VOXのドヴォルザーク
曲目/トヴォルザーク
チェロ協奏曲ロ短調Op.104
1.allegro 14:13
2.adagio ma non troppo 10:36
3.allegro moderato 12:12
4.Silent Woods, Op. 68 For Cello And Orchestra 5:01
5.Rondo In G Minor, Op. 94 For Cello And Orchestra 6:14
6.Romance In F Minor, Op. 11 For Violin And Orchestra 9:56
7.Mazurek In E. Monor, Op. 49 For Violin And Orchestra 5:37
8.Slavonic Dances 変イ長調Op.46-3 4:34
9.Slavonic Dances ホ短調Op.72-2 5:10
10.Slavonic Dances ト短調op.46-8 3:46
交響曲第9番ホ短調Op..95「新世界から」
11.. Adagio - Allegro Molto 9:31
12. Largo 12:27
13. Scherzo: Molto Vivace 8:39
14. Allegro Con Fuoco 11:03
弦楽セレナーデホ長調Op.22
15. Moderato 4:29
16. Tempo Di Valse 6:39
17. Scherzo 5:21
18. Larghetto 5:14
19. Finale: Allegro Vivace 5:53
チェロ協奏曲ロ短調Op.104
1.allegro 14:13
2.adagio ma non troppo 10:36
3.allegro moderato 12:12
4.Silent Woods, Op. 68 For Cello And Orchestra 5:01
5.Rondo In G Minor, Op. 94 For Cello And Orchestra 6:14
6.Romance In F Minor, Op. 11 For Violin And Orchestra 9:56
7.Mazurek In E. Monor, Op. 49 For Violin And Orchestra 5:37
8.Slavonic Dances 変イ長調Op.46-3 4:34
9.Slavonic Dances ホ短調Op.72-2 5:10
10.Slavonic Dances ト短調op.46-8 3:46
交響曲第9番ホ短調Op..95「新世界から」
11.. Adagio - Allegro Molto 9:31
12. Largo 12:27
13. Scherzo: Molto Vivace 8:39
14. Allegro Con Fuoco 11:03
弦楽セレナーデホ長調Op.22
15. Moderato 4:29
16. Tempo Di Valse 6:39
17. Scherzo 5:21
18. Larghetto 5:14
19. Finale: Allegro Vivace 5:53
チェロ/ザラ・ネルソヴァ 1-5
ヴァイオリン ルジェーロ・リッチ 6-7
ヴァイオリン ルジェーロ・リッチ 6-7
指揮/ワルター・ジュスキンド 1-7
アンタル・ドラティ 8-10
ハインリッヒ・ホルライザー 11-14
パウル・アンゲラー 15-19
演奏/セントルイス交響楽団 1-7
バンベルク交響楽団 8-14
南西ドイツ室内管弦楽団 15-19
録音 1963 11-14
アンタル・ドラティ 8-10
ハインリッヒ・ホルライザー 11-14
パウル・アンゲラー 15-19
演奏/セントルイス交響楽団 1-7
バンベルク交響楽団 8-14
南西ドイツ室内管弦楽団 15-19
録音 1963 11-14
1972 15-19
VOX SPJ90103

2002年に発売されたVOXの「DOUBLEMASTER」シリーズの1枚ですが、既にVOXのカタログからは消えています。ジャケットはVOXらしからぬ凄いシンプルなデザインで逆に目立ちました。まあ、同じような内容の2枚組のCDがBrilliantから発売されているので問題は無いようですが・・・もともとBrilliantから出ているものはVOXからLPでは3枚組で出ていたものが2枚組担っているのでお買い得です。
ただ、このVOXの2枚組は内容はかなり違います。オリジナルが独奏楽器のための協奏曲、管弦楽曲集という形ででていたものが、このCDでは1枚目にそれらしい内容のものに、2枚目は通俗名曲をカップリングしています。ただし、このソースがマイナーながら興味深いものだったのでついつい買い込んでしまいました。
