レコードのレーベルの記事を書いている関係で、レコード棚をずっと調べていたら、なんともう30年ほど前のレコードが未開封のままで何枚も見つかりました。懺悔です。
レコード時代はCBSソニーが「factory sealed」という方法で発売していました。レコードはレコード店で試聴するというのが当たり前でしたが、ソニーはその慣習を破って店頭では試聴できないようにしてあったのです。
このシステムは賛否両論があったようですが、小生は未開封のレコードを手に入れることができるということで気に入っていました。別項でもよく取り上げるコンサートホール盤は通信販売でしたが、会員になっていなかったので友人に頼んで一緒に取り寄せてもらっていました。ところがその友人が一度も聞いてないからね、と言いながらもレコードを確認すると、ちゃんとプレイヤーにかけた痕が残っていたので憤慨したものです。
輸入盤のバーゲンセールを中心にコレクションしていた小生にとってはこのファクトリーシールは当たり前でした。
左上の一枚はジョン・ウィリアムスとアンドレ・プレヴィンが共演したレコードです。このレコードの特徴はクオドラフォニックというSQ4チャンネルシステムで録音されていたということです。
しかし、この4チャンネルレコードもほんのわずかな期間発売されただけで、今では幻の存在となっています。小生もSQ4チャンネルというマークに惹かれて購入はしてみたものの結局聴かずにいたんですなぁ。 ちなみに当時はこのほかにサンスイが主導したQS4チャンネルや、ビクターの推進したDC4方式などいろいろな方式が乱立していました。小生は、その中で簡易の疑似4チャンネルで聴いていましたから、SQはまともに再生できませんでした。
ソニーは廉価盤では後発でしたが、色々なシリーズを出していました。その一つが「ピアノヴィルティオーゾ1300シリーズ」です。 アンドレ・ワッツ、フィリップ・アントルモン、ネルソン・フレイレ、ロベール・カサドシュ、アリシア・デ・ラローチャなど発売されていました。 中でもこの一枚はカサドシュ親子が共演したものということで購入したものです。
1970年代中頃には、ピンカス・ズッカーマンが幅広く活躍していて、バイオリニストとしてだけでなく指揮者としての活動も始めていました。この頃、CBSはイギリス録音が活発で、プロデューサーとしては ポール・メイヤーズ、エンジニアリングとしては マイケル・グレイ、マイク・ロスといったメンバーが活躍していました。
フィリップス盤は、ダイレクトに入っても来ていましたが、この一枚はアメリカ経由で入ってきたということで「ファクトリーシール」されています。そんなことで、オランダ盤なのですが、ジャケット裏面は英語で表記されています。
バレンボイムはピアニストですが、モーツァルトのピアノ協奏曲全集で指揮者としてデビューしていました。本格的なオーケストラを指揮してのデビューはこのCBS盤でした。ここではバレンボイムがニューヨークフィルハーモニックを初めて指揮しています。この当時バレンボイムはEMIと契約していましたので、ジャケットのような表記がされています。
CBSソニーは、バーンスタインやワルターのステレオ録音などは廉価盤では発売しませんでしたが、オーマンディ、セルの録音は次々とシリーズ化して発売していました。これはシリーズ第2期の最後を飾る一枚でした。