「シェエラザード」
メータ/イスラエル・フィル
ヴァイオリン/ウーリ・ビアンカ
指揮/ズビン・メータ
演奏/イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1987/01/08-12 マン・オーディトリウム、テル・アヴィヴ
P:デイヴッド・モトリー
E:マイケル・シェディ
指揮/ズビン・メータ
演奏/イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
録音 1987/01/08-12 マン・オーディトリウム、テル・アヴィヴ
P:デイヴッド・モトリー
E:マイケル・シェディ
ソニー・クラシカル
SRCR-2501
SRCR-2501

メータはやはり一流の指揮者だなあと再認識した一枚です。70歳を超しても変に老人病のやたら遅いテンポにならず悠々と自分の音楽を鳴らしています。といっても、この録音は1987年の録音だからまだ50代の録音ということになるんですがね。メータとしては2度目の録音で以前は常任だったロス・フィルとの録音があります。このイスラエル・フィルとも長くコンビを組んで録音しているから安心して聴いていられます。
ヴァイオリン・ソロのウーリ・ビアンカは多分コンマスと思われますが非常にフレージングが美しくシェエラザードの語り口を饒舌に描き出しています。前にムーティ/フィラデルフィアの「シェエラザード」を取り上げましたがあちらがきらびやかな絵物語といればこちらはしっとりとした大人の絵物語となっているような印象です。
メータはインド生まれの指揮者だけあって東洋的エキゾチシズムに溢れたたこの曲はうってつけです。そして、常任だったニューヨーク・フィルとではなくイスラエル・フィルとの録音に臨んだのも正解だった気がします。香り立つオリエンタルな世界をメータの語り口のうまい指揮で聴き比べたらやはりこちらを選択してしまうでしょうね。惜しむらくは録音がデジタルにもかかわらず曲の持つダイナミックさを捉えきれておらずその点だけはムーティに譲ります。
併録の「ロシアの復活祭」序曲はメータにしてはおとなしい録音でやや盛り上がりに欠けるのが残念。こちらはニューヨーク・フィルとの組み合わせの方が燃えたかもしれないなあ。しかし、世間ではメータの「シェエラザード」は全く話題にも登らないようで、YouTubeではヒットしません。(^_^;)