最近この映画のノベライズされた小説を読みました。今から20年前の1985年に発行された新潮文庫の一冊です。当時は映画の原作が文庫で争うように発行されていて小生も次から次へと買い漁ったものですが、何と20年間も読まずにお蔵入りになっていたものです。作者はジョージ・ガイプ、当時新潮文庫からは「グレムリン」も出版されていました。得てして小説は映画と全くかけ離れたストーリーになっているものが多く読んでがっかりするものが多かったのですがこの一冊は嵌まりました。読み進むに連れて無性に映画が観たくなりビデオテープを探しレーザーディスクを家捜ししました。
けれどどちらも処分して後の祭り、最後はDVDだよりです。でも、このDVDのおかげで懐かしくも本編と小説の狭間を垣間見ることが出来ました。今のDVDには特典映像が付いていてそのボーナスとして収録されている映像の中にこの小説で描かれている仔細な部分が記録されているのです。しかし、いくつかのシュチュエーションの違いは存在します。映画冒頭のドクの家でのスピーカーのぶっ壊しからオーディションのシーンまでは設定がまるで違うし、1955年へタイムスリップした後のリヨン団地の建設予定地でのシーンは映画では入り口の門が出来ているだけだが、小説ではモデルハウスがもう出来ていて車をその家のガレージへ隠すことになっている。このモデルハウスはマーティの家という設定でガレージのキーもそのまま使えてしまうのだ。この設定では1985年のマーティの家は築後30年の家に住んでいることになり、まだ17歳の高校生がとても家を買える状況ではないのだから矛盾しているといえます。もう一つの大きな違いは「深海パーティ」でマクフライがビフを伸すシーンだがここに至るまでの状況は映画ではただ時計を見て時間を確認しあわてて車に駆け寄る設定だが、カットシーンでは電話ボックスに入り正確な時間を確認することでビフの仲間に閉じ込められる設定、さらに小説ではトイレのボックスに閉じ込められる設定として描かれている。心理描写的には小説が一番克明に描かれていて気に入っています。
この映画はいろいろとタイムパラドックスを含んでいますが、その最たるものは1985年に戻ったマーティの家族の生活つの変化でしょう。両親。兄弟の生活環境がごろっと変わってしまっています。その変化は見ていて痛快なまでの変化ですがもう一つ大きな変化がさりげない所に隠されています。マーティが1955年にタイムスリッブした時、農場で発砲され逃げる時に2本あった松の1本を倒してしまっています。つまり、冒頭のシーンのショッピングセンターの名前は「TWIN PAINS MOLE」なのですが再び1885年に戻ってリビアの過激派の車の後を追って駆けつけた時には「LONE PAIN MOLE」と看板が変わっているのです。
この映画はキャスティングが変更されています。当初のマーティ役だったエリック・シュトルツは降ろされマイケル・J・フォックスに変更されて撮影し直しとなりましたが、変人のドク役のクリストファー・ロイドはまさに適役です。メイキングでこれも怪物指揮者のストコフスキーの仕草をまねて大げさのジェスチャーで演じたと話していたのが印象的でした。
音楽もアラン・シルヴェストリが98名もの奏者を集めた大オーケストラでストーリーの脇を固め、ヒューイ・ルイスが主題曲を歌い、50年代の懐かしのロックンロールも聴けるというゴージャスな構成で素晴らしく楽しめるエンターティメント作品に仕上がっています。それに最初から続編を意識させるエンディングで期待感を高めているのも50年代の映画の作風をパロっていて楽しめます。ロバート・ゼメキス快心の一作に仕上がっています。
この小説は類似本も結構ありました。その中の一冊が写真2の本でこれは創元推理文庫シリーズで発売されました。過去へのタイムワープまでは一緒だがその後はストーリーにいくつもの選択肢があり映画とは全く別のストーリーを体験することができるものです。サイコロを使ってストーリーを進めますので毎回違うシナリオを体験できて映画本編には無い面白みが味わえます。古本屋で探してみてください。
創元推理文庫902 「スーパーアドベンチャーゲーム バック・トゥ・ザ・フューチャー」 安田均/TTG 480円
けれどどちらも処分して後の祭り、最後はDVDだよりです。でも、このDVDのおかげで懐かしくも本編と小説の狭間を垣間見ることが出来ました。今のDVDには特典映像が付いていてそのボーナスとして収録されている映像の中にこの小説で描かれている仔細な部分が記録されているのです。しかし、いくつかのシュチュエーションの違いは存在します。映画冒頭のドクの家でのスピーカーのぶっ壊しからオーディションのシーンまでは設定がまるで違うし、1955年へタイムスリップした後のリヨン団地の建設予定地でのシーンは映画では入り口の門が出来ているだけだが、小説ではモデルハウスがもう出来ていて車をその家のガレージへ隠すことになっている。このモデルハウスはマーティの家という設定でガレージのキーもそのまま使えてしまうのだ。この設定では1985年のマーティの家は築後30年の家に住んでいることになり、まだ17歳の高校生がとても家を買える状況ではないのだから矛盾しているといえます。もう一つの大きな違いは「深海パーティ」でマクフライがビフを伸すシーンだがここに至るまでの状況は映画ではただ時計を見て時間を確認しあわてて車に駆け寄る設定だが、カットシーンでは電話ボックスに入り正確な時間を確認することでビフの仲間に閉じ込められる設定、さらに小説ではトイレのボックスに閉じ込められる設定として描かれている。心理描写的には小説が一番克明に描かれていて気に入っています。
この映画はいろいろとタイムパラドックスを含んでいますが、その最たるものは1985年に戻ったマーティの家族の生活つの変化でしょう。両親。兄弟の生活環境がごろっと変わってしまっています。その変化は見ていて痛快なまでの変化ですがもう一つ大きな変化がさりげない所に隠されています。マーティが1955年にタイムスリッブした時、農場で発砲され逃げる時に2本あった松の1本を倒してしまっています。つまり、冒頭のシーンのショッピングセンターの名前は「TWIN PAINS MOLE」なのですが再び1885年に戻ってリビアの過激派の車の後を追って駆けつけた時には「LONE PAIN MOLE」と看板が変わっているのです。
この映画はキャスティングが変更されています。当初のマーティ役だったエリック・シュトルツは降ろされマイケル・J・フォックスに変更されて撮影し直しとなりましたが、変人のドク役のクリストファー・ロイドはまさに適役です。メイキングでこれも怪物指揮者のストコフスキーの仕草をまねて大げさのジェスチャーで演じたと話していたのが印象的でした。
音楽もアラン・シルヴェストリが98名もの奏者を集めた大オーケストラでストーリーの脇を固め、ヒューイ・ルイスが主題曲を歌い、50年代の懐かしのロックンロールも聴けるというゴージャスな構成で素晴らしく楽しめるエンターティメント作品に仕上がっています。それに最初から続編を意識させるエンディングで期待感を高めているのも50年代の映画の作風をパロっていて楽しめます。ロバート・ゼメキス快心の一作に仕上がっています。
この小説は類似本も結構ありました。その中の一冊が写真2の本でこれは創元推理文庫シリーズで発売されました。過去へのタイムワープまでは一緒だがその後はストーリーにいくつもの選択肢があり映画とは全く別のストーリーを体験することができるものです。サイコロを使ってストーリーを進めますので毎回違うシナリオを体験できて映画本編には無い面白みが味わえます。古本屋で探してみてください。
創元推理文庫902 「スーパーアドベンチャーゲーム バック・トゥ・ザ・フューチャー」 安田均/TTG 480円