クリーンのシューベルト
曲目/シューベルト
CD1
ピアノ・ソナタ第19番ハ短調 D.958
1. Moderato 8:12
2. Andante, Poco Mosso 7:36
3. Scherzo, 4:30
4. Rondo, Allegro Vivance 10:10
ピアノ・ソナタ第18番ト長調 D.894
5. Allegro Ma Non Troppo 11:27
6. Andante 7:41
7. Scherzo - Allegretto 4:07
8. Allegro Giusto 9:17
ピアノ・ソナタ第6番ホ短調 D.566
9. Moderato 7:04
10.. Andante 8:28
CD2
ピアノ・ソナタ第16番イ短調 D.845
1. Moderato 9:00
2. Andante, poco mosso 9:07
3. Scherzo: Allegro vivace 6:47
4. Rondo: Allegro vivace 5:32
ピアノ・ソナタ第9番ロ長調 D.575
5. Allegro ma non tropp 7:51
6. Andante 5:42
7. Scherzo: Allegretto 5:15
8. Allegro giusto 5:40
ピアノ・ソナタ第15番ハ長調「レ・リーク」 D.840
9. Moderato 15:18
10. Andante 7:58
ピアノ・ソナタ第16番イ短調 D.845
1. Moderato 9:00
2. Andante, poco mosso 9:07
3. Scherzo: Allegro vivace 6:47
4. Rondo: Allegro vivace 5:32
ピアノ・ソナタ第9番ロ長調 D.575
5. Allegro ma non tropp 7:51
6. Andante 5:42
7. Scherzo: Allegretto 5:15
8. Allegro giusto 5:40
ピアノ・ソナタ第15番ハ長調「レ・リーク」 D.840
9. Moderato 15:18
10. Andante 7:58
ピアノ/ワルター・クリーン
VOX VOXBOX CDX5173

昨年暮に、先日紹介したソニーBMGのベートーヴェンコンプレート・マスターピースとともに購入しました。在庫がたくさんありそうなHMVでしたが小生が注文した後は在庫切れになっていました。注文するときも、最初第16番で検索しましたが上手く行かず結局D.番号で探しました。シューベルトのソナタは順番であまり呼ばないらしく、D.(ドイッチュ)○○○で呼ぶので分かりにくいところがあります。交響曲も番号が変わるし不思議な作曲家です。イ短調のソナタは何曲かあるのですがこれはD.845でした。レコードでも持っていると思ったのですがこの曲はエアーポケットで1枚もありませんでした。CDではブレンデルの物で15,18,19,20,21とあるのですが抜けていました。あんまりメジャーな曲ではないようですが最近は売れているんでしょうか、のだめの影響を実感しました。このCDはクリーンの全集の中の第1巻です。3巻に別れてはいますが、VOX御得意の手抜きで解説書は3巻共通の物を使用しています。第1巻には6曲のソナタが収録されていますがやはり、今時のメインは第16番でしょう。なを、第15番は4楽章版による演奏者もいるようですがクリーンはここでは未完の部分は切り捨て2楽章のみを演奏しています。
のだめカンタービレでのだめが予選で弾いたシューベルトのピアノソナタが第16番D.845。テレビのドラマでは後半で何度も出てきました。そして、スペシャルでもオクレール先生のリクエストで演奏した曲でもありますね。フラッシュバックでこんなシーンも流れました。
のだめが「シューベルトはなかなか話してくれません。」
と千秋にメールして
「少しは人の話も聞け」と返信されて一生懸命楽譜の指示を再現しようとするところでした。
のだめが「シューベルトはなかなか話してくれません。」
と千秋にメールして
「少しは人の話も聞け」と返信されて一生懸命楽譜の指示を再現しようとするところでした。
調べてみると、シューベルトのピアノソナタは20曲以上あるのに生前世に出たのは3曲。このD.845はそのうちの1曲だそうです。
お蔵入りが多いのは恵まれなかったのか、自分が弾くために書いたからなのか。未完の15番のソナタの直後、わずか2週間程で書き上げられた曲ということです。数多くのピアノ・ソナタを作曲しましたが、この作品は作曲された1825年5月からわずか1年足らずという異例の早さで、このジャンルにおける初の出版作品となっています。献呈は、ベートーヴェンのパトロンとしても有名なルドルフ大公です。この年、シューベルトは未完も含めて3曲のピアノ・ソナタ(第15~17番)を生み出しました。これまでのシューベルトのピアノ・ソナタでは、しばしば3楽章のものが見られますが、このソナタ以降は一貫して4楽章制をとるようになっています。
お蔵入りが多いのは恵まれなかったのか、自分が弾くために書いたからなのか。未完の15番のソナタの直後、わずか2週間程で書き上げられた曲ということです。数多くのピアノ・ソナタを作曲しましたが、この作品は作曲された1825年5月からわずか1年足らずという異例の早さで、このジャンルにおける初の出版作品となっています。献呈は、ベートーヴェンのパトロンとしても有名なルドルフ大公です。この年、シューベルトは未完も含めて3曲のピアノ・ソナタ(第15~17番)を生み出しました。これまでのシューベルトのピアノ・ソナタでは、しばしば3楽章のものが見られますが、このソナタ以降は一貫して4楽章制をとるようになっています。
第1楽章
Moderato、2分の2拍子。イ短調。ソナタ形式。両手の斉唱で開始し、このユニゾンは楽章全体を覆っています。シューベルトのピアノ・ソナタは親しみやすいメロディがあまり無いので敬遠していたところがあるのですが、のだめのドラマで繰り返しこの曲の第1楽章の冒頭を聴かされると刷り込み状態になってしまいました。幻想的でちょっと哲学的イメージを持った冒頭主題の「問いと答え」の展開はこの曲の聴き所です。クリーンのこの演奏はのだめの演奏?ほどの深遠さはありませんが、全体のバランスを考えた的確なテンポでイ短調独特の悲しい旋律を表現しています。最初の動機(3小節目の最初まで)とそれを受ける第2動機の和音の右手最下音の対称性が面白いですね。なにか交響曲的な響きと展開で管弦楽用の草稿のような重厚な調べです。

第2楽章
Andante con moto、8分の3拍子。ハ長調。変奏曲形式。途中に遠隔調変イ長調の音階進行による変奏を入れていてロマン派作家の特徴を出しています。
Andante con moto、8分の3拍子。ハ長調。変奏曲形式。途中に遠隔調変イ長調の音階進行による変奏を入れていてロマン派作家の特徴を出しています。
第3楽章
Allegro vivace、4分の3拍子。イ短調-トリオのみヘ長調。スケルツォ。スケルツォなんですが、なんかこの楽章で終わりそうな展開の調べです。
Allegro vivace、4分の3拍子。イ短調-トリオのみヘ長調。スケルツォ。スケルツォなんですが、なんかこの楽章で終わりそうな展開の調べです。
第4楽章
Allegro vivace、4分の2拍子。イ短調。ロンド形式。複雑な展開でまとまりに欠ける印象がありますが、曲の最後に第1楽章の動機が現れ加速して終わるのでようやく最終楽章という気がします。
Allegro vivace、4分の2拍子。イ短調。ロンド形式。複雑な展開でまとまりに欠ける印象がありますが、曲の最後に第1楽章の動機が現れ加速して終わるのでようやく最終楽章という気がします。
本当は全曲聴き込んでから紹介したかったのですが、16番以外は理解不足で印象がまとまりません。シューベルトはやはり気難しいのかも分かりません。