今日の一冊 03/13「シンガポール路地裏百科」葭原麻衣 | geezenstacの森

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「シンガポール路地裏百科」葭原麻衣

トラベルジャーナル
1994 1500円
 今でこそシンガポールを紹介した本は数々あるけれど1994年当時はガイドブックはあったけれどもう一歩踏み込んだものはなかなかお目にかかれなかった。そんな中でであったのが本書だった。ガイドものは古くなると内容の乖離が激しく商品価値は下がるものだが、この本は全くそんなことはない。今読み返しても非常に新鮮でなおかつその内容に引き込まれてしまう。
 著者は実際シンガポールで結婚式まで挙げてしまったシンガポール通である。本書の中でもその結婚式の下りが一番面白く笑い転げてしまった。シンガポールは多国籍民族で中華系、マレー系、インド系の諸民族でそれぞれ宗教が違うからバラエティに富んでいるが、また規制もいろいろあるようで日本人が出来るのは仏教式にほぼ限定されるようだ。費用も格安で日本から12名ほどを呼び寄せても総費用は200万ちょっとですんだという。さて、結婚式はパーリ語のお経で始まり、誓いの言葉を述べるのだがこれもパーリ語、復唱すればいいのだがやたら長いので覚えきれなくなり言葉尻を追っての復唱が「さんまにイカにタコにサバ」
「タマヤにハナヤにスミダガワ」
「マハリク、マハリタ、ヤンパラヤンヤンヤン」
最後なんかは「魔法使いサリー」ちゃんの呪文の言葉になってしまったというのだ。最後は参列者も復唱させられたとかで笑いの渦に。
 この結婚式はシンガポールの新聞に「シンガポールで仏式結婚式を挙げた初めての日本人カップル」として一面にカラーで掲載されたそうだ。
 なんて話がそれこそキラ星のごとく収められている。庶民の文化、表題の路地裏の食文化についても言及があり、小生も「愛・地球博」のシンガポール館では紹介されていた「アイス・カチャン」をおいしく食べました。