ベートーヴェン/交響曲第7番 /プロムシュテット | geezenstacの森

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ベートーヴェン「交響曲第7番」

ブムシュテット/ドレスデン・シュターッカペレ


 

 この交響曲はかなり以前ですが、ショーン・コネリーの主演した「未来惑星ザルドス」に使われてからメジャーに躍り出たと記憶しています。使われていたのは第2楽章の「アレグレット」、まあ。この楽章は初演のときにも評判が良かったということでアンコールされていますので、今も昔も人の心をとらえるメロディを含んでいるのでしょうね。俗に「不滅のアレグレット」と称されています。

 

 ディスクとしては単体でこの曲をということで購入することはあまり無いので、勢い全集がたまってしまいます。手元にあるのだけでも以下のものが見つかりました。

 

・岩城宏之/NHK交響楽団 DENON/コロンビア
・ブルーノ・ワルター/コロンビア交響楽団 SONY
・ロジャー・ノーリントン/ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ EMI
・ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 DGG
・オットー・クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団 EMI
・ハンス・シュミット・イッセルシュテット/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 DECCA
・フランツ・コンヴィチュニー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 EDEL
・オイゲン・ヨッフム/ロンドン交響楽団 EMI
・ヘルベルト・ケーゲル/ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 DELTA
・ロン・グッドマン/ハノーヴァー・バンド NIMBUS
・アルトゥーロ・トスカニーニ/NBC交響楽団 RCA
・エーリッヒ・ラインスドルフ/ボストン交響楽団 RCA
・ヘルベルト・ブロムシユテット/ドレスデン・シュターツカペレ BRILLIANT
・クリストファー・ホグウッド/エンシェント室内管弦楽団 オワゾーリル
・ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団

 

 この他に、単品で、フルトヴェングラー、ストコフスキー、クライバーなどが見つかりました。その中から今日の一枚として選んだのは「プロムシュテット/ドレスデン・シュターツかペレ」です。どっしりとした安定感のある演奏で、ドイツ伝統のいぶし銀のような音色が第7の魅力を引き立てます。そう言えば、以前紹介したDVDの交響曲全集にはクライバーの演奏を収めていましたが、その日の気分によってチョイスが変わるものですね。

 

 世間一般ではあまり見向きもされていないようですが、第1楽章は緊張感なのある堅牢な演奏です。注目の第2楽章も弦のアンサンブルが見事で、やや多めのスラーをかけたイントロのリズムは好きです。バランスをコントロールされたフルートが見事で美しく響き夢見心地の世界へ誘ってくれます。

 

 第3楽章、一転して明るいブレストで軽快なテンポで突き進みます。第4楽章はティンパニの響きがやや奥に引っ込んでいてちょっと物足りないかなとは思いますが、その分弦のアンサンブルが前面に出てメロディラインがくっきりと描かれています。

 

 昨今のブームで古楽器による演奏が台頭して、伝統的なフル・オーケストラでの演奏が隅に押しやられていますが、なかなか、ベートーヴエンはこうやってフル・オーケストラで聴く演奏にも耐えられる素晴らしい作品だなあと痛感した次第です。

 

 

 

 

 こんな素晴らしい演奏が含まれる全集が2000円を切る価格で販売されているんですからクラシックファンにとってはうれしい時代になったものです。