福村博/ホット・ショット
曲目
1. Heel Strike
2. Waste Time
3. The Only One For Me
4. Manhattan Twilight
5. Hot Shot
6. Beat City
7. Dreaming Street
8. Ocean Magic
パーソネル
福村博 HIROSHI FUKUMURA : trombone
Steve Ferrone : drums
Anthony Jackson : bass
Barry Finnerty : guitars, keyboards
Kenny Kirkland : keyboards
Mark Gray : keyboards on 8
Sammy Figueroa : percussion on 4,8
Sybil Thomas : lead vocal on 3
P: 福村博,バリー・フィナティ
E: ジュリアン・マクブラウン
録音 1984/10
プラネット・サウンド,ニューヨーク
MORNING, BM32-2

アポロン音楽工業のモーニング・レーベル第1弾として発売されたディスクです。ジャケットの帯には「ジャズ・ポツプ」という分類がしてあります。まあ、早い話がフュージョン・ミュージックですが当時の表現でいう「クロス・オーバー・ミュージック」の方が近い感覚です。実はこのアルバム、ナベサダのモーニングアイランドと同じMDにダビングして車の中で聴いていたので、その続きで紹介しようと思っていたのですが、肝心のディスクが行方不明だったのでお蔵入りしていました。今回整理したらサントラ盤の中に混ざっていたのを発見し、めでたく紹介とあい成りました。
一時渡辺貞夫のクインテットに在籍したり、「ネイティブサン」でも活躍していたのでご存知の方も多いと思います。モーニングアイランドと同一のMDに録音して聴いていても全く違和感がありません。まあ、MDは74分が標準で一部カットして持ち歩いていましたので、たとえば3曲目のボーカルの入っているナンバーなどは今回改めてCDで聴いた次第です。
1曲目の「ヒール・ストライク」からご機嫌なサウンドです。親しみやすいテーマで福村のトロンボーンが軽快に吹き捲くり、続いてバリーのギター・ソロへと引き継がれます。2曲目もファンキーな曲でエレピアノのクラヴィア・サウンドに乗って始まり、アンソニーの特注の6弦エレキベースのいかすリズムにトロンボーンとギターのソロが絡みます。
3曲目は唯一のボーカルナンバーでシビル・トーマスがバラードを歌い上げます。当時のフュージョン系のアルバムには必ず1曲ボーカルナンバーが含まれていて何か違和感を覚えた感じがしました。ボブ・ジェームスしかり、ジョージ・ベンソンしかりで・・・何かお約束事でもあったのでしょうかね。次の「マンハッタン・トワイラスト」はゆったりした8ビートの佳曲で哀愁のメロディがマンハッタンをクルージングしている雰囲気にさせてくれます。全編トロンボーンがフューチャーされていてご機嫌なナンバーに仕上がっています。
タイトル曲の「ホット・ショット」は一番ジャズっぽい曲で、トロンボーンのグリッスダウンがいい感じを出しています。間合いに入る手拍子も楽しく、乗り乗りでステージ向きの曲に仕上がってます。
6、8曲はトロピカルムードに乗ったサウンドで、6では中間で弾かれるマリンバのサウンドがいっそう南国ムードを醸し出します。8はまるでボブ・ジェームスのサウンドを聴いているかのようなアレンジでカリプソサウンドが展開します。MDではモーニングアイランドの次にこの曲をトップに持ってきて繋いでいました。まさに南国気分満点です。
7はバラードでトロンボーンがまさにドリーミングな感じを良く出しています。うーん、アルバムはこの曲を最後に持ってきた方がしまったような気がするなあ。と思ったのは小生だけでしょうか。なを、このアルバムは全曲福村博のオリジナル作品です。
余談ですが、一時名古屋フィルハーモニー交響楽団の常任指揮者をしていた福村芳一は兄にあたります。今は東南アジアを拠点に活躍しています。