ジョン・バリーの最高傑作
曲目
1.Main Title {The Lion in Winter}
2.Chinon/Eleanor's Arrival
3.Allons Gai Gai Gai
4.To the Chapel
5.Christmas Wine
6.God Damn You
7.To Rome
8.Herb Garden
9.Eya, Eya, Nova Gaudia
10.How Beautiful You Make Me
11.Media Vita in Morte Sumus (In the Midst of Life We Are in Death)
12.We're Jungle Creatures
2.Chinon/Eleanor's Arrival
3.Allons Gai Gai Gai
4.To the Chapel
5.Christmas Wine
6.God Damn You
7.To Rome
8.Herb Garden
9.Eya, Eya, Nova Gaudia
10.How Beautiful You Make Me
11.Media Vita in Morte Sumus (In the Midst of Life We Are in Death)
12.We're Jungle Creatures
CBS/COLUMBIA OS3250
「スター・ウォーズ」シリーズで、フル・オーケストラ・サウンドが使われて以来、ジョン・ウィリアムズが映画の世界でオーケストラ作品の第1人者のように思われている節がありますが、どっこいフル・オーケストラを使った作曲家は大勢います。古くは、マックス・スタイナー、ミクロス・ローザ、ディミトリー・ティオムキンなどで、最近ではジェームス・ホーマー、ジェリー・ゴールド・スミス。レナート・ローゼンマンなど枚挙にいとまがありません。
そんな中でジョン・バリーはイギリスを代表する重厚なスコアを書く作曲家といえるでしょう。007シリーズで一躍有名になりましたが、その中でも彼はオーケストラを駆使して素晴らしい音楽を書いています。一般に聴かれるジェームス・ボンドのテーマは「モンティ・ノーマン」が書いていますが、「007のテーマ」はジョン・バリーが書いています。これは短い曲ですが、躍動感があり弦のスタッカート気味のメロディに金管が絡みテーマを高らかに演奏します。モンティ・ノーマンのギターによる甘っちょろいテーマより遥かに知的でスリリングです。
ジョン・バリーは50年代の終わりから映画音楽に携わっていますが、ベースをイギリスにおいているためにアメリカのコンポーザーのようにメインストリートには登場しません。そんなところが今ひとつメジャーになれないところなのでしょうが、ちゃんと地に着いたいい仕事を残しています。
小生のお気に入りは。今日の紹介の一枚の「冬のライオン」、そして、アカデミー主題歌賞を取った「野生のエルザ」を初め「真夜中のカウボーイ」「愛と悲しみの果て」「チャーリー」「ダンス・ウィズ・ウルブス」なんかがあります。そうそう、ブルース・リーの主演した「死亡遊戯」なんてのもありましたね。「ブラック・ホール」でも重厚なオーケストラサウンドのスコアを書いていました。
その中でも、この「冬のライオン」は最高傑作です。歴史物というスタンスの中で中世的なイメージを見事に表現し、コーラスをうまく取り込んでスケール感を出しています。今でもドキュメンタリーの歴史物の作品の中や旅行番組の中でこの「冬のライオン」のテーマがよく使われています。
テーマ曲とともに、冒頭の「シノン城/エレーナの到着」なんかは船で城へ向かうシーンの幽玄で幻想的なシーンにぴったりで、オーケストラと女声コーラスが神秘的な響きでこれから始まる泥臭い人間的なとドラマと好対照をなしています。
この映画は好きで、映像ではレーザーディスク、DVDで、サウンドではLPの国内盤、輸入盤と集めましたが肝心なCDは未だにゲットできていないのが残念です。というのも、ジョン・バリーのコンピュレーションアルバムは数々持っているのですが、この「冬のライオン」の重厚なオリジナル・サウンドはこのアルバムでしか聴けないのです。他のジョン・バリー・オーケストラによる演奏ではテーマをオルガンなんかでごまかしていて重厚さは無くなってしまっているからです。