までこのブリュッセルのBRTNフィルハーモニー管弦楽団(現ブリュッセル・フィルハーモニック)の首席指揮者を務め、任期中にディスカヴァー・レーベルを設立して数々の重要な録音を残しています。イラン人指揮者で作曲家としても活動しています。アリ・ラハバリが今では通り名になっています。

 一番CDが売れていた時代に自らレーベルを設立してこの録音に臨んでいたという事になります。ここではフル編成のオーケストラを使って演奏しているという事もあって音の響きとしてはプラッソン盤と変わりはありませんが、ナレーションを入れている所が特色といえば特色でしょう。なを、ここでのナレーションはフランス語という事では貴重です。わざわざジャケットにもその事が謳ってあります。しかし、このナーレーションオーケストラの演奏に被っている箇所もあり、純粋にビゼーの音楽を楽しもうという向きにはちょっと残念な結果になっています。

 録音はセッションで行なわれていますが、間接音が多めで、どちらかというとコンサートホールの2階席辺りで聴いている印象です。プラッソン盤との比較では、個人的にはこちらの方が先に耳に馴染んでいたという事と、ナレーションが入っているという事でもっぱら愛聴しています。今更ながら、ホグウッドがオリジナルのスタイルで全曲盤を録音してくれていたらなぁと思うばかりです。

 YouTubで検索すると下のような演奏が引っかかりました、オリジナル版による演奏です。ナレーションも入っています。