今回のトップは「ポーチュラカ」です。以前にも取り上げましたがこれだけ咲くと見応えがあります。夏の炎天下でもめげずに生長して開花するので、夏花壇の定番として普及しています。ポーチュラカというのは属名で「ハナスベリヒユ」というのが正式名称の出自のあまりはっきりしない植物で、日本でも夏の雑草として畑などに繁茂するスベリヒユ〔P. oleracea〕とマツバボタン〔P. grandiflora〕が掛け合わさったもの、もしくはタチスベリヒユ〔P. oleracea var. sativa〕の突然変異種とされています。日本には1983年にドイツから入ってきたとされ、短期間で一気に普及したのは1990年の大阪花博がきっかけではないかと考えられます。比較的新しい花ですね。



ハイビスカスはアオイ科の花で、「ブッソウゲ」との交雑によって作出された植物で、品種は2000とも3000種ともいわれています。そんなことで、アオイ属の花はしばしば取り上げていますが、何処からがハイビスカスというのかあまり理解していません。大雑把に巨大輪で、カラフルな花色のハワイアン系と中輪の在来種に大別されるようです。写眞では上が在来種、したがハワイアン系のようです。日本の気候では寒さに強い在来種のほうが育てやすく、ハワイアン系と在来種との交配もすすんでおり、在来種でもカラフルな花色のものが多くなりました。

上の写眞はケイトウなのですが、その中でもちょいと珍しい「ウモウケイトウ」という品種です。もちろんヒユ科ケイトウ属の一年草で、原産地はアジア、アフリカの熱帯地方と推定され、日本には奈良時代に中国を経由して渡来しています。個人的には秋の花というイメージがありますが、今頃から咲き始めています。

それによく似ているのが「キャットテール」です。インド原産のトウダイグサ科アカリファ属の花でこちらは赤い花穂を猫のシッポに見立ててこの名で、呼ばれています。茎は細く、這うように伸び、鉢からこぼれるように花をつけるため、ハンキングなどに向いています。花期が長いので、ここで取り上げましたが殆ど一年中見かけます。まさにハンギング向きの花です。




観賞用の花というか実なんでしょうが、この時期は唐辛子を良く見かけます。日本では江戸時代頃から栽培されており、現在一番馴染みの深いのは「タカノツメ」と呼ばれる品種でしょうが、
写眞上は「五色唐辛子」と呼ばれる品種で紫、赤、黄色などのみがカラフルに咲きます。下は同じ五色でも、「メデューサ」と呼ばれる品種の様で長系の実を付けます。
写眞上は「五色唐辛子」と呼ばれる品種で紫、赤、黄色などのみがカラフルに咲きます。下は同じ五色でも、「メデューサ」と呼ばれる品種の様で長系の実を付けます。

今年4月に訪れた平和公園の東山の森へ行って来ましたが、そこで蛙の池の脇に咲いていたのが「ミソハギ」でした。湿地や田の畔などに生えるミソハギ科ミソハギ属の花で旧盆の今頃に咲くことから、ボンバナ(盆花)、ショウリョウバナ(精霊花)などとも呼ばれています。お盆の迎え火をたく前に、この花で周囲に水をまく風習は現在でも各地で広く見られるそうです。

ミソハギは湿地帯に咲きますが、「ガマ」も池や沼などの浅い水中に群生して生えます。こちらは公園の中を流れる小川に咲いていました。ガマは勘次では「蒲」と書き、我々が寝る時に世話になる「蒲団」という字もこの「ガマ」に由来するそうです。昔は、ガマの綿毛を寝具に入れたんだそうです。

最初がアオイ科の花でしたから最後もアオイ科の花で締めくくりましょう。「モミジアオイ」です。北アメリカ東南部の湿地を故郷とするハイビスカスと同属の植物で、紅蜀葵(こうしょっき)とも呼ばれます。冬は地上部が枯れて根の状態で越し、毎年花を咲かせる宿根草(しゅっこんそう)で、草丈は2mにもなる大型の草花です。最初はハイビスカスの種類の一つだと思っていたのですが、5枚の花びらがきっちりと分れているので、図鑑で確認したら「紅葉葵」として紹介されていたので取り上げることにしました。朝咲いてその日の夕方にはしぼんでしまう短命な花ですが、雨上がりの空に満開の花を付けていました。夏の花ですが、葉に大きな特徴があり、大きく5つに裂け線の細いモミジ(カエデ)のような姿をしており、そこからモミジアオイの名前が付いたようです。
今日の曲はオーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団の演奏でベンジャミンの「ジャマイカンルンバ」を流しています。