レッドクリフ |
原題:赤壁
監督:ジョン・ウー
脚本:ジョン・ウー、カン・チャン、コー・ジェン、ジン・ハーユ
製作総指揮:ハン・サンピン、松浦勝人、ウー・ケボ、千葉龍平、チン・ウェン・ハン、キム・ウデク、ユ・ジョンフン、ジョン・ウー
製作:テレンス・チャン、ジョン・ウー
撮影:リュイ・ユエ、チェン・リー
音楽:岩代太郎
アクション撮影:コリー・ユン
製作国:2008年アメリカ・中国・日本・台湾・韓国合作映画
上映時間:2時間25分
配給:東宝東和、エイベックス・エンタテインメント
キャスト
呉
周瑜:梁朝偉(トニー・レオン)
孫権:張震(チャン・チェン)
孫尚香:趙薇(ヴィッキー・チャオ)
甘興(甘寧をモデルにした架空の人物[7]):中村獅童
小喬:林志玲(リン・チーリン)
魯粛:侯勇(ホウ・ヨン)
黄蓋:張山(チャン・シャン)
老漁夫:馬精武(マー・チンウー)
呉
周瑜:梁朝偉(トニー・レオン)
孫権:張震(チャン・チェン)
孫尚香:趙薇(ヴィッキー・チャオ)
甘興(甘寧をモデルにした架空の人物[7]):中村獅童
小喬:林志玲(リン・チーリン)
魯粛:侯勇(ホウ・ヨン)
黄蓋:張山(チャン・シャン)
老漁夫:馬精武(マー・チンウー)
蜀
孔明(諸葛亮):金城武
趙雲:胡軍(フー・ジュン)
劉備:尤勇(ヨウ・ヨン)
関羽:巴森扎布(バーサンジャブ)
張飛:臧金生(ザン・ジンシェン)
糜夫人:何音(フー・イン)
孔明(諸葛亮):金城武
趙雲:胡軍(フー・ジュン)
劉備:尤勇(ヨウ・ヨン)
関羽:巴森扎布(バーサンジャブ)
張飛:臧金生(ザン・ジンシェン)
糜夫人:何音(フー・イン)
魏・後漢
曹操:張豊毅(チャン・フォンイー)
孫叔財(架空の人物・曹操軍の兵士):?稲大為(トン・ダーウェイ)
驪姫(架空の人物・曹操の側室):宋佳(ソン・ジア)
華陀:謝鋼(シェ・ガン)
献帝:王寧(ワン・ニン)
孔融:王慶祥(ワン・チンシアン)
曹洪:王輝(ワン・ホゥイ)
蔡瑁:一真(イージェン)
夏侯雋(夏侯惇をモデルにした架空の人物):胡暁光(フー・シャオグワン)
曹操:張豊毅(チャン・フォンイー)
孫叔財(架空の人物・曹操軍の兵士):?稲大為(トン・ダーウェイ)
驪姫(架空の人物・曹操の側室):宋佳(ソン・ジア)
華陀:謝鋼(シェ・ガン)
献帝:王寧(ワン・ニン)
孔融:王慶祥(ワン・チンシアン)
曹洪:王輝(ワン・ホゥイ)
蔡瑁:一真(イージェン)
夏侯雋(夏侯惇をモデルにした架空の人物):胡暁光(フー・シャオグワン)

あらすじ 西暦208年。帝国を支配する曹操は、いよいよ劉備軍、孫権軍の征討に向け80万の大軍を率いて南下を開始した。最初の標的となった劉備軍はわずか2万。撤退が遅れ、曹操軍に追いつかれてしまい全滅の危機に。しかし、関羽と張飛の活躍でどうにか逃げ延びることに成功する。軍師の孔明は、劉備に敵軍である孫権との同盟を進言、自ら孫権のもとへと向かう。しかし、孫権軍では降伏論が大勢を占めており、孔明は若き皇帝孫権の説得に苦心する。そんな時、孔明は孫権軍の重臣・魯粛の導きで、孫権が兄と慕う司令官・周瑜と面会することに。最初は互いに警戒心を抱いていたものの、次第に2人は相手への尊敬と信頼を深めていく。---allcinemaより---この「レッドクリフ」はずいぶん前に観ていましたが、どうも取り上げ忘れをしていたようです。歴史物は好きで書かさず観ているのですがどうも中国史は理解し難いところがあって敬遠していた部分です。大学時代には東洋史を専攻していたのですが、どうもヨーロッパ古代史の方に目がいってまじめに勉強しなかったツケが回っています。
映画のレッドクリフ(Battle of Red Cliff)は、三国志(正史)と三国志演義の両方を参考にしつつ、さらに映画独自のストーリーが付け加えられている形になっています。そして、義が悪者、蜀が善人のような描き方がされていますから
基本のあらすじは、三国志演義のほうに基づいてるみたいですな。

今から1800年前に、中国では魏・呉・蜀の3国が覇権を争っていた時代です。日本では大和朝廷さえ成立していなかった頃に既に中国では勇猛な武将たちが激しい戦いを繰り広げていたのです。そして、ここでは蜀の諸葛亮孔明と呉の周瑜との人間関係を中心にそのタイトルでもある「赤壁の戦い」の前後を描いています。ですから「三国志」を完全映画化というのはいささか誇大広告です。アクション映画に強いジョン・ウーの監督作品ということでどうもそういう観点から観てしまいますが、この第1部の流れだけを観るとスケール的には遥かにこちらの方が大きいとは思いますが、2007年に公開された「スリーハンドレッド」の中国版といったイメージでした。

とくに戦闘シーンの迫力は娯楽作品としては一級ですが、武将の活躍するシーンは一人づつ大見得を切らせる歌舞伎的手法で笑わせてくれました。2時間15分という上映時間の割には無駄な部分も多く、なんでサッカーシーンなんかがあるのか疑問です。この時代には弾むようなサッカーボールがある訳じゃないのに・・・・
この手の作品は人物関係がきっちり理解出来ないと混乱するばかりですが、日本版はその辺をきっちり解説した部分が挿入されているので理解の助けにはなるでしょう。でお勉強のつもりで下は当時の勢力地図です。

諸葛亮が仕えた蜀は一番辺境の地に位置した小国だったんですね。歴史物はその時代背景をきちっと理解していないと分かりにくい部分がありますから、この映画は三国志を少しかじっておいた方がいいかもしれません。そうしないとこの映画の台詞で理解出来ないところがかなり出てきてしまいます。映画の冒頭は曹操の軍に追われて劉備たちが敗走していくシーンから始まります。何だ負け戦かと思わせるシーンで戸惑ってしまいます。しかし、これは「赤壁の戦い」に備えるための一時退避的な行動なのですがここら辺が説明されていないとやや分かりにくいところです。

諸葛亮と周瑜か楽器を演奏してその音楽からお互いのいいたいことを理解する件は見事な演出ですが、その後二人の会話でいつかは戦うことになることを暗示した場面が出てきますが、これなぞは歴史を理解していないと何のこっちゃ分からん部分です。三国時代は敵味方がお互いにくっついたり離れたりということを繰り返すのが常ですから、今の盟友が次には敵同士になることもある訳で、このシーンはそのことを暗示している訳です。

また、周瑜が柳眉の元和訪ねた時、劉備はわらじを作っています。まあ、このシーンは笑ってしまいますがここにも蜀を賛美する姿勢が伺えますね。一国の皇帝(この時はまだ皇帝ではありませんが)がわらじを編んでいるのですよ。しかし、周瑜はそのわらをとり一本では引っ張ると千切れてしまうのですがそれを束ねたものを手にし、今度は引っ張っても千切れないことを見せつけます。まあ、日本でいえば毛利元就の三本の矢のシーンと同じなのですが。やや安っぽい展開で笑えます。しかし、見ている人には非常に分かりやすい演出で、同盟の大切さが即座に理解出来ます。

予告編では鳩が船団の上を俯瞰的に飛んでいくシーンが出てきますが、これは本編でじっくり見ると素晴らしい効果を上げていることが分かります。このシーンはCGを使っているのですが赤壁の戦いの壮大さを象徴するような場面でこの映画のスケールの壮大さをまざまざと見せつけてくれます。「トロイ」での船団のシーンを凌ぐ迫力です。
さて、第1部ではこの「赤壁の戦い」の前哨戦ともいうべき戦闘シーンまでしか描かれていません。むしろ見所は第2部にあると言っても過言ではない映画の作り方です。現在でもこの作品は上映されていますが、こういう展開なら2月には上映を打ち切ってさっさとTV放映し4月の第2部へのつなぎとした方が効果的なのではないでしょうか。しばらく前に、邦画の「デス・ノート」がとった戦略ですな。通常だと、第1部が良くても第2部になるとこける作品が多い中で「デス・ノート」は第2部の方が興高収入が良かったという成績を残しています。とくに、この作品ヒットはしていますが、第1部でがっかりしたという反応がえらく多いのにはびっくりしました。とくに男性の観客にその傾向が多いということは、三国志なりのゲームでこの世界を知っている人たちが赤壁の戦いを期待していたのにそこまで至っていないという第1部の描き方に不満を持っているということと、アクションシーンは結構あるけれどもやや冗長な描写に失望した人がいるのではないでしょうか。

それでも、この作品三国志のさわりを理解するには申し分のない作品といえるでしょう。よく理解したい人にはぜひとも吹替え版をご覧になることをお進めします。難しい漢字は解説だけでじっくりと鑑賞することが出来ますから・・・
さて、この映画突出したスターは一人も出てきませんね。確かに主人公ともいうべき周瑜にはトニー・レオン、諸葛亮には金城武と配されてはいますが、世界市場を狙える俳優ではありません。それで、これだけの成績を上げるのですから「スター・ウォーズ」の再来といえるでしょう。この点はジョン・ウーの力量といえるのではないでしょうか。個人的には周瑜演ずるトニー・レオンなんかは内村光良に見えてしょうがなかったんですけどね。

その第2部が今日1月8日から中国では公開です。さて、どういう結果が出ますやら・・・下はその予告編です。
12月10日に興行収入42億円を突破して、アジア映画の国内最高成績を記録した『レッドクリフ PartⅠ』だが、このほど同作を含むアジア映画の国内歴代興収の上位10本がまとまった。 1位『レッドクリフ』(48~50億予想) 2位『HERO』(40億3000万円) 3位『ラストエンペラー』(40億円) 4位『少林寺』(33億円) 5位『私の頭の中の消しゴム』(30億円) 6位『燃えよドラゴン』(29億円) 7位『四月の雪』(27億円) 8位『プロジェクトA』(26億円) 9位『死亡遊戯』(24億円) 10位『LOVERS』(22億円) といった作品が並ぶ(すべて興収計算。製作的に見て、米国主導の作品なども含む)。 ブルース・リー、リー・リンチェイ(ジェット・リー)、ジャッキー・チェンから、少し前の韓国映画ブームを経て、アジア各国合作の『レッドクリフ』に至る作品群は、まるで70年代から現在までのアジア映画の変遷そのもの。カンフーもののスター映画から、ラブロマンスものの“韓流”映画を経て今回、『レッドクリフ』という中国の古典を今日的なCG映像を駆使して製作された群像スペクタクル大作が人気を得る。俳優陣も、かつてのように1人のスターが突出していないのが、新しい傾向と言えようか。----バラエティジャパン12/11よりhttp://calgot.net/fla/valen.swf
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