ハンコック | geezenstacの森

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ハンコック
       
原題 Hancock
上映時間 1時間32分
製作国 アメリカ ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
初公開年月 2008/08/30
ジャンル

スタッフ
監督:ピーター・バーグ
脚本:ビンセント・ノー、ビンス・ギリガン
製作総指揮:イアン・ブライス、ジョナサン・モストウ、リチャード・サパースタイン
製作:アキバ・ゴールズマン、マイケル・マン、ウィル・スミス、ジェームズ・ラシター
撮影:トラビス・シュリッスラー
音楽:ジョン・パウエル
美術:ニール・スピサック
視覚効果:ジョン・ダイクストラ

出演
ウィル・スミス       ジョン・ハンコック
シャーリーズ・セロン    メアリー・エンブリー
ジェイソン・ベイトマン   レイ・エンブリー
エディ・マーサン
ジェイ・ヘッド
トーマス・レノン
ジョニー・ガレッキ
ダエグ・フェアーク
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あらすじ
 超人的な力でロサンゼルスで起こる事件や事故を解決するが、同時に街に大損害を与える男・ハンコック。粗暴な性格も相まって市民にも毛嫌いされていた。そんな彼に命を助けられたPR会社の社員・レイは、ハンコックのイメージ回復作戦に乗り出す。彼を刑務所に入れて罪を償わせた上で、正義のヒーローとして復活させようというのだ。渋々ハンコックは指示に従い刑務所へ。その姿をレイの妻・メアリーは複雑な心境で見ていた。

空を飛び、圧倒的な力を持ち、身体は銃弾を弾き、さらには不老不死。しかし性格は粗暴で周りのことなんかお構いなし! 事件は解決するが街は壊し放題――そんな型破りなヒーローの成長を映したアクション・ドラマ。嫌われ者の男が人々から愛される“真のヒーロー”になるために1つずつ学び、行動していく姿を、ユーモアをたっぷりと織り交ぜながら描いていく。主人公のハンコックを演じたウィル・スミスは、傍若無人な振る舞いの中にどこか哀愁を漂わせた演技を披露。その周囲をシャーリーズ・セロン、ジェイソン・ベイトマンらが固める。監督は『キングダム/見えざる敵』のピーター・バーグが務めた。

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 現在公開中の映画「ハンコック」です。個人的には「アイ・アム・レジェンド」よりは面白かったというのが最初の印象です。何よりも、歓迎されないヒーローという設定に興味を引かれました。ハチャメチャな行動で事件は解決するのですが、それ以上に街を破壊してしまうというハチャメチャな行動が玉にきずの主人公、ハンコック。その彼が踏切で立ち往生したPR会社のセールスマン、レイと出会うところからこの物語は進展していきます。

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 まずはハンコックに反省の弁を述べさせ、進んで刑務所に入ることを提案します。ヒーローらしいボディスーツを用意し、警官の労をねぎらう「グッドジョブ」なるセリフを教え、すっかり地に堕ちた彼の印象を改善していきます。そう、結局のところヒーローに大切なのは、好感を抱かせる「イメージ」なのです!このイメージ戦略が功を奏し、ロサンゼルス市警察は彼の助けを借りるために彼を刑務所から呼び戻します。 

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 でも、そういうイメージチェンジを計っている間に、ストーリーの後半のポイントとなる出来事が進展しています。それは見てのお楽しみですが、前半のコメディタッチのストーリーが後半はシリアスタッチに変わり、ハンコックの出生の秘密が明らかになりますし、何よりもレイの妻であるメアリーの存在がクローズアップされていきます。

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 アメリカ映画の典型といえる悪人の設定で、人質を取って銀行強盗を謀る悪役たちの逮捕がきっかけでヒーローになるハンコックですが、その悪人たちはいつの間にか脱走して超能力の不死身な身体を失って入院したところをまた彼らが復讐に訪れるという展開になります。ここのところで、ハンコックらの能力が何かに左右されているということが解るのですが、その境界線というものは案外曖昧になっています。

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 結局ハンコックは記憶喪失で自分の過去を失っていますが、その過去を知るにつけて複雑な人間関係が露になってきます。そして、ハンコックというのも本当の名前でないことが分かります。が、ついに最後まで本当の名前は明らかにされていません。まあ、そうなったらタイトルが変わってしまうことになりますからね。この過去の説明、とりあえずは筋は通っているのですが現実の行動とは合致していません。一緒にいても超能力は発揮出来るシーンではとてつもない大暴れをしますし、そうとは言ってはなれていてもハンコックは怪力はあるものの不死身な身体は失っていて拳銃で撃たれて負傷してしまうのです。こういう未整理の部分はありますが、とりあえずはハッピイエンドの形でストーリーは終結し、ハンコックはすべてを受け入れて立ち去っていきます。

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 この映画の一つの見所はレイの奥さんを演じるシャーリーズ・セロンの存在です。前半登場するシーンのチャーミングなこと。それが後半になるとメイクの違いのせいでまるで別人のような存在となります。今年は6月に公開された「告発の時」でもトミーリー・ジョーンズを向こうに回して光る演技を見せていました。

 こういう展開ですとこの作品シリーズ化が見えてきます。スパイターマンがやや頭打ちですから、ソニーとしてはこの「ハンコック」のシリーズ化を狙っていくのではないでしょうか。このキャラクターは版権の絡みも無いのでソニーの自由になりますからね。

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イメージ 9 さて、音楽はジョン・パウエルが担当しています。今年公開されている作品では「ジャンパー」、「カンフー・パンダ」「ホートン不思議な世界のダレダーレ」と絶好調の活躍です。ここでも、シンフォニックなスコアをパワフルなサウンドで聴かせてくれます。タイトルバックで流れるカントリー風な曲といい、刑務所にに入った時のロック調の曲、そしてシリアスな曲まで幅広い音楽が水準以上です。こりゃあもう楽しむしかないです。