発売日: 1987/03

いつもは通り過ぎるだけの駅も、立ち止まって見回すと意外な発見の宝庫!大正ロマンの香りと最先端技術が同居するマンモス駅の表と裏を完璧に御紹介。---データベース---
先日の夏樹静子「東京駅で消えた」を読んでその中の参考資料としてあげられていた本です。探せば有るもんですね。この本、1987年の発売ですから今から20年以上も前ということになります。「とんぼの本」シリーズの一冊で今で言うビジュアル・ムックといった体裁でしょうか。
三人の共著になる一冊ですが、懐かしい東京駅の写真とともに20年前のデータに思わず見とれてしまいます。そして、ページをめくるたびに前出の夏樹静子の小説のシーンがまざまざと蘇ってきます。地下通路に霊安室、構内床屋にキオスクの風景。そのどれもがストーリーと密接にかかわり合っているのです。
読み物としては次の4章が収録されています。
東京駅雑学辞典 中川市郎
東京駅探検 山口文憲
東京駅我らの職場 中川市郎
東京駅誕生 松山巌
東京駅雑学辞典 中川市郎
東京駅探検 山口文憲
東京駅我らの職場 中川市郎
東京駅誕生 松山巌
それにしても歴史のあるターミナルステーションです。地方に住んでいると見えないことがたくさん有ります。東京駅は新幹線でしか行くことの無い場所で、いつも方向感覚が分からなくなる場所です。新幹線で利用するのは普通は八重洲口です。しかし、本来の駅正面は丸の内側なんですねぇ。これが錯覚のもとで、新幹線のホームは何となく一番西にある様な気がしてしまうのです。ですからコンコースに出るといつも進行方向を間違えてしまうのです。もうここかなして東京駅はミステリーなのです。
この駅にホテルが有ることは恥ずかしながら知りませんでした。それも由緒ある「東京ステーションホテル」なんですなあ。川端康成が317号室に一ヶ月こもって新聞小説の「女である」を執筆したとか、松本清張がかの「点と線」をこのホテルに宿泊して書き上げたとか、エピソードには事欠かないホテルです。また、駅中ホテルですから2階の客室の窓を開けると駅のホームが見えるのは当たり前の光景のようです。マニアにはたまらないホテルなんでしょうね。
この東京駅のキオスクの特徴は雑誌の売れ筋に有るそうで、ポスト、現代、新潮などの週刊誌に含まれるコミック誌はヤングジャンプで少年ジャンプなどの漫画誌は売れ筋には入ってこないのだそうです。これは東京駅が圧倒的にサラリーマンの駅だからということのようです。
1987年当時の東京土産のベストテンなんてのも載っています。それによると、
1位 東京しうびあん
2位 草加せんべい
3位 カステラ(文明堂)
4位 江戸元禄絵巻---バームクーヘン
5位 フルーツケーキ
6位 雷おこし
7位 江戸の小太鼓---ミニどら焼き
8位 三笠山(文明堂)
9位 江戸じまん---団子
10位 ひよこ
1位 東京しうびあん
2位 草加せんべい
3位 カステラ(文明堂)
4位 江戸元禄絵巻---バームクーヘン
5位 フルーツケーキ
6位 雷おこし
7位 江戸の小太鼓---ミニどら焼き
8位 三笠山(文明堂)
9位 江戸じまん---団子
10位 ひよこ
今では全然知らないものも含まれていますね。ちなみにこれが2005年になると
1位 東京ばな奈「見ぃつけたっ
2位 芋ようかん
3位 東京たまご「ごまたまご」
4位 名菓ひよこ
5位 みんなの「いちご」
6位 東京ブッセ つぶつぶ苺
7位 人形焼き手提こしあん
8位 銀座フレンチパイ
9位 草加煎餅
10位 ぬれ甘なっと
1位 東京ばな奈「見ぃつけたっ
2位 芋ようかん
3位 東京たまご「ごまたまご」
4位 名菓ひよこ
5位 みんなの「いちご」
6位 東京ブッセ つぶつぶ苺
7位 人形焼き手提こしあん
8位 銀座フレンチパイ
9位 草加煎餅
10位 ぬれ甘なっと
ということで様変わりしています。ちなみに1位の「東京ばな奈『見ぃつけたっ』」は1991年、3位の「東京たまご『ごまたまご』」は2001年、5位の「みんなの『いちご』」は2003年から販売がスタートです。現在の売れ筋商品は新顔のモノが多いようですねぇ。ちなみにこのデータは日経流通に掲載されていたものです。
コラム読み物も結構有り、
駅長の一週間
もう一人の主役・列車たち
駅の中のホテル
駅弁あれこれ
なんかも興味深く読めます。今はどうなっているのか知りませんが、学生時代は中央郵便局でバイトをしていたことが有ります。鉄道郵便全盛の頃ですね。中央郵便局と、駅のホームはすべて地下で繋がっています。列車で郵便物が着くと、専用の台車に積んでホームの外れにある専用のエレベーターで地下通路から郵便局まで移送します。時間を決めての作業ですが、こういう仕組みを利用したら切符が無くても拠点駅から拠点駅は簡単に移動出来ちゃうな、と当時は思ったものです。こういう鉄道郵便を使った推理小説ってありましたかね?
駅長の一週間
もう一人の主役・列車たち
駅の中のホテル
駅弁あれこれ
なんかも興味深く読めます。今はどうなっているのか知りませんが、学生時代は中央郵便局でバイトをしていたことが有ります。鉄道郵便全盛の頃ですね。中央郵便局と、駅のホームはすべて地下で繋がっています。列車で郵便物が着くと、専用の台車に積んでホームの外れにある専用のエレベーターで地下通路から郵便局まで移送します。時間を決めての作業ですが、こういう仕組みを利用したら切符が無くても拠点駅から拠点駅は簡単に移動出来ちゃうな、と当時は思ったものです。こういう鉄道郵便を使った推理小説ってありましたかね?
さてこの本には雑学として、JR(当時は国鉄)の専門用語も収録されています。次の言葉が何を意味しているのか分かりますか?
ラッチ
フライキ
イチサン
レチ
マグロ
マエボウ
フライキ
イチサン
レチ
マグロ
マエボウ
答えは書きません、インターネットで検索してみてください。東京駅ならずとも鉄道についてのお勉強になるこの一冊、そろそろ改訂版が出てもいい様な気がしますが、こういうのは売れないんでしょうかね?