チャイコフスキー
1.ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
2.イタリア奇想曲
3.フランチェスカ・ダ・リミニ*
1.ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
2.イタリア奇想曲
3.フランチェスカ・ダ・リミニ*
ヴァイオリン/ウラディミール・スピヴァコフ
指揮/小澤征爾
演奏/フィルハーモニア管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団*
録音 1981/04/27-28 アビー・ロード・スタジオ,ロンドン
1984/06/20-21* フィルハーモニー・ホール,ベルリン
P:J.ウィラン、J.ブレーザー*
E:J.カーランダー
指揮/小澤征爾
演奏/フィルハーモニア管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団*
録音 1981/04/27-28 アビー・ロード・スタジオ,ロンドン
1984/06/20-21* フィルハーモニー・ホール,ベルリン
P:J.ウィラン、J.ブレーザー*
E:J.カーランダー
英EMI CDE7 67790 2

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲2度目の録音は、EMIによってデジタルでなされました。でも、音はあんまり良くありません。いつものEMIサウンドで、そつのない録音ですが低域が不足しています。
ここでは小澤は伴奏に徹しています。この当時スピウァコフは、まだヴァイオリニストのウェイトが高かったのですが、自らも指揮者をしていたのでそれに遠慮したのかもしれません。ここではチャイコフスキーコンクールでクレーメルに敗れた後遺症は感じられません。生きのいいチャイコフスキーを聴かせてくれます。小澤もサポートに徹して、無理に前へ出ようとはしていません。そういう意味では小澤を聴こうとすると失望するのですがも協奏曲としての楽しみ方は充分出来ます。
スピウァコフはそんな伴奏に乗って実に伸び伸びと弾きあげています。さすがお国ものという感じで美音たっぶりに自分のペース、テンポで一気呵成に突き進んでいきます。せかせかした所も無く、十二分にチャイコフスキー節を響かせます。まあ、2度目の録音ということでゆとりもあるんでしょうね。
併録の「イタリア奇想曲」もバランスのあまりよくない録音で高音がぎらつき低音不足という中での演奏になっています。小澤はこの後DGに同曲をベルリンフィルと録音しています。とるならそちらの方がいいでしょうね。3曲目の「フランチェスカ・ダ・リミニ」は好演ですが、曲が曲だけに退屈です。
チャイコフスキーって名作と駄作のギャップが結構ありますね。多分、チャイコフスキーの管弦楽曲全集なんてのはどこのレコード会社もやってないのではないでしょうか。以前、VOXがそれなりの企画で録音していましたがとても、全曲には至らなかったと思います。まあ、勢いでやってくれそうなのは今ならNAXOSぐらいでしょうか。
ということで、この録音はスピウァコフを聴くもので小澤に期待してはいけないようです。