今日の一枚 03/28 カラヤン/バリ管「幻想交響曲」 | geezenstacの森

geezenstacの森

音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

イメージ 1



カラヤン/バリ管「幻想交響曲」


英EMI DVA 4901139 (DVD)

 昨年末ぐらいからNHKで過去の遺産の名園をBSの「クラシック倶楽部」の枠内で放送しています。先日もカラヤン/バリ管の「幻想交響曲」というプログラムが放送されたので録画してみました。カラヤンは1969年にミュンシュの跡を継いで、急遽パリ管の芸術監督になったのでしたがこの組み合わせの商業録音は数点しか残っておらずフランクの交響曲とかチャイコフスキーのピアノ協奏曲、ラヴェルの管弦楽曲集ですべてのはずです。ですからパリ管弦楽団との「幻想交響曲」はこの映像でしか聴くことがて来ません。
 一応カラーの映像なのですが音はモノラルでさすが年代を感じさせます。一連のユニテルの映像作品のようにカラヤン中心のカメラワークでオケはひな壇に並べられたスタジオ録音の作品です。凝った演出でいつものように目を閉じたままの指揮風景は一種ファンタスティックです。さしづめストコフスキーのファンタジアのような感じです。多分映像と音声は別収録だと思われますがステレオで音声が残っていればと残念でなりません。最近グラモフォンからユニテル原盤のベートーヴェンの交響曲全集がDVDで発売されました。ほぼ同時期の映像なのですがこちらはステレオ録音で残っておりしっかりと鑑賞に堪えれます。
 しかし、この幻想集中力は素晴らしく聴き進むにつれてカラヤンマジックに引き込まれていきます。ベルリンフィルとの幻想の録音もありますが、そこはパリ管弦楽団、ベルリンフィルとはまた違ったおもむきの響きが紡ぎ出され、華麗な管楽器の響きとともにカラヤンがこの曲をパリ管と録音したかった意味を汲み取ることができます。
 通常のNHKのコンサート収録は画一的で面白みに欠けていますが、こういう一流の演奏と演出で聴くと幻想交響曲の持つグロテスクさと洗練された旋律の美しさを同時に味わうことができ作品を堪能することができます。
 で、このアーカイブスは別の日にはイッセルシュテットの指揮するベートーヴェンの交響曲第1番も放送されました。これも貴重なものでジャケット写真でしか知らなかったイッセルシュテットの雄姿に接していたく感動しました。こちらはまだDVD化されていないようなので貴重なライブラリーになりました。