先ずは2枚目から。ドヴォルザークといえば「新世界から」なんでしょうが、このホルライザーの新世界はちょっと異質です。CDには録音年月日の表示がありませんが多分LP初期の録音でしょう。音はステレオですが金管楽器がまるで風呂場で聴いているような音がします。録音日時がバラバラなのか音場が楽章毎に変化しします。第3楽章はティンパニの響きがクリアに捉えられていて聴き応えがありますが第4楽章になるとへろへろです。また、マスターテープの状態が良くないのか所々ドロップアウトして、まるでワウフラッターのあるブレーヤーでLPを聴いているような感覚になる箇所があります。まあ、懐かしいと言えばそうなんでしょうが。演奏はなかなか堅実です。第2楽章なんかはじっくりオーケストラを歌わせていい味出しています。第3楽章もメリハリのある演奏でバンベルク交響楽団から聴き応えのある響きを引き出しています。この演奏を聴いて、カイルベルトの新世界を思い出しました。ホルライザーは1913年生まれのドイツの生まれで、ウィーンやベルリンでオペラ指揮者として長年活躍した人で日本にもたびたび来日していました。ま、些か録音に難はありますが、バンベルク交響楽団をこれほどドライブして燃えたぎらせている手腕はたいしたものです。これで録音が良ければ言う事なしですがね。続いては、アンゲラーによる弦楽セレナーデです。一応1972年の録音ということになっていますが音は芳しくありません。アンゲラーは小編成のオケをよく振って録音していました。ウィーン響のヴィオラ添え者をやっていた人でこれもそんな中の一枚です。オケの方は、古代ローマ時代から温泉保養地として知られるドイツ南西部の都市バーデン・バーデンに本拠地を置く放送局に所属しているオーケストラです。第二次世界大戦直後の1946年に設立され、初代の常任指揮者はゴットホルト・エプライム・レッシンクが2年間務めました。次に1948年に迎えたハンス・ロスバウトが他界する1962年まで常任のポストで見事な指導力を発揮しめきめきと実力を伸ばしました。アンゲラーは1972年からこのオケの音楽監督をしていました。ですから、この録音は就任直後の録音ということが出来ます。端正な音作りですが録音が冴えないので音がやせ細って聞こえるのが残念です。この演奏はMENBRENのQUADROMANIAに収録されているので聴く機会もあるかも知れません。
さて、ザラ・ネルソヴァのチェロによる協奏曲は聴き応えがあります。サポートも本場チェコ出身の指揮者ワルター・ジュスキントですから申し分ありません。VOXから発売されていたときはQS4チャンネル録音で出ていましたから録音は優秀です。セントルイス交響楽団の音楽監督を1968-1975年に渡って務めていました。多分1970年代に入ってからの録音だと思われます。チェコ出身の指揮者にしてはドヴォルザークの録音は多くはないようです。交響曲の録音は検索しても見つかりませんでした。ここでも合わせ物に徹しています。チェロのザラ・ネルソヴァは女流チェリストです。若かりし頃の録音はデッカから発売されていますがステレオでの録音は少ないようです。しっかりした技術の持ち主だということはここでの曲目を聴いても明瞭です。非常にエネルギッシュな演奏で、ドヴォルザークはジュスキントの速いテンポにもきっちり合わせてチェロを朗々と響かせてスケールの大きなドヴォルザークの世界を表現しています。彼女の代表作と言ってもいいのではないでしょうか。普段はあまり聴けない「森の静けさ」とロンドト短調か収録されているのもマニアックで嬉しいものです。こちらもやや速めのテンポで軽快に弾き込んでいます。
残念ながらルジェーロ・リッチの演奏は協奏曲はカットされてヴァイオリンの小曲が2曲の収録ですが、これも普段あまり耳にする事は無い作品ですから貴重です。マズレックの方は哀愁のある魅力的な旋律が素敵です。リッチのヴァイオリンは気品があり華があります。テクニックは抜群ですからここでも楽しんでこれらの曲を弾いています。
最後はたった3曲ですがドラティ指揮バンベルク交響楽団の演奏でドヴォルザークのスラヴ舞曲が3曲収録されています。バンベルク交響楽団はその生い立ちがチェコですからまさにお国物ということでしょうか。ドラティはスラヴ舞曲を何回も録音していますが、このバンベルクとの録音も捨て難いものがあります。非常に覇気のある演奏でこの曲を十八番にしていた事が伺い知れます。
今は処分してしまいましたがVOXのこれらの協奏曲を録音したLPは黒いボックスに入り解説もしっかりとしたものでした。処分が悔やまれます。