出版社: 新潮社 ; ISBN: 4103935014 ; (1993/08)
忘れもしない1992年9月13日、第1回サイトウ・キネン・オーケストラのオーケストラコンサートが開かれた長野県松本文化会館にいました。当時は長野県に転勤していて幸運にもこのフェスティバルのチケットを手に入れることが出来ました。このときはインターネットなぞもまだ普及していなくてチケットは窓口発売が主で、朝早くから長野文化会館に並びました。松本の方はずいぶんと並んだそうですが長野は6時頃に並んで50番目ぐらいだったと記憶しています。 ということでオペラのチケットとコンサートのチケットを購入することができました。そのオーケストラコンサートがこの本のタイトルとなっているコンサートだったのです。記念すべき第1回のサイトウ・キネンの演奏会はNHKテレビでも放映されましたが感動のコンサートは初日のコンサートではなくこの13日のことだったのです。
感動は最後に演奏されたブラームスの交響曲第1番の第4楽章で起こりました。緩やかな序奏に続く主部が始まりやがて第2主題が提示されだんだん高揚していく弦楽合奏のあと再現部に入り、弦がうねるようにベートーヴェンの第9の歓喜の主題に似た旋律を奏し始めた時に、全身が鳥肌が立ったようにゾクゾクとしてきたのです。音楽のハーモニーに合わせて体中の細胞が音楽と共鳴しているかのようでした。こういう体験は後にも先にも初めてで、一緒に行った友人も同様だったし、小沢幹雄氏もこの本で同じような感想を述べています。まさに感動のコンサートで、普段のレコードやCDでは絶対体験することの出来ない演奏会となりました。
この本はその感動のフィナーレまでのサイトウキネンの歩みを綴っています。以下は目次です。
この本はその感動のフィナーレまでのサイトウキネンの歩みを綴っています。以下は目次です。
松本にブラームスが流れた日
奇跡のオーケストラが生まれるまで
師の面影―教え子たちの回想
サイトウ・キネン・オーケストラ―ヨーロッパ、アメリカ公演
松本への第一歩
’92サイトウ・キネン・フェスティバル松本―夏の「合宿」
フェスティバル松本・開幕
フェスティバルは終った
サイトウ・キネン・オーケストラの明日
奇跡のオーケストラが生まれるまで
師の面影―教え子たちの回想
サイトウ・キネン・オーケストラ―ヨーロッパ、アメリカ公演
松本への第一歩
’92サイトウ・キネン・フェスティバル松本―夏の「合宿」
フェスティバル松本・開幕
フェスティバルは終った
サイトウ・キネン・オーケストラの明日
絶版になって久しいのでブックオフなんかで探してみてください